◆広島県 清川 育男 さんからの解答。
【問題2】
nが4の倍数のとき。
【問題3】
F4nが3の倍数の証明。
数学的帰納法による。
n=1,F4=3。
これは3の倍数。
n=k,F4kが3の倍数とする。
フィボナッチ数列の定義により
5×F4k+3×F4k-1=F4(k+1)
左辺は3の倍数である。
よってn=k+1のときも成り立つ。
したがって,F4nは3の倍数である。
以上です。
これで数学的帰納法になっているのでしょうか。
【コメント】
証明はOKだと思います。
説明不足だったのですが、問題は、「フィボナッチ数が3の倍数」である必要十分条件は「nが4の倍数」であることの証明です。
ですからnが4の倍数に限ることも証明してください。
◆広島県 清川 育男 さんからの解答。
【問題3】
十分条件は証明済み。
(続き)必要条件 nが4の倍数以外にはFnが3の倍数にならないことの証明。
nを4による剰余に分類して、背理法を使って証明する。
(1)n=4k+1のとき F4k+1が3の倍数と仮定する。
F4k+1=F4k+F4k-1
F4k+1,F4kは3の倍数であるから、F4k-1も3の倍数となる。
以下、論を進めると全てのフィボナッチ数が3の倍数となる。
これは矛盾である。
これは、F4k+1を3の倍数と仮定としたことによる。
したがって、n=4k+1のとき F4k+1は3の倍数とならない。
(2)n=4k+2,F4k+2
(3)n=4k+3,F4k+3
(2),(3)のとき同様の論法により、
n=4k+2の時F4k+2、n=4k+3のときF4k+3はそれぞれ3の倍数とならない。
したがってFnが3の倍数となるための必要十分条件はnが4の倍数である。
【コメント】
今度はOKです。
4の剰余で分類したところが、定石とはいえ、なかなか巧妙ですね。
◆広島県 清川 育男 さんからの解答。
【問題4】
補題1《nが素数(2は除く)のとき、n+1,n−1は素数ではない。》
証明
nが素数(2は除く)であれば少なくともnは奇数である。
したがってn+1,n−1は偶数であるからそれぞれは素数ではない。
補題2《Fn+1,Fn-1は互いに素である。》
証明 背理法による。
仮定.Fn+1,Fn-1は互いに素でないとする。
Fn+1,Fn-1の最大公約数をaとする。(a<>1)
Fn+1=a×b,Fn-1=a×cとする。(b>c>1)
Fn+1=Fn+Fn-1であるから、
a×b=Fn+a×c
両辺をaで割ると、
b=Fn/a+c,Fn/a=b−c
Fn(フィボナッチ数)は自然数であるからaの倍数である。
Fn+1,Fn,Fn-1はaの公約数を持つことになる。
これは矛盾である。
この矛盾は、仮定に起因する。
したがって、Fn+1,Fn-1は互いに素である。
補題3《Fn+1,Fn,Fn-1は1以外の公約数を持たない。》
証明は補題2に準ずる。
補題1、補題2、補題3を使って本題を証明する。
1) 背理法による。
仮定.nが素数(2は除く)のとき、Fnは素数ではない。
Fn=p×q,Fn+1=a,Fn-1=cとする。
a>p×q>c>p>q>1とする。
フィボナッチ数列の定義より、
a=(p×q)+c
p=(a−c)/q
pは自然数であるから、
p=m/q.................1)
mはm>1の自然数とする。
m=a−c.................2)
フィボナッチ数列の定義より、
a=m+c.................3)
m=p×q.................4)
mを1)に代入すると、
p=(p×q)×q
q2=1,q=1
q=1は矛盾である。
これは仮定に起因する。
したがって、nが素数(2は除く)のとき、Fnは素数である。
2)n=4のときF4=3
これは素数である。
以上です。
フィボナッチの数列の一般項は、
