『高校生からの挑戦状Part1』解答


◆東京都 由釜与祢弥 さんからの解答。

【問題1】

ボール○を55個、仕切り|を30個用意します。
ボール55個を一列に並べ、その隙間に仕切りを入れることを考えます。
ただし、同じ隙間に2本以上の仕切りが入ってはいけないものとします。
すると、仕切りの入れる隙間は54箇所考えられます。
そのうち30箇所を選んで仕切りを入れました。

ところで、ある仕切りから26個前or後には、条件より仕切りがあってはいけません。
この仕切りが入ってはいけない隙間は、各仕切りに対して必ず1つ以上存在し、しかもこれが重複するのは2つの場合しか考えられません。

すなわち、

       ↓
○|○………○ ○………○|○○
○○|○………○ ○………○|○
        ↑
の2つの場合です。
(書いてて気づきましたが、端から26個目の隙間にも仕切りは入ることはできませんね。
ただ、これも上同様重複するので、相殺されてトータルカウントには影響しないでしょう。)

したがって、隙間のうち仕切りが入ってはいけない箇所が最低でも28箇所できることになります。
すなわち、仕切りの入れる隙間は多くて26箇所です。
これは仕切りが実際には30箇所に入っていることに矛盾します。

したがって、仕切りから仕切り(もしくは端から仕切り)までのボールの個数が26個になるところが必ず存在するはずです。

問題に合う形で答えるならば、「言える。」です。


◆千葉県 なのはな子 さんからの解答。

【問題1】

例えば、毎日1冊読んだとしたら、31日で31冊です。

残りの24冊(55-31)をある1日に全部読んだとします。
1日だけが25冊(1+24)で、他の日は1冊という読み方です。

25冊読んだ日とその前後どちらかの日の2日間で26冊読んでいます。
また、1冊ずつ読んだ30日間のうちのある26日間でも26冊読んだと言えます。

24冊をどのように何日に振り分けて読んだとしても、ある何日間かで必ず26冊読んでいると言えます。


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

【問題1】

【答え】

ある何日間かで必ず26冊を読んでいると言えます。
(もっとも、26冊に限らず25冊〜31冊も同じことが言えますが・・。)

【証明】

その日に読んだ漫画本の数をn日間順に並べると、n個の自然数の数列になります。

n個の自然数の数列の中の任意の項から連続任意項数をとってできた数列は元の数列の部分数列です。
すると、その部分数列の内に、数列の和がnで割り切れるものが少なくとも1つは存在します。

この証明を求めた問題が『割り切れる? Part3』ですが、理由は以下の通りです。

[0項まで]〜[n項まで]のそれぞれの数列の和は、異なるn+1個の数になります。
ところが、このn+1個の数のそれぞれをnで割ったときの余りは多くても0〜n−1のn種類しかありません。

それ故、「鳩の巣箱の原理」よりn+1個の数の内には、nで割ったときの余りが等しいものが少なくとも1組はある筈です。
仮にp項までの数列の和とq項までの数列の和がその1組とします。
(ただし、0≦p<q≦n)

すると、「2数をnで割ったときの余りが等しい」と「2数の差がnで割り切れる」は同値ですから、 p項までの数列の和とq項までの数列の和の2つの差つまりp+1項〜q項の和はnで割り切れることになります。

以上より、n個の自然数の数列の部分数列には、数列の和がnで割り切れるものが少なくとも1つは存在します。

ところで当然のことですが、n個の自然数の数列は項数1〜項数nの部分数列をすべて含んでいます。
含まれている各部分数列においてもこのことは成立する筈ですから、最終的に次のことが言えます。

n個の自然数の数列の部分数列には、数列の和が[1で割り切れるもの]〜[nで割り切れるもの]が少なくとも1つずつは存在する。

そこで、n=26である本問に戻って割り切れたときの商を考えてみます。

もし商が2なら、最もスローなペースでさえ26日間で52冊読むことになります。
すると、残り3冊を前後合わせて5日間で読むことになり、「毎日1冊以上読む」に矛盾します。
当然、商が3以上の場合も同様に「毎日1冊以上読む」に矛盾します。
また、「毎日1冊以上読む」ので、商が0はあり得ません。

結局、商は1だけが許され、ちょうど26冊を読んだ連続何日間(≦26日間)が存在することになります。

この方法で、n冊をちょうど読んだ連続何日間(≦n日間)の存在を確かめてみると、
55−2n<31−n 故に n>24

ところがnは1≦n≦31の整数なので、
25 , 26 , 27 , 28 , 29 , 30 , 31 です。

よって、26冊に限らず25冊〜31冊のそれぞれをちょうど読んだ連続何日間も存在します。


◆出題者のコメント。

早速、力強い解答が届いたみたいですね。
やはり、一番パズルに近い1に集中しましたが(笑)。
初めの解答は私も思いつきませんでした。
シンプルで小学生にも分かるような素晴らしい解法だと思います。
2つ目については、後半に疑問が残ります。
3つ目は私が用意していた3通りの解法の1つで、『具体的に数列の番号を定めて示す』というものです。
まだまだ様々な解き方がありそうなので、2,3番も含めて、解答をお待ちしています。


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