『理想の株のパラドックス』解答


◆東京都 かえる さんからの解答。

【練習1】

10・2・
+10・

=12.5・・・【答】

【問題1】

10・
+0・
=5・・・【答】

【問題2】

株、券の確率変数をX、Yとする。

2倍半額
20
10

より、Y=
・X− 10

ゆえに、(イ)
(ロ) 10
・・・【答】

1株は10円なので、

・10− 10
10
(ハ)・・・【答】

【問題3】

1株の1月後の期待値(本問の場合12.5)が1株の現在の値段(本問の場合10)より大きければ、期待値で売って儲けることができるのは当然。


◆東京都 ドミンゴ さんからの解答。

【練習1】

20× 1
2
+ 5× 1
2
= 12.5

【問題1】

10× 1
2
+ 0× 1
2
= 5

【問題2】

題意を正しく把握できているか不安なのですが...

10円借金して株を1枚購入し,5円で「券」を1枚売ることができれば,少なくとも損をすることは無く,50%の確率で利益が出るということでしょうか?
以下のように考えました。

・借金して株を購入し,「券」を売った直後の状態
(「券」を売って得た利益は借金の返済に充てている)
 5円の借金,「券」1枚分の義務,株1枚

・1ヶ月後に株価が上昇した場合
 株を売って20円の利益,「券」の所有者に10円支払い,借金5円を返済
 → 差し引き5円の利益

・1ヶ月後に株価が下落した場合
 株を売って得た5円を,借金の返済に充てる
 → 損得なし.

(イ) 1
(ロ) -10(現時点というのを,「券」が売れる前とみなしています)
(ハ) 5

【問題3】

「券」が5円で売り出される場合,(期待値/購入額)を考えれば「券」よりも株の方が魅力的なのに,あえて「券」を買う人がいることにパラドックスがあるように思われます。

  現実の世界では,こういう相対的な損に気付かない場合もありそうですが,人間がみな合理的な行動を取るという仮定のもとでは,上記のことはパラドックスになるんじゃないでしょうか。

たとえば,「券」を5円で売り出し,株価上昇時は10円の支払い,株価下落時は2.5円の支払いという風に条件を変えてしまえば,株と「券」はどちらも,

期待値/購入額 = 1.25

となり,A氏の商売は成立しないのではないでしょうか?
(株と「券」の売買の組み合わせが,株だけの売買と変わらないという意味において)

あるいは,「券」を4円で売り出しても,同じことになると思います。


◆出題者のコメント。

かえるさん、ドミンゴさん、ありがとうございます。
問題2は、かえるさんが正解です。

補足説明なのですが、A氏は、「券」が 5円で売れた場合、次のように処理します。

(1) 売り上げの 5円のうち、3.33…円だけを残して、1.66…円を別に保存しておく。

(2) さらに、3.33…円の借金をする。

(3) 計 6.66…円で、0.66…枚の「株」を買う。
(現時点では、1枚10円だから)

この1ヵ月後に、

(4) 株が20円になれば、13.33…円で売却して、3.33…円の借金を返し、約束の10円を払う。

(5) 株が5円になれば、3.33…円で売却して、3.33…円の借金を返す。

と、いうわけで、どっちの場合でも、約束の金額を払った後、別に保存しておいた1.66…円が、丸ごと残る、という商売になります。

問題3は、意図していたのは、かえるさんの意味だったのですが、ドミンゴさんの、お客さんの合理性の考察については、予想外で、びっくりしました。
ただ、自分でも、怪しい説明しか出来ないので、次の追加問題も、一緒に説明が出来るような、うまい説明を、作ってもらえれば、と思います。
思ったより、説明が難しいのかもしれません。

【追加問題】

同じ状況で、「券その2」として「理想の株」が値下がりしたら10円払い、値上がりした場合には何も返さないモノを考えます。
この「券その2」が、5円で売られていたとしたら、買った方が得だと思いますか?
また、何円までだったら買いますか?


◆愛知県 迷子の雄猫 さんからの解答。

【問題3】

券3枚につき、現時点で、株を2株、現金を−10円持っていると、
株が値上がりしたとき:
株式売却で+40円、
券の所有者への支払いで−30円、
借金返済で−10円で差し引き0

株が値下がりしたとき:
株式売却で+10円、
券の所有者への支払いで0円、
借金返済で−10円で差し引き0

となって、値上がりしようがしまいが、券が売れた分の金額が手元に残ります。

だから、

  1. 現金10円を持っている

  2. 10円借金をして株を2株買う

  3. 券3枚をX円で売る

  4. 1ヶ月後に株と券と借金を清算して手元にX円が残る
となります。

よって、『「券」で約束した額を払うためには、現時点で、理想の株を
(イ:
)枚、現金を(ロ:− 10
)円、持っていればよい。

従って、(ハ: 10
)円以上で「券」が売れれば、その差額が、もうけになる。』


◆東京都 かえる さんからの解答。

【追加問題】

株、券その2の確率変数をX、Zとする。

  2倍半額
20
10

より、Z=−
・X+40

X=10を代入して、

・10+40
20

5円ならば買った方が得

20
円までなら買う・・・【答】


◆愛知県 迷子の雄猫 さんからの解答。

【追加問題】

35円用意して、「理想の株」2株と、「券その2」を3枚買います。

株が値上がりしたとき:

「理想の株」の購入価格で−20円、
「券その2」の購入価格で−15円、
株式売却で+40円、
券と引き換えに受け取る金額0円で差し引き5円

株が値下がりしたとき:

「理想の株」の購入価格で−20円、
「券その2」の購入価格で−15円、
株式売却で+10円、
券と引き換えに受け取る金額30円で差し引き5円

となって必ず5円儲かります。

よって、「券その2」の購入価格が6+2/3円までなら購入したほうが得・・・なのですが、あくまでこれは数学の問題として考えた場合の話。

現実問題としては、今「理想の株」を持っている人は、「券その2」の購入価格が7円程度なら買うでしょうね。
「券その2」を購入することで、確実に少しの損をしますが、大損をする危険を回避できますから。


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