『コンテストの問題 Part3』解答


◆滋賀県 ippei さんからの解答。

【問題1】
与えられた三角形と相似な斜辺の長さ
6
の三角形
(T2と名付ける)12個で、もとの三角形T1を分割する。

25÷12=2余り1であるから鳩の巣原理により、T2のどれか1つは内部または周上に3点を含む。

さらに、相似な三角形で斜辺の長さ2.9のものT3を考えると,

6
<2.9なのでT3はT2を完全に含むようにできる.

このT3の斜辺を直径とする半円をT3を含む側に描くとこの半円が3点を含むものである.

【問題2】

左辺
=a*(b*c)
=c*(b*a)
=0*c*(b*a)
=0*(a*b)*c
=(a*b)*c
=右辺


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

【問題7】

異なる4個のy値と異なる82個のx値の、任意の4x82個の格子点で考える。
(x値とy値を入れ替えても理屈は同じ)

x値が等しい格子点は82組あるが、どの組も格子点が4つある。
4つの格子点を3色以下で塗ると、2つ以上が同色である格子点がどの組にも存在する。

一方、4つ格子点の色の並びは81(=34)通りしかない。
それ故、82組では少なくともどこかの2組では色の並びが等しくなる。
(鳩の巣箱の原理)

その等しい2組においては、各組に2つ以上ある色の格子点は2組とも同色でy値も等しい筈。

よって、4頂点(格子点)が同色である長方形は必ず存在する。

【 補足 】

実際には、4x19個の格子点があれば4頂点(格子点)が同色である長方形は必ず存在します。

[ 証明 ]

4点の内の2点の選び方は以下の6(=42)通り。

××○○ , ×○×○ , ×○○× , ○××○ , ○×○× , ○○××
(×の色は無視して、少なくとも○は同色。)

よって、どの組の4点も上の6通りの内のいずれかの○の位置において同色である。
ところが3色あるので、○の色も区別すると18(=6x3)通り。

つまり、どのような4点も、この18通りのいずれかにならざるを得ない。

すると、19組あれば少なくともどこかの2組では○の色も位置も等しい筈。

 

よって、4x19個の格子点があれば、4頂点(格子点)が同色である長方形は必ず存在する。

証明終わり。

【P・S】

特に条件がなかったので、証明が分かり易い4x82の格子点で敢えて示しました。
「4X19個の格子点があれば存在することを示せ。」とすると、条件は厳しくなりますがヒントにもなってしまいます。
ここは、出題者も悩んだところではないかと思います。

◆ 出題者のコメント

ippeiさんは、下図のように分割されたんですね。美しいです!

ちなみに私が考えたのは、下図のような分割でした。美しくない...

 

Footmarkさん、私は「4列あれば十分だな」ぐらいしか考えていませんでした。
(なんていいかげんな)


◆滋賀県 ippei さんからの解答。

【問題4】

方程式 x3+3ax2+2bx+c=0は0<x<1 に少なくとも1つの解を持つことを示す。

f(x)=x3+3ax2+2bx+c とおく。

f(x)をx=0からx=1 まで 定積分すると、
1
4
+a+b+c=0 となる。

y=f(x) は恒等的に 0 になる関数ではないので、0から1までの間に、正負両方の値をとる。
また、連続関数なので中間値の定理よりこの区間においてx軸と交わる。
このxの値が 0<x<1 を満たす解である。

【問題8半分】

f(x)=sin(sin(x))-sinxcosxとおく。

f(0)=0 、
f'(x)=cosx(cos(sinx)-cosx)+(sinx)2

ところで、この範囲で sinx<x なので cos の単調減少から
cos(sinx)>cosx.よって、f'(x)>0

従って、f(x)は単調増加だから、f(x)>0

すなわち

sin(sin(x))>sinxcosx が得られた。


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

【問題3】

与式より、



y−z
yz

そこで、y,z の最大公約数をmとし、
y=my' , z=mz' とすると、


y−z
yz
m(y'−z')
2y'z'
y'−z'
my'z'

故に、
y'−z'
y'z'

ここで、条件よりx,y,zの最大公約数は1なので、mとxとは互いに素。

また、当然y'とz'も互いに素であるから、
(y'−z')とy'も、(y'−z')とz'も互いに素。

それ故
y'−z'
y'z'
も既約分数である。

すると、m=y'ーz' , X=y'z'。

よって、x+y=y'z'+my'=y'(z'+m)=(y')2

明らかに x+y は平方数である。

証明終わり。

{ 補足 ]