この一般項から次々に素数が生成されることになりますが、このアルゴリズムでは現在までに知られている最大の素数を越えることは無理なのでしょうね。
しかし確実に素数を発見できますね。
【コメント】
この証明も正しいと思います。
ただし、証明すべき事は、「フィボナッチ数が素数であるとすると、「n=4またはn自身も素数」のいずれかになる」ですから、今の証明は逆になっています。
「n=4またはn自身も素数」以外の場合は、フィボナッチ数は素数でないことを証明してください。
◆神奈川県 わかさひ君からの解答。
【問題4】Fn= Fn-1+ Fn-2
=2Fn-2+ Fn-3
=3Fn-3+ 2Fn-4
=5Fn-4+ 3Fn-5
=8Fn-5+ 5Fn-6
(以下略)
となる。
ここから予測される事実は、
Fnを、隣り合う二つのフィボナッチ数の一次結合で表すとき係数がフィボナッチ数列になる
である。
式で表すと次のようになる。
Fm+n=Fm+1Fn + FmFn-1
実際、これはFnの一般式
Fn= (φn−(−1/φ)n )/
を代入して計算すると成り立つことが確認できる。
(ただしφは黄金比 (1+)/2 )
ここで、合成数 n が、n=pq という2数p,qの積で表されるとき、
Fpq=F(p-1)q+q=F(p-1)q+1Fq+F(p-1)qFq-1
である。
同様に c=2, ..., p に対して
Fcq=F(c-1)q+1Fq+F(c-1)qFq-1 ...(*)
であり、特に
F2q=Fq+1Fq+FqFq-1=Fq(Fq+1+Fq-1) ...(**)
である。
(*)式の右辺第1項はFqの倍数になっており、第2項も、(**)式より帰納的にFqの倍数になることが分かる。
したがって、Fpqは Fqの倍数になる。
フィボナッチ数列は、 F1= F2=1
n≧3では Fn> 1 であるから、
p,qいずれかが2よりも大きければ、 Fq>1となる。
このとき、FqがFnの約数であることより、Fnは素数とならないことになる。
また、p=q=2のとき、Fp=Fq=1となるので、別に考えなければなりません。
F4=3は素数なので、n=4は、nが合成数のとき唯一例外的にフィボナッチ数 Fnが素数になる。
以上をまとめると、
nが合成数で、かつ4でなければ、Fnは合成数となる。
(証明おしまい)
なお、フィボナッチ数列が無限に素数になることがあるかどうかは分かっていません。
もちろん、上記の結果より、フィボナッチ数が素数であるなら、それは素数番目の項にしか現れることはありませんね。
◆東京都の中学校1年生 安里歩安彼 さんからの解答。
【問題1】
1〜n−1までは命題が示されているとして、帰納法で示そう。
任意の自然数nに関して、
Fmが、n/2より大きくなるようなmが存在することは、容易に分かる。
n−Fm=kは、帰納法の仮定より、相異なるフィボナッチ数列の数の和で表現できるので、
またk<Fmより、それらのフィボナッチ数列の中にFmが含まれることはないので、示される。
【問題2,3】
●Prop1,1
Fnが3の倍数⇔nが4の倍数
証明:
F1〜F8の、mod 3での表示は、
11202210となり、F9以降もこれと同じようになることは、最後から2番目の項が1となることより明らか。
よって、示される
【問題4】
Prop1,1の自然な拡張として、以下のProp1,2がいえる。
●Prop1,2
FnがFmの倍数⇔nがmの倍数
証明も、Prop1,1とほぼ同様にできるので省略する。
さて、Prop1,2より、Fn=pが素数なら、その約数はpか1なので、nは1,2,nでしか割り切れない。
よってnがpのときはよい。
また、nがpでなければ、n=4であることは、
n>4なら、n/2>2より分かる。
よって示された。
最後に…僕からの挑戦問題!!
