『直方体の形』解答


◆東京都の中学校3年生 もやし さんからの解答。

直方体の3辺の長さをa,b,c(いずれも自然数)とすると、
全ての面の個数は、言うまでもなく6abc (個)

塗られている面の個数は、表面積に等しいので、
2ab+2bc+2ac (個)

したがって、塗られていない面の個数は、
6abc−2ab−2bc−2ac (個)

条件から、
2ab+2bc+2ac=6abc−2ab−2bc−2acなので、
6abc=4ab+4bc+4ac
3abc=2(ab+bc+ac) …(1)
3abc−2ab−2bc−2ac=0 …※

(1)で右辺が偶数なので、左辺のa,b,cのいずれかも偶数でなければならない。
また、3辺の長さを(a,b,c)で表すとすると、(1,2,3)と(2,1,3)は同じものになる。
したがって、aが偶数で、b≦cの場合だけ考える。

a=2のとき、※に代入し、整理すると、
bc−b−c=0

変形して、
bc−b−c+1=1

(b−1)(c−1)=1

これを満たす(b,c)を探すと、(b,c)=(2,2)
よって、(a,b,c)=(2,2,2)

a=4のとき、上と同様に整理、変形すると、
(b−
)(c−
)=16
25

これを満たす(b,c)は、(1,4)
よって、(a,b,c)=(4,1,4)

a=6のとき、整理、変形すると、
(b−
)(c−
)=
16

これを満たす(b,c)は、(1,3)
よって、(a,b,c)=(6,1,3)

a=8のとき、整理、変形すると、
(b−
11
)(c−
11
)=64
121

これを満たす(b,c)は、ない。

a=10,12のときも、ない。

確かな証明はできませんが、これ以降aの値がいくつになっても、自然数b,cの値はないと思います。
(問題に「解を全てあげてください。」と書いてあるので、有限個しかないことは確かなのですが…)

∴ 3辺の長さが、2,2,2の立方体、1,4,4の直方体、1,3,6の直方体


◆東京都 かえる さんからの解答。

直方体の3辺をa,b,c(a≧b≧c≧1を満たす整数)とおく。

問題の条件

3abc=2(bc+ca+ab)





a≧b≧c≧1に注意して、



c≦2

ゆえc=1,2

(1)c=1のとき



a≧b≧1に注意して、



b≦4

b=1〜4のうちaが整数になるものを調べれば、
(a,b)=(6,3),(4,4)

(2)c=2のとき


a≧b≧1に注意して、

≧1

b≦2

b=1〜2のうちaが整数になるものを調べれば、
(a,b)=(2,2)

以上より、
3辺が(6,3,1),(4,4,1),(2,2,2)の直方体・・・【答】


◆宮城県 甘泉法師 さんからの解答。

直方体の3辺の長さを自然数a,b,c a≦b≦c として
6abc = 2*2(ab+bc+ca)から
3/2 = 1/a + 1/b + 1/c
3/c ≦ 3/2 ≦ 3/a から a≦2≦c

a=1の場合  1
b
+ 1
c
=1
2
から b=3,c=6 ,b=c=4
a=2の場合  1
b
+ 1
c
=1 から b=c=2


◆千葉県の高校生 ガウチ さんからの解答。

この直方体をa×b×c(a,b,cは自然数)であるとする。
すると直方体の外側の面の数は2(ab+bc+ca)、
ばらした後のすべての面の数は6abcであるから、
4(ab+bc+ca)=6abc

両辺を4abcで割って
1
a
+ 1
b
+ 1
c
=3
2

この式は対称であるから一般性を失わずにa≦b≦cとおける。

3
2
= 1
a
+ 1
b
+ 1
c
3
a

より、a≦2

(1)a=2のとき
1
b
+ 1
c
=1

ここでb≧3とすると、
1
b
+ 1
c
2
3
<1

となり、矛盾するのでb≦2である。

b=1,2をそれぞれ代入して調べるとこれを満たすのはb=2,c=2の時のみである。

(2)a=1のとき
1
b
+ 1
c
=1
2

ここでb≧5とすると
1
b
+ 1
c
2
5
1
2

となり、矛盾するのでb≦4である。

b=1,2,3,4を代入して調べるとこれを満たすのは
b=3,c=6のときと、b=4,c=4のときである。

以上より求める直方体は1×3×6,1×4×4,2×2×2の三つである。


◆東京都 サボテン さんからの解答。

直方体の辺の長さをそれぞれa,b,cとし、c≦b≦aとする。
すると、立方体の全ての面の数は6abcである。
以下の場合に場合分けする。

1)a=b=c=1

この場合は立方体が一個だけで6面全て塗られてしまうので解なし

2)a>1,b=c=1

この場合は5面塗られた立方体が2個、4面塗られた立方体がa-2個ある。
よって塗られた面の合計は4(a-2)+10=4a+2

全ての面は6abc=6aあるので、塗られた面と塗られていない面が等しくなるためには
4a+2=3a
a=-2

よってこの場合も解がない

3)a>1,b>1,c=1

この場合は4面塗られた立方体が4個、
3面塗られた立方体が2(a-2)+2(b-2)個、
2面塗られた立方体が(a-2)(b-2)個 である。

よって塗られた面の合計は
2(a-2)(b-2)+6(a-2)+6(b-2)+16=2ab+2(a+b)

2)と同様にこれが3abc=3abに等しければよい。

よって3ab=2ab+2(a+b) →ab=2(a+b)・・・(*)

今b≦aと仮定しているので、ab≦4a → b≦4

b>1よりb=2,3,4のいずれかである。

b=4の時(*)より、a=4
b=3の時、a=6
b=2の時、解なし

よって(a,b,c)=(6,3,1),(4,4,1)が解である。

4)a>1,b>1,c>1

この場合は3面塗られた立方体が8個、
2面塗られた立方体が4(a-2)+4(b-2)+4(c-2)個、
1面塗られた立方体が 2(a-2)(b-2)+2(a-2)(c-2)+2(b-2)(c-2)だけある。

よって塗られた面の合計は
2(a-2)(b-2)+2(a-2)(c-2)+2(b-2)(c-2)+8(a-2)+8(b-2)+8(c-2)+24=2(ab+ac+bc)

これが3abcに等しければよい。

3abc=2(ab+ac+bc)・・・(**)
c≦b≦aより、3abc≦2(ab+ab+ab)=6ab → c≦2
仮定よりc>1なのでc=2

(**)にc=2を代入すると、ab=a+b・・・(***) 
再びb≦aより、ab≦2a → b≦2 
仮定より、b>1なので、b=2

(***)にb=2を代入して、a=2を得る。

よって(a,b,c)=(2,2,2)

以上まとめて(a,b,c)=(6,3,1),(4,4,1),(2,2,2)の3つの場合が解である。


◆出題者の東京都 cube さんからのコメント。

いやぁ、皆さん正解です。
単なる、ディオファントス方程式を解くだけですね。
(2,2,2)が、解の一つになっているのが美しいと感じました。


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