『高校生からの挑戦状Part12』解答


◆東京都 哲 さんからの解答。

(注)gcd(i,j)はi,jの最大公約数を表す。

まず、与えられた命題において仮定が成立しているとき、

gcd((d+a),(c-b))>1 または gcd((d-a),(c+b))>1

であることを示す。


(d+a)と(c-b)が互いに素かつ(d-a)と(c+b)が互いに素のとき、

(ac+bd)=(a+c-b+d)(a+c+b-d) ...(*)

が成立していると仮定する。すなわち、

(ac+bd)={(d+a)+(c-b)}{(c+b)-(d-a)}

である。またこのとき、(*)を変形して

(ac+bd)=(d2-a2)-(c2-b2)=(d-a)(d+a)-(c+b)(c-b)

であるから、

{(d+a)+(c-b)}{(c+b)-(d-a)}=(d-a)(d+a)-(c+b)(c-b)

したがって、

(d+a){2(d-a)-(c+b)}=(c-b){2(c+b)-(d-a)} ...(1)

また

(d-a){2(d+a)+(c-b)}=(c+b){2(c-b)+(d+a)} ...(2)

が成立する。

ところで、(d+a)と(c-b)が互いに素なので、
(1)に関して整数iが存在して、

2(d-a)-(c+b)=i(c-b)

また
2(c+b)-(d-a)=i(d+a)

したがって、

(d-a)+(c+b)=i{(d+a)+(c-b)} ...(3)

が成立する。

同じく(d-a)と(c+b)が互いに素なので、
(2)に関して整数jが存在して、

2(d+a)+(c-b)=j(c+b)

また
2(c-b)+(d+a)=j(d-a)

したがって、

3{(d+a)+(c-b)}=j{(d-a)+(c+b)} ...(4)

が成立する。(3)(4)より、

ij=3 ...(5)が成立する。

ここで、(4)を変形すると、

(3-j)(c+d)=(3+j)(b-a)となり、
a,b,c,dの大小を考慮すればj=2以外にあり得ない。

# 何故ならば、(c+d)も(b-a)も正であるから(3-j)と(3+j)は同符号。
# したがって-2≦j≦2、
さらに(c+d)>2(b-a)であるから。
これは(5)式成立と矛盾する。よって示された。


さて、

(ab+cd)=(ac+bd)+(d-a)(c-b)={(d+a)+(c-b)}{(c+b)-(d-a)}+(d-a)(c-b)

である。

(i)gcd((d+a),(c-b))=k>1の場合、

整数p,qが存在して、(d+a)=kp

また(c-b)=kqが成立する。したがって、

(ab+cd)/k=(p+q){(c+b)-(d-a)}+(d-a)q

右辺は整数であるから、kは(ab+cd)の1より大きい約数である。

さらに、a,b,c,dの大小を考慮すれば、

k≦(d+a)<2d<cd<(ab+cd)

よってkは(ab+cd)の自身より小さい約数である。
したがって(ab+cd)は素数でない。

(ii) gcd((d-a),(c+b))=t>1の場合、
整数r,sが存在して、(d-a)=tr

また(c+b)=tsが成立する。したがって、

(ab+cd)/t={(d+a)+(c-b)}(s-r)+r(c-b)

右辺は整数であるから、tは(ab+cd)の1より大きい約数である。

さらに、a,b,c,dの大小を考慮すれば、

(ア) (d-a)≧(c+b)のとき、

t≦(d-a)<d<cd<(ab+cd)

(イ)  (c+b)>(d-a)のとき、

t≦(c+b)≦(ab+c)<(ab+cd)

よってtは(ab+cd)の自身より小さい約数である。
したがって(ab+cd)は素数でない。

以上より、題意は示されたことになる。


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