フィボナッチ数列の数Fnの2乗Fn×Fnの倍数である、
最小のフィボナッチ数列の数をFmとするとき、mを求めよ。
◆広島県 清川 育男 さんからの解答。
【問題5】
証明はできないのですが、推理しました。
n=1 F(1)*F(1)=1 F(1)=F(1*1)=F(1*F(1)) n=2 F(2)*F(2)=1 F(2)=F(2*1)=F(2*F(2)) n=3 F(3)*F(3)=2*2=4 F(6)=F(3*2)=F(3*F(3)) n=4 F(4)*F(4)=3*3=9 F(12)=F(4*3)=F(4*F(4)) n=5 F(5)*F(5)=5*5=25 F(25)=F(5*5)=F(5*F(5)) n=6 F(6)*F(6)=8*8=64 F(48)=F(6*8)=F(6*F(6)) n=7 F(7)*F(7)=13*13=169 F(91)=F(7*13)=F(7*F(7)) n=8 F(8)*F(8)=21*21=441 F(168)=F(8*21)=F(8*F(8)) n=9 F(9)*F(9)=34*34=1156 F(306)=F(9*34)=F(9*F(9)) ................................................... F(n)*F(n) .............................. F(n*F(n)) m=n*F(n) F(n)*F(n)|F(m)綺麗な規則性があるものですね。
◆東京都 ヒロキ さんからの解答。
【問題1】
数学的帰納法による
n = 3 のとき
Fn = 2 以下の自然数は
1 = F1 = F2
2 = F3 = F1 + F2
となり相異なるフィボナッチ数の和で表すことができる
n = k のとき
Fk 以下のすべての自然数が相異なるフィボナッチ数の和で表すことができるとする
n = k + 1 のとき
フィボナッチ数の定義より
Fk+1 = Fk + Fk-1 (1)
Fk >Fk-1 (2)
(2)よりFk-1までの自然数をフィボナッチ数の和で表した場合、
Fkが含まれないのは明らか
よって仮定および(1)(2)より
Fk < N ≦ Fk+1 なるすべての自然数Nもまた相異なるフィボナッチ数の和で表すことができる
したがって n = k + 1 のときも成り立つ
よって題意は証明された。
◆広島県 清川 育男 さんからの解答。
【問題5】
補題
任意のa,bについて
F(a) | F(a*b)
証明略。
題意を満たすmが存在するとすれば、
k*F(n)*F(n)=F(m) ...........(1)
最小のkということは最小のmと同値である。
なぜなら、F(m)≦F(m+1) であるから。
F(m)は合成数であるから、mも合成数でなければならない。
また、少なくともF(n)で割り切れなければならないので、
m=n*m1 の形でなければならない。
k*F(n)*F(n)=F(n*m1) ...........(2)
一方、F(m1) | F(n*m1)であるから、
F(m1) | k*F(n)*F(n) である。
したがって最小のmは、m1=F(n)
よって、m=n*F(n)
(1)式の存在の証明ができません。残念、、、。
mの存在証明をお願いします。
◆茨城県 小川 康幸 さんからの解答。
【問題5】
フィボナッチ数列を拡張して、次のような数列を考える。
U0=0、U1=1
Un+2=x*Un+1-y*Un
ただし、xとyは互いに素とする。
便利のため、V0=2 , V1=x
Vn+2=x*Vn+1-y*Vnと言う数列を考える。
この数列に対して、(Un)wがUmを割り切るような、最小の自然数mを求める。
また、整数dをd=x2-4*yと定義する。
Un≡0 (mod m)となる最小のnをn=ρ(m)とかく事にする。
このとき、求める問題は、ρ{(Un)w}を求める事に他ならない。
ここで、次の命題が成り立つ。
命題1
mがyと互いに素の時、Usがρ(m)で割り切れるとき、sはρ(m)で割り切れる。
命題2
aとbをyと互いに素な自然数とする。
