◆東京都 いとう さんからの解答。
私は中学生の時、理科の先生からグレゴリーの式
π 4 |
= | 1 1 |
− | 1 3 |
+ | 1 5 |
− | 1 7 |
+ ... |
を教えてもらい、意味の無い数字の羅列に見えるπが、πとは全く無関係に見える実に整然とした級数で求められることに大変びっくりしました。
後年、何回か、専門学校の生徒などに初歩のプログラミングを教えることがあったのですが、そんな 時には、よく課題として、この式の右辺を(1項計算する毎に和を表示させながら)計算するプログラ ムを学生に書かせていました。
最初は「ある値に収束するよ」とだけ言って、プログラムを作らせるのですが、授業の最後に、付け足しっぽく「では、出てきた値を4倍して表示するようにプログラムを変えて見て。」と言うのです。
その後、教室が驚きの声でいっぱいになることは、言うまでもありません。
また、最初から右辺を4倍した形の級数を計算させることもありました。
この級数は、級数和が上下上下しながら収束し、かつ、収束が悪いわけですが、それが演出効果となって、学生達は、モニタ画面上で、ゆっくりと(予想もしていなかった)πに近づく計算値を、信じられないといった面持ちで長い間見つめ続けることになります。
私にとっては、学ぶ感動だけではなく、教える感動も与えてくれる「美しい公式」です。