『高校生からの挑戦状Part14』解答


◆京都府 大空風成 さんからの解答。

【問題1】

a、bを入れかえても変わらない式を、a、bの対称式といい、
それは基本対称式a+b、abで表される。
よって、
f(a,b)=s(a+b)2+tab+u(a+b)+v・・・(1)
と表されるから、s、t、u、vの4つの未知数を求めるには、
(a,b)の組を最低4回入れるとよい。

【問題2】

(1)に4組代入して連立方程式を解くと、
s=1、t=-8、u=-10、v=9
f(a,b)=(a+b)2-8ab-10(a+b)+9となるから、
f(a,b)=a2-6ab+b2-10a-10b+9・・・(2)

【問題3】

(2)をaについての2次式と考えて平方完成すると、
f(a,b)={a-(3b+5)} 2 -8(b+ 5
2
) 2 -6

ここで、bを固定して
g(a)={a-(3b+5)} 2 -8(b+ 5
2
) 2 -6 とすると、y=g(a)のグラフは、
頂点(3b+5,-8(b+ 5
2
) 2 -6) の下に凸の放物線だから、
最大値はなく、a=3b+5のとき最小値は-8(b+ 5
2
) 2 -6 となる。

ところが、最小値はbが変化するときいくらでも小さくなるので、最小値もない。
よって、最大値、最小値はともにない。

(別解)
ax2+bxy+cy2+dx+ey+f=0 では、b2-4ac>0のとき双曲線になることを利用し て、
(2)で、f(a,b)=pとおくと、
a2-6ab+b2-10a-10b+9-p=0となり、
(-6)2-4 ×1×1=32>0だから、
どんなpの値に対しても双曲線になり、その双曲線上にこれをみたす(a,b)の組がいくらでもある。
よって、pはすべての実数値をとるから、f(a,b)に最大値、最小値はない。

【問題4】

f(a,b)=s1(a+b)3+s2ab(a+b)+s3(a+b) 2+s4ab+s5(a+b)+s6
と表されるから、s1、s2、s3、s4、s5、 s6の6つの未知数を求めるには、
(a,b)の組を最低6回入れるとよい。

【問題5】

f(a,b)の2m(mは負でない整数)次の項は、
s1(a+b)2m+s2ab(a+b)2m-2+s3(ab)2 (a+b)2m-4+・・・+sm(ab)m-1(a+b)2+sm+1(ab) m
と表されるから、s1、s2、・・・、sm+1の(m+1)個の未知数がある。
f(a,b)の(2m+1)次の項は、
s1(a+b)2m+1+s2ab(a+b)2m-1+s3(ab)2 (a+b)2m-3+・・・+sm+1(ab)m(a+b)
と表されるから、s1、s2、・・・、sm+1の(m+1)個の未知数がある。
よって、nが偶数のときのf(a,b)全体の未知数の個数を0次から順に並べてみると、
1、1、2、2、3、3、・・・、 n-2
2
+1、n-2
2
+1、 n
2
+1
となるから、その合計は、 n2
4
+n+1

nが奇数のときのf(a,b)全体の未知数の個数を0次から順に並べてみると、
1、1、2、2、3、3、・・・、 n-1
2
+1、n-1
2
+1
となるから、その合計は、 n2
4
+n+3
4

以上のことより、(a,b)の組を入れる回数は、
nが偶数のとき最低( n2
4
+n+1)回、
nが奇数のとき最低( n2
4
+n+3
4
)回入れるとよい。

【問題6】

f(x1,x2,・・・,xk)
=s1 (x1+x2+・・・+xk)2+s2 (x1x2+x1x3+・・・ +x1xk+x2x3+・・・+x2xk+・・・+ xk-1xk)+s3(x1+x2+・・・+xk) +s4
と表されるから、s1、s2、s3、s4の4つの未知数を求めるには、
(x1,x2,・・・,xk)の組を最低4回入れるとよい。


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