aとbが互いに素のとき、ρ(a*b)=ρ(a)とρ(b)の最小公倍数
命題3
dが素数pで割り切れるとき、ρ(p)=p
命題4
yが奇素数pで割り切れないとき、ρ(pe)=pe-e'*ρ(p)
ただし、e'は、ρ(pe')=ρ(p)となる最大の自然数。
命題5
yが奇数、
そしてρ(4)=ρ(2)のとき、ρ(2e)=2e-e'*ρ(2)
ただし、e'は、ρ(2e')=ρ(2)となる最大の自然数。
yが奇数、そしてρ(4)≠ρ(2)のとき、xが偶数のとき、
ρ(2e)=2e
命題6
nがyと互いに素のとき、Unがnで割り切れる。⇔pを任意のnの素因数とするとき、ρ(p)がnで割り切れる。
命題1から6までの証明は、『フィボナッチ数列の性質 Part2』の私の解答にあります。
命題7の証明に、次の公式を使います。
nが奇数のとき、
2n-1*Un=n*xn-1-nC3*xn-3*d+・・・±d(n-1)/2
使用した公式集(Paulo Riebenboim著 共立出版「素数の世界」)
命題7
pを3以上の素数とする。
yがpで割り切れず、dがp2で割り切れるとき、Upはpで割り切れるが、p2で割り切れない。
つまり、pが3以上の素数で、かつ、dがp2で割り切れるとき、
ρ(pe)=pe
証明
2p-1*Up
=p*xp-1-pC3*xp-3*d+・・・±d(p-1)/2
≡0 (mod p)
ゆえに、Up≡0 (mod p)
Upがp2で割り切れると仮定すると、
0≡2p-1*Up
≡p*xp-1-pC3*xp-3*d+・・・±d(p-1)/2
≡p*xp-1 (mod p2)
xp-1≡0 (mod p) よって、x≡0 (mod p)
4y≡x2-d≡0 (mod p) よって y≡0 (mod p)
これは、xとyが互いに素であることに反する。
Upはp2で割り切れない。
よって、このとき、命題4のe'は1だから、
命題4より、ρ(pe)=pe
証明終
命題8
任意の自然数nに対して、Unとyは互いに素である。
証明
Unとyが共通の素因数qを持つと仮定する。
0≡Un
≡x*Un-1-y*Un-2
≡x*Un-1
≡x2*Un-2
≡・・・
≡xn-1 (mod q)
よってx≡0となって、xとyが公約数qを持つ事になって不合理
証明終
R0=0、R1=1
Rl+2=Vn*Rl+1-yn*Rlなる数列 Rlを考える。
整数eを、e=Vn2-4*ynと定義する。
そして、Rg≡0 (mod h)となる自然数gのうち最小のものを、g=θ(h)とかく事にする。
命題9
任意の自然数nに対して、Vnとynは互いに素である。
証明
Vnとynが、共通の素因数qを持つと仮定する。
qはyの約数である。
よって
0
≡Vn
≡x*Vn-1-y*Vn-2
≡x*Vn-1
≡x2*Vn-2
≡・・・
≡xn (mod q)
x≡0 (mod q)となって、xとyが互いに素であることに反する。
証明終
命題10
証明
Unは、zの2次方程式、z2-x*z+y=0の相異なる2つの解をα、βとすると
Un= | αn-βn α-β | 、Vn=α2+β2 |
そして、Rl= | αl*n-βl*n α-β | と書ける。 |
Unでのdに対応するRlの値eは、
e=(Vn)2-4*yn=(αn-βn)2=d*(Un)2である。
(Un)w-1の任意の素因数をpとすると、pは、Unの素因数だから、
e=Vn2-4*yn=d*(Un)2はp2で割り切れる。
また、(Un)w-1はynと互いに素
(命題8より、pとUnは互いに素だから)
また、命題9より、Vnとynも互いに素であるから、
RlもUnと同様に、命題1〜8が成立する。
命題3より、θ(p)=p
θ(p)は、(Un)w-1の約数だから、命題6より、
は、(Un)w-1で割り切れる。
よって、命題10は示された。
証明終
命題11
UMが(Un)wで割り切れるような最小のMについて、
証明
UMは少なくとも、Unで割り切れる。
Mは命題1よりρ(Un)=nで割り切れる。
M=n*L
UM=Rl*Un
Rlが{Un}w-1で割り切れなければならない。
(Un)w-1の任意の素因数をp、そして、指数をsとする。
