『関数電卓』解答


◆東京都 千葉 英伸 さんからの解答。

【問題1】

1=100・・1手
2=log(101)2・・4手
3=tan2(arccos(cos2(arctan 1)))・・7手
4=22・・5手
 

演算1、2はlogの底が10なので、右辺を単純に計算すれば明らかでしょう。

演算3は sin2a+cos2a=1 の両辺をcos2aで割れば、

tan2a+1=
―――――
cos2a

ここで、 x=tan2aとおいてaを消去すれば得られます。

演算4は演算3の右辺をyとおいてxを消去すれば得られます。

あとは、これらを組み合わせて用いれば、

6=2×3・・10手
7=8−1・・13手
8=2×4・・8手
9=10−1・・7手
10=101・・2手
11=10+1・・7手
12=11+1・・12手
13=12+1・・17手
14=15−1・・16手
15=16−1・・11手
16=(22)2・・6手
17=16+1・・11手
18=2×9・・10手
19=20−1・・10手
20=2×10・・5手

【問題2】

0に対して、問題1の演算3を繰り返し用いることによって、任意の自然数をつくることができます。

【問題3】

任意の自然数nに対して、以下の演算で−nを得ることができます。

log
―――
10n
=−n (3手)

【問題4】

次の命題を考えてみます。

nを2以上の自然数とする。
1≦m<nを満たす任意の自然数mについて、
関数電卓で
―――
を作ることができる

この命題が証明できれば、
―――
に対して、
問題1の演算3を必要なだけ、および、問題3の負の演算を用いることによって、nを分母にもつ整数でない有理数はすべて作ることができます。
また、整数の場合はすでに問題3で証明済みです。

では、この命題を証明してみましょう。
帰納法で証明します。

まず、n=2のときは、問題1の演算2によって

―――
を作ることができます。

次に、n−1までこの命題が正しいとします。
1≦k<nなるkについて、n−kを分母にもつ有理数はすべて作ることができるので、
関数電卓で
―――
n−k
はすでに作れることがわかっています。

これに問題1の演算3をほどこして(1を加えて)逆数をとれば、
n−k
―――

―――
(1≦m<n)が得られます。

よって、すべての有理数を作ることができます。

【コメント】

3を作るのにずいぶん手数がかかります。
もっと簡単に作る方法があるかもしれません。
もちろん他の数についても最小手数かどうかは、はなはだ疑問です。

あと、なるべく短い手数で3xを作る方法はないものでしょうか?


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