『2人ゲームのリーグ戦』解答


◆広島県 清川 育男 さんからの解答。

【問題1】

 将棋盤A将棋盤B
1回戦1−23−4
2回戦1−32−4
3回戦1−42−3

【問題2】

 将棋盤A将棋盤B将棋盤C
1回戦1−23−45−6
2回戦1−34−52−6
3回戦1−45−23−6
4回戦1−52−34−6
5回戦1−63−54−2

(2n−1)行(2n)列の行列になっている。
問題1、問題2からローテイションの規則性がみられます。


【コメント】

 見事正解です。
人数が多くなると、一般的な方法がないと苦しくなります。
nが偶数ならば、必ずできるような方法を工夫してください。

マニアックですが、この将棋盤の局面は私は大好きです。


◆石川県 平田 和弘 さんからの解答。

全然アイデア・法則が浮かばないので文献よりの引用となりますが、いろいろ応用できそうですので紹介します。

(文献:大村 平著 数理パズルのおはなし 日科技連)

【問題3】

図形を利用します。

n人で2人ゲームのリーグ戦を実施するとき、

●1.
円周上に等間隔に(n−1)個の点をとります。

●2.
中心を1の点とし、上記1.でとった円周上のどこか1点を2の点と決めます。
(2はどこにとっても結局同じです。)

●3.
2の点より右回りに以下、3、4、・・・・・・、n−1、nの点 ととります。

●4.
1の点と2の点を結ぶ線分をひき、この線分と垂直に交わる線分をひくと、この線分は円周より2の点を除いた点は(n−2)個なので、
(n−2)/2本ひけます。

具体的には、
3の点とnの点を結ぶ線分、4の点と(n−1)の点を結ぶ線分、・・・・・・というようにひきます。

●5.
この(n−2)/2本の線分の長さはすべて異なり、また1の点と2の点を結ぶ線分の長さとも異なります。
(※単位円を考えて、線分と中心とのなす角を考えると、
2π/(n-1)=θとして円の中心より上は2θ、4θ、・・・・となり下はθ、3θ、・・・・・となるので、また、それぞれの線分の長さはπを含んだ数になるので)

●6.
上記5.に1の点と2の点を結ぶ線分を加えたn/2本の線分で1回戦ごとの両端を組み合わせとして考えます。

●7.
点の位置はもとのままにして、線分の形を崩さずに、右へ上記5.のθ分だけ回転させます。
具体的には、1の点と3の点を結ぶ線分、4の点と2の点を結ぶ線分、5の点とnの点を結ぶ線分、・・・・・

●8.
以下同様にして1回戦ごとに右へ上記5.のθ分だけ回転させます。
すると、1回転するうちにn/2種類の線分がそれぞれ(n−1)ずつの異なるペアを指定しますので、
合計(n−1)/2種類の異なるペアが指定されることになります。
(実際に具体的に図を書くと分り易いです。)

●9.
これはnC2=(n−1)/2と一致しますし、どの場合でも必ずペアを組んでいて、重複等がありません。

以上より、n人で2人ゲームのリーグ戦組み合わせは可能です。
具体的に8人で2人ゲームのリーグ戦組み合わせを作ってみますと

1回戦 (1,2)(3,8)(4,7)(5,6)
2回戦 (1,3)(2,4)(5,8)(6,7)
3回戦 (1,4)(2,6)(3,5)(7,8)
4回戦 (1,5)(2,8)(3,7)(4,6)
5回戦 (1,6)(2,3)(4,8)(5,7)
6回戦 (1,7)(2,5)(3,4)(6,8)
7回戦 (1,8)(2,7)(3,6)(4,5)

となります。

関連問題がありますので紹介します。

【関連問題】

ダブルス(たとえばテニスや卓球)ゲームのリーグ戦

8人のそれぞれが他の7人と1回ずつペアを組み、8人が2面のコートに4人ずつ(2ペア)に分かれて同時進行すると7回戦で可能です。
具体的な組み合わせと求める方法を示して下さい。

[ヒント] 上記の方法を利用できます。

(感想)

アイデアには感心しました。すばらしいの一言です。
応用範囲も広そうですし、現実的にも使えます。
自分で法則的なものを探しながら試行錯誤してやると12人まではできましたが、そこからは困難でした。


◆東京都 Asami さんからの解答

【問題3】

これって、(グラフ理論に於ける)完全グラフK_2nがn-1個のハミルトンサイクル及び1つの1因子に分解可能という結果そのものですね。
(ちなみにK_2n+1でもn個のハミルトンサイクルに分解可能です。)

注1:完全グラフK_nとは要するにn角形があってすべての頂点同士を結んだもの

注2:ハミルトンサイクルとはすべての頂点を通る回路(輪っか)のこと

注3:1因子とは1つの頂点から出ている線分が必ず存在して、しかも1本しかないものから成る線分同士の集まりのことです。

注4:K_2nのすべての線分は
2n2=2n(2n-1)/2=n(2n-1)であり、
1個のハミルトンサイクルあたり2n本の線分を費やす×n-1個
=2n(n-1)なので
残りn(2n-1)−2n(n-1)=n本をどうするかということになります。
(明らかにもはやハミルトンサイクルを取ることができない)この残りが1因子にならないだろうか?
(ただし、うまくn-1個のハミルトンサイクルを取らねばならないのですが………)ということです。

注5:K_2nの場合、ハミルトンサイクルの辺の数が偶数なのを考慮すれば、辺を1つおきに見ていくことによって、それが対戦表になります。
従って、上記の事実は【問題3】を特別な場合に含む結果になっています。

上記の用語説明は、厳密な定義ではありません。
イメージ的なものです。
もっと一般的な事実もあるのでしょうけど、私にはこれくらいしか分かりません。


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