命題2よりθ[(Un)w-1]=pが
(Un)w-1の任意の素因数を動くときのθ(ps)の最小公倍数
e=(Vn)2-4*yn=d*(Un)2だから、eは、p2で割り切れる。
命題7より、p≧3のとき、θ(ps)=ps
ところが、p=2のときは、命題4と命題5より
θ(2s)=2s-s'+1となる。
ただし、s'はθ{ps'}=θ(p)となる最大の自然数
よって、Unが2と互いに素のとき。
θ({Un}w-1)=(Un)w-1
よって、M=θ({Un}w)=(Un)w-1*nであることが分かる。
Unが2で割り切れるとき、
R2=Vnが、4で割り切れないとき、
命題5より、上と同様に
M=θ({Un}w)=(Un)w-1*nであることがわかる。
また、w=1かつ、Unが4で割り切れないときも、
M=θ(Un)=Un*n
が成立する。
そうでないときは、
θ({Un}w)<(Un)w-1*n
となることがある。
正確には、
M=θ({Un}w)= | (Un)w-1*n 2s'-1 | となる。 |
解答終
◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。
【問題5】
<補題1>
FN= | αN−βN α−β |
∵ フィボナッチの基本です。
<定義と補題2>
GN=FN+1+FN-1=(αN+βN)
∵ 略。補題1を代入すればよい。
<補題3>
FN2−FN+KFN-K=(−1)N+KFK2
∵ 補題1を左辺に代入します。
(α−β)2×左辺
=(αN−βN)2−(αN+K−βN+K)(αN-K−βN-K)
=(−1)N{−2+ | ( | α β | ) | K | + | ( | β α | ) | K | } |
<補題4>
FKN=GNFN(K-1)−(−1)NFN(K-2)
(N飛びフィボナッチの漸化式 )
∵ 数学的帰納法で簡単に証明可能。略
<補題5>
HN、K≡FN-3×HN、K-1−(−1)NHN、K-2 (mod FN)
HN、0=2 、HN、1=FN-3で定義される数列の周期は4である。
略記として 今後<N> は演算子または符号でNが偶数のとき+、奇数のとき−とする。
∵ 補題2においてK=3(N−3)→N とすると、F3=2なので
FN-32−FNFN-6=<N>F32=<N>4 である。従って
FN-32≡<N>4 (mod FN)
H2 〜 H5を計算すると、下記のようにHは周期4である。
絶対値は周期2。
H2=FN-3×FN-3−<N>2≡<N>2 (mod FN)
H3=FN-3×(<N>2)−(<N>FN-3 )≡<N>FN-3 (mod FN)
H4=FN-3×(<N>FN-3 )−2≡2 (mod FN)
H5=FN-3×2−FN-3≡FN-3 (mod FN)
<補題6>
GN≡FN-3 (mod FN)
∵ FNの漸化式を適用すると
FN+1+FN-1=2FN+FN-3≡FN-3 (mod FN)
<補題7>
Nが3の倍数でないとき GN と FN は奇数で互いに素
Nが3の倍数であるとき | GN 2 | と | FN 2 | は整数で互いに素 |
<問題5証明>
清川さんの補題等により FKNはFNの倍数であり、
FMがFNの倍数であるためにはM=KNでなければならない。
従って、FN2の倍数をFMに見つけるとき、M=KNが必要条件である。
すなわち、FMのうち、補題4に示される系列だけ調べればよい。
またFN の倍数かどうかが問題であるので、全て(mod FN)で考える。
以降 ≡ は (mod FN)に限る。
補題4と補題6および補題1より
FKN≡FN-3FN(K-1)−(<N>FN(K-2))―――――(1)
F0=0 、FN≡ | αN−βN α−β | である。 |
さて、補題1より αN=A βN=B と置くとき、
FKN
= | αKN−βKN α−β |
= | αN−βN α−β | ×(AK-1+AK-2B1+AK‐3B2+AK‐4B 3+・・・A0B K-1) |
FKN FN |
=AK-1<N>AK-3+AK‐5+・・・項数K・・・<N> B K-3+BK-1 |
