『不思議な天秤』

『不思議な天秤』解答


◆京都府の大学生 わかさひ君からの解答。

(2)
仮に、右側の天秤におもりをより多く(もしくは同じだけ)のせることにします。
(つまり、実世界では計られる対象は左側の天秤にのります)……(*)
それぞれ、おもりは「右にのせる、左にのせる、のせない」の3通りが選べます。
したがって、n個のおもりを用意したら、
(*)を考慮しなければ 3n 通りの乗せ方があります。 ……(**)

(*)を考慮すると、
計れる重さは、…逆に置いた場合はちょうど対称に負の重さを計ることになるので、
正の場合で計れる重さをAi( >0 )で書くとすると、

-Am , -Am-1 , ... , -A2, -A1 , 0 , A1, A2, .... , Am-1, Am

だけ計測できる。

この全体が 3n 通りの計り方になるのだから、(*)だけを考えるなら、
m = ( 3n - 1 ) / 2 通り
の計り方があることになる。

(**)より、このAiの計り方は、Ai≠Aj(i≠j) をみたせば、 それぞれ1通りしかないのは明らか。

(1)
さて、ここで、自然数の重さを計ることを考える。
つまり、1g から (3n -1)/2 gまで計ることを考える。
(3n -1)/2 = 1 + ... + 3n-1 (等比数列の和)だから、
最大の重さを計るためには 1,3,...,3n-1のn個のおもりを使うと出来ることが分かる。
これを順に

W0,W1,...,Wn-1と書く。

逆に、それ未満のおもさは、

Wiを右に置く … +Wi = +3n
Wiを左に置く … -Wi = -3n = -3i+