条件を満たす例は、下式で与えられるため無限に存在する。
(ただし、p,qは互いに素な自然数。)


p(p+q)

q(p+q)

pq


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答

【問題3】

問題の式を xy倍すると
x+y xy
z
 であり、これをP=x+yとする。

a,bの最大公約数を<a , b> で表記する。

α=<x , z> β=<y , z> γ=<x , y> を用いて 
x=αγX   y=βγY  z=αβZ   とする。

このとき 条件<x , y , z>=1 より
<α,γ>=1 <β,γ>=1 <α,β>=1 である。

またαβγの定義より、
<γX,βZ>=1 <γY,αZ>=1 <αX,βY>=1 である。

これらを代入すると 下記である。

P=x+y=γ(αX+βY)   --(1)
P=xy
z
γ2XY
--(2)

<γX,βZ>=1 <γY,αZ>=1 より <γX,Z>=1 <γY,Z>=1である。

即ち(2)式が整数であるためには Z=1でなければならい。

従って(1)(2)より (αX+βY)=γXY --(3) 

この式より βYはXの倍数である。
ところが <αX,βY>=1 であるから 
<X,βY>=1であり、X=1である。
同様にY=1。

以上より P=γ2である。
すなわちx+yは平方数である。

【問題4】

f(x)=x4
4
+ax3+bx2+cx を考えると
問題の方程式はdf(x)
dx
=0である。
f(0)=0
f(1)=1
4
+(a+b+c)=0
である。

また、f(x)は恒等的に0ではなく、C1連続である。
従って、f(x)は開区間(0,1)で極値をもつ。
すなわち ∃x∈(0,1)、df(x)
dx
=0である。

【問題5】

xを2以上の自然数とする。

3−1=(x−1)(x2+x+1)であるから 
3≡1 mod (x2+x+1)である。

従って
2(3p+k)+x3p+k+1≡x2k+xk+1 mod (x2+x+1) 
p:整数 k=0,1,2である。よって

k=0 のとき
 x2(3p+k)+x3p+k+1≡3 mod (x2+x+1)

{注:x=1だと ≡0 mod(1+1+1) なので x=1は除外されている}

k=1 のとき
 x2(3p+k)+x3p+k+1≡x2+x+1≡0 mod (x2+x+1)

k=2 のとき
 x2(3p+k)+x3p+k+1≡x+x2+1≡0 mod (x2+x+1)

つまり、 x2n+xn+1 は
nが3の倍数でないとき x2+x+1 の倍数である。

逆にx2n+xn+1が素数であるためには、nは0と1を除けば3の倍数でなければならない。

n=3pとすると
2n+xn+1=(x*x*x)2p+(x*x*x)p+1 であり、
x*x*xをxと思えば同様にpも3の倍数でなければならない。

以上より nは0と1を除けば3のべき乗でなければならない。
初期x=2の場合 
2n+xn+1=4n+2n+1 であるから問題の与式であり、証明された。

【P.S.】

x=3,5のとき x2+x+1=13,31は素数なので、同じことがいえますね。

【問題6】

答え 0

∵ g(n)=(2n+1)f(n)2 とおくと 
g(n)=(2n+1)(2n−1)
(2n)2
g(n−1)である。

4n2−1
4n2
<1であるから
g(n)<g(n−1)<・・・<g(1)= 3
4
である。

一方、

よって  lim
n→∞
f(n)=0

【P.S.】

f(n)=(2n)!
n!n!22n
2nn( 1
2
)2n

であるから、コインのトスの勝ち数と負け数が全く同じになる確率であり、0になることが想像できる。


◆滋賀県 ippei さんからの解答。

【問題6】

y=logx について平均値の定理を[1−t,1] で用いる。

ただし、tは、0≦t≦
 とする。

1<− 1
t
log(1-t)<1
1-t
から、次の不等式を得る。

−2t<log(1-t)<−t・・・(1)

ところで、


=1−

=1−

・・・・・・・・・

2n−1
2n
=1−
2n

を、(1)に代入すれば、 

log(1−
)<−
log(1−
)<−

・・・・・・・・・

log(1−
2n
)<−
2n

上の式を辺々加えると、

log(1−
)・(1−
)・・・(1−
2n
)<−
(1+

+・・+

ここでn→∞ とすると 右辺は −∞
したがって 左辺も −∞
よってその真数は 0 に収束する。

p.s 難しかったです。


 『コンテストの問題 Part3』へ

 数学の部屋へもどる