◆石川県 平田 和弘 さんからの解答。
1より小さい有理数で既約分数で表したとき、分母が5040のものはたくさんあるので、直接和を求めるのは大変です。
そこで
1より小さい有利数で分母が5040のもの全体の和
・・・(★)
から
1より小さい有利数で分母が5040のもので既約でないものの和
・・・(☆)
を引けば求められる。
まず、(★)の分子は
(1+2+3+・・・+5039)
={5039・(5040/2)}
=(5039・2520)
=12698280・・・(#)となります。
次ぎに、(☆)についてですが1より小さい有理数で分母が5040でかつ既約でないもの求めることにします。
5040を素因数分解(素数の積に分解)すると
5040=24・5・7・32 となります。
それぞれ最小因子2,5,7,3は互いに素なので、1〜5039のうち2で割れるもの、または5で割れるもの、7で割れるもの、3で割れるものの和を(重なりの部分を除いて)それぞれ求めると、
(1)
2で割れるものの和
=2+4+6+・・・+5038
=(5040・2519)/2
=6347880・・・(A)
(2)
5で割れるものの和
=5+10+・・・・+5035
=(5040・1007)/2
=2537640となりますが、
(2-1)
2かつ5で割れるもの即ち10で割れるものがだぶっているのでそれを求めると
10で割れるものの和
=10+20+・・・+5030
=(5040・503)/2
=1267560 となるので
5で割れて2で割れないものの和
=2537640-1267560
=1270080・・・(B)
(3)
7で割れるものの和
=7+14+・・・・+5033
=(5040・719)/2
=1811880 となりますが、
(3-1)
7かつ2で割れるもの即ち14で割れるものがだぶっているのでそれを求めると
14で割れるものの和
=14+28+・・・+5026
=(5040・359)/2
=904680
(3-2)
7かつ5で割れるもの即ち35で割れるものがだぶっているのでそれを求めると
35で割れるものの和
=35+70+・・・+5005
=(5040・143)/2
=360360 となるので
7で割れて2でも5でも割れないものの和
=1811880-904680-360360
=546840・・・(C)
(4)
3で割れるものの和
=3+6+9+・・・+5037
=(5040・1679)/2
=4231080 となりますが、
(4-1)
3かつ2で割れるもの即ち6で割れるものがだぶっているのでそれを求めると
6で割れるものの和
=6+12+・・・+5034
=(5040・839)/2
=2114280
(4-2)
3かつ5で割れるもの即ち15で割れるものがだぶっているのでそれを求めると
15で割れるものの和
=15+30+・・・+5025
=(5040・335)/2
=844200
(4-3)
3かつ7で割れるもの即ち21で割れるものがだぶっているのでそれを求めると
21で割れるものの和
=21+42+・・・+5019
=(5040・239)/2
=602280 となるので
3で割れて2でも5でも7でも割れないものの和
=4231080-2114280-844200-602280
=670320・・・(D)
(A)+(B)+(C)+(D)
=6347880+1270080+546840+670320
=8835120・・・(E)
(5)
上記(A)+(B)+(C)+(D)には、2,3,5,7のうちどれか3個とったものが3回ずつダブって戻されて1回も含まれていないので、これらの和を求めると、
(要するに例えば30で割れるものは、2,3,5で割れるときに3回加えられて、6,10,15で割れるときに3回引かれているのでこの調整をする。)
(5-1)
2かつ3かつ5で割れるもの即ち30で割れるものが(6で割れるもの、15で割れるもの、10で割れるものと)3回ダブって戻されて、1回も含まれていないことになるので
30で割れるものの和
=30+60+・・・+5010
=(5040・167)/2
=420840 を加える。
(5-2)
2かつ5かつ7で割れるもの即ち70で割れるものが(10で割れるもの、14で割れるもの、35で割れるものと)3回ダブって戻されて、1回も含まれていないことになるので
70で割れるものの和
=70+140+・・・+4970
=(5040・71)/2
=178920 を加える。
(5-3)
2かつ3かつ7で割れるもの即ち42で割れるものが(6で割れるもの、14で割れるもの、21で割れるものと)3回ダブって戻されて、1回も含まれていないことになるので
42で割れるものの和
=42+84+・・・+4998
=(5040・119)/2
=299880 を加える。
(5-4)
3かつ5かつ7で割れるもの即ち105で割れるものが(15で割れるもの、21で割れるもの、35で割れるものと)3回ダブって引かれているので
105で割れるものの和
=105+210+・・・+4935
=(5040・47)/2
=118440 を加える。
よって、
420840+178920+299880+118440=1018080 なので
上記(E)に加えて
8835120+1018080=9853200・・・(F)
(6)
上記(A)+(B)+(C)+(D)および(5)には 2,3,5,7のうち4個すべてとったものが
{(A)+(B)+(C)+(D)}で2回戻され、(5)で4回引かれて、都合2回余分に足されているのでこれらの和を求めると、2かつ3かつ5かつ7で割りきれるもの即ち210で割れるものが2回ダブって足されているので
210で割れるものの和
=210+420+・・・+4830
=(5040・23)/2
=57960を引く。
上記(F)から引いて、9853200-57960=9795240
よって既約でないものの分子の和は9795240・・・(♭)
よって求める答えは
{(#)-(♭)}/5040
=(12698280-9795240)/5040
=2903040/5040
=576となります。
◆石川県 Takashi さんからの解答。
5040を素因数分解すると、
5040=24×32×5×7
今、分母が5040で1より小さい既約分数を考えるとき、その分子は5040より小さくて互いに素な数である。
それらの分子の合計を、S
5040より小さいnの倍数の合計を、S(n) とする。
Sを求めるには、全ての自然数から【2,3,5,7】の倍数を除く。
S(1)から、それぞれS(2),S(3),S(5),S(7)を引くと、
【210】の倍数は4回
それ以外の【30,42,70,105】の倍数は3回
それ以外の【6,10,14,15,21,35】の倍数は2回重複して除かれるので、それらを元に戻す。
S =S(1)-{S(2)+S(3)+S(5)+S(7)}+{S(6)+S(10)+S(14)+S(15)+S(21)+S(35)}-{S(30)+S(42)+S(70)+S(105)}+S(210) =2,903,040S÷5040=576
◆広島県 清川 育男 さんからの解答。
以前類似の問題が出題された記憶があります。
5040を素因数分解する。
5040=(24)×(32)×5×7
分母5040と互いに素となる分子の個数は、オイラーの関数により、
φ(5040)
=φ(24)×φ(32)×φ(5)×φ(7)
=(24−23)×(32−3)×(5−1)×(7−1)
=8×6×4×6
=1152
求める和はガウスの方法により、
( | 1 ――――― 5040 | + | 5039 ――――― 5040 | )×1152÷2 |
答え 576。
【コメント】
昔やりましたね、オイラーの関数。
コンピュータで答えを求めた私は馬鹿でした。