=(AK-1+BK-1)<N>(AK-3+BK-3)+(AK‐5+B K-5)<N>(AK-7+B K-7) ・・・項数 | [ | K 2 | +0.5]又は | [ | K 2 | ]・・・ ±1または±(A+B) ―――(2) |
(2)式に適用すると
FKN FN | =HN、K-1−HN、K-3+HN、K-5−HN、K-7+・・・±{1またはHN、1} |
具体的には<[ | K-1 2 | ]>である。[ ]:ガウス記号) |
(A)Kが奇数のときK−1は偶数だから補題5により、
0≡ | FKN FN | ≡<[ | K-1 2 | ]>{2+2+・・・+2+1} = < | K-1 2 | >K |
よって、0≡Kでなければならず、K>0で最小のK=FN
(B)Kが偶数のとき補題5により、
0≡ | FKN FN |
≡<[ | K-1 2 | ]> | KH1 2 | ≡< | K 2 | -1> | FN-3 | K 2 |
K 2 | は | FN 2 | の倍数でなければならない。 |
以上より最小のm=NFNである。
【感想】
今回この問題を考えてみて、フィボナッチの世界にはその内部で結構構造を持っていることに驚きました。
この問題では | AK−BK A−B | ={ K項(定数) の和 }の線で |
今回使用しませんでしたが、その中で見つけた綺麗な関係として下記を問題として紹介します。
FN+M+1=FN+1FM+1+FNFM
(F2N+1=FN+12+FN2)
◆広島県 清川 育男 さんからの解答。
【問題6】
【補題】
F(A+B)=F(A-1)*F(B)+F(A)*F(B+1)
証明は略。(度々使われています。)
F(M+N+1)
=F((N+2)+(M-1))
=F(N+1)*F(M-1)+F(N+2)*F(M)
=F(N+1)*F(M-1)+(F(N+1)+F(N))*F(M)
=F(N+1)*(F(M-1)+F(M))+F(N)*F(M)
=F(N+1)*F(M+1)+F(N)*F(M)
M=Nのとき
F(2N+1)=F(N+1)2+F(N)2
◆兵庫県の高校生 そーうん さんからの解答。
【問題3】
(予測して証明ではなく直接求める形にしました)
n>4の時
an=an-1+an-2
=2an-2+an-3
=3an-3+an-4
よって
anが3の倍数のときan-4も3の倍数であり
an-4が3の倍数のときanも3の倍数である。・・・(1)
これを何度も適用すると
anはa1,a2,a3,a4のいずれかに帰着する。
ここでa1=1
,a2=1
,a3=2
,a4=3
よって3の倍数はa4に帰着するanのみだが、
そのようなnは4の倍数のみである。
((1)より自明)
◆京都府 大空風成 さんからの解答。
【問題6】
F1=1、F2=1、FN+FN+1=FN+2で
FN+1FM+1+FNFM= FN+M+1…(1)
を数学的帰納法によって証明する。
N=1のとき
(左辺)=F2FM+1+F1FM
=FM+1+FM
=FM+2
=F1+M+1
=(右辺)
よって、N=1のとき、(1)は成り立つ。
N=2のとき
F3=F1+F2=1+1=2だから、
(左辺)=F3FM+1+F2FM
=2FM+1+FM
=FM+1+FM+1+FM
=FM+1+FM+2
=FM+3
=F2+M+1
=(右辺)
よって、N=2のとき、(1)は成り立つ。
N=K、K+1のとき、(1)が成り立つと仮定すると、
FK+1FM+1+FKFM=FK+M+1
FK+2FM+1+FK+1FM=FK+M+2
となる。
N=K+2のとき
(左辺)=FK+3FM+1+FK+2FM
=(FK+1+FK+2)FM+1+(FK+FK+1)F
M
=FK+1FM+1+FK+2FM+1+FKF
M+FK+1FM
=(FK+1FM+1+FKFM)+(FK+2F
M+1+FK+1FM)
=FK+M+1+FK+M+2
=FK+M+3
=FK+2+M+1
=(右辺)
となり、N=K+2のときも(1)は成り立つ。
以上より、すべての自然数Nについて、(1)は成り立つ。