◆東京都 由釜与祢弥 さんからの解答。
条件より、
| a(p4+6p2q2r+q4r2)+b(p3+3pq2r)+c(p2+q2r)+c(p2+q2r)+d |
| = -{a(4p2q+4pq3r)+b(3p2q+q3r)+c(2pq)} |
| は条件より無理数である。 |
無理数の有理数倍が有理数なので、この有理数は両方とも0でなければならない。
したがって、符号を変えて、
| a(p4+6p2q2r+q4r2)+b(p3+3pq2r)+c(p2+q2r)+c(p2+q2r)+d |
| = {a(4p2q+4pq3r)+b(3p2q+q3r)+c(2pq)} |
| =0も成立。 |
すなわち、
| のとき、ax4+bx3+cx2+d= 0 |
◆出題者のコメント。
「解と係数の関係を利用した証明法」をどなたか考えていただけないでしょうか。
◆茨城県 holsety さんからの解答。
(補題)
実数係数の2次方程式ax2+bx+c=0が
x=p+q*sqrt(r) (ただし、p, qは有理数、rは素因数の全て異なる整数)を解にもつなら、
x=p-q*sqrt(r)も解である。
(証明)
解の公式
x=(-b±sqrt(b2-4ac))/2a
より明らかである。
さて、ax4+bx3+cx2+d=0
の解をα、β、γ、δとおくと、複素数の範囲で因数分解することにより、
a(x-α)(x-β)(x-γ)(x-δ) = 0
が得られる。
この4つの解は以下のように分類できる。
(i)全てが実数解
(ii)2つが実数解で2つが複素解
従って、α= p + q*sqrt(r)とおき、αとβが実数解であると仮定しても一般性を失わない。
(実数解が必ず2つ以上あるので、βが実数解でないとしても、文字を交換することで同じ議論ができるため)
このとき、
a{x2-(α+β)x+αβ}(x-γ)(x-δ)=0
と変形すれば、x=α、βである場合を考えると
x2-(α+β)x+αβ=0
であるから、(補題)より、β=p-q*sqrt(r)であり、
他の解にx=p-q*sqrt(r)が存在する。
(ax4+bx3+cx2+dx+e=0 という一般形でもこの議論は成立する。)
解をα、β、γ、δとおくと、
a(x-α)(x-β)(x-γ)(x-δ)=0
であるから、解と係数の関係及びxの係数が0であることにより、
α+β+γ+δ=-b/a
αβ+βγ+γδ+δα+αγ+βδ=c/a
αβγ+βγδ+γδα+δαβ=0
αβγδ=d/a
ここで、方程式の解x=p+q*sqrt(r)について、
x'=p-q*sqrt(r)と定義する。
また、A+B*sqrt(C)の形をしている実数x1, x2, x3, x4について、便宜的にAを有理数部、Bを無理数部と呼ぶことにする。
このとき、以下のことが言える。
(i)x1x2とx1'x2'の有理数部は等しい。
(ii) x1x2x3とx1'x2'x3の有理数部は等しい。
(証明)
x1x2=Xとおくと、x1'x2'=X'であるから、(i)よりXx3とX'x3'の有理数部は等しい。
よって、x1x2x3とx1'x2'x3'の有理数部は等しい。
(iii) x1・・・xnとx1'・・・xn'の有理数部は等しい。
((i), (ii)の一般化。証明は略(でいいと思う))
解と係数の関係で得られた式の右辺はいずれも有理数であるから、
α'+β'+γ'+δ'=-b/a
α'β'+β'γ'+γ'δ'+δ'α'+α'γ'+β'δ'=c/a
α'β'γ'+β'γ'δ'+γ'δ'α'+δ'α'β'=0
α'β'γ'δ'=d/a
となり、α', β', γ', δ'は方程式
ax4+bx3+cx2+d=0 の解である。
α'=p-q*sqrt(r)であるから、x=p-q*sqrt(r)は与えられた方程式の解である。