『5本の弦』解答


◆山形県の高校生 ice-tea さんからの解答。

【証明】

図の円の中心をOとすると
∠OMQ=OMP=90°なので三平方の定理より

OP2=OM2+MP2

OQ2=OM2+MQ2

それぞれ足して
OP2+OQ2=2OM2+MP2+MQ2

となるので中線定理よりMがPQの中点であるには

MP2=MQ2 すなわち
MP=MQ


◆宮城県 甘泉法師 さんからの解答。

xy座標の原点を中心とする半径1の円で考える。

点M(0,d)とおくと

直線XY y=d
直線AB y=ax + d
直線CD y=bx + d

直線ABと円の交点のx座標をあらわす方程式
(ax + d)2 + x2 = 1の解を
α,β,0<aα として
点A(α,aα+d) 点B(β,aβ+d)

同様に、方程式(bx + d)2 + x2 = 1 の解を
γ,δ,0<bγ として
点C(γ,bγ+d) 点D(δ,bδ+d)

直線AD{ y -(aα+d)}(α-δ)=(aα-bδ)(x−α) 

点Pのx座標は、上の式にy=dを代入して
x= (a-b)αδ
aα-bδ

同様に点Qのx座標は、
x= (a-b)βγ
aβ-bγ

f=(aβ-bγ)αδ + βγ(aα-bδ)とおくと 
2次方程式の解と係数の関係からf=0

よってPM=QM


◆出題者のコメント。

ice-teaさん、甘泉法師さん、解答ありがとうございます。

ただ、ice-teaさんの証明は、証明すべきことを前提にして証明しているようなもので、証明になってないですね。
MがPQの中点であれば中線定理が成立するので、
確かに (MP)2=(MQ)2 です。
(もっとも、MがPQの中点であれば、中線定理を使うまでもなく、明らかに MP=MQ ですが…。)
しかし、MがPQの中点であることを証明しなければならない筈です。

甘泉法師さんの証明は、流石に鮮やかですね。
こんなにスマートな証明があるとは驚きです。


◆東京都の高校生 もやし さんからの解答。

【証明】

点Mを通る直径について点Dと対称な点をEとする。
明らかに点Eはこの円の円周上にある。

対称性から、MD=ME…(1),
∠MDE=∠MED…(2),
∠PMD=∠QME…(3)

XY//DEより、∠QME=∠MED…(4)

(2),(4)から、∠MDE=∠QME…(5)

また、四角形BCDEは円に内接するので、
∠MDE+∠QBE=180°

これと(5)より、∠QME+∠QBE=180°

よって、対角の和が180°なので、四角形BQMEは円に内接する。

その円において、円周角の定理より、
∠MBQ=∠MEQ…(6)

また、もとの円において、円周角の定理より、
∠MDP=∠MBQ

これと(6)より、∠MDP=∠MEQ…(7)

ここで、△PDMと△QEMにおいて、
(1),(3),(7)より、二角夾辺相等より、
△PDM≡△QEM

よって、PM=QM

[証明終]

ちなみにこれは、『胡蝶定理』といいます。


◆出題者のコメント。

もやしさん、解答ありがとうございます。
それにしても、目が眩むほど鮮やかな証明ですね。
(しかも初等幾何だけで…。)
『胡蝶定理』って言うんですか。 
1つ勉強になりました。


 『5本の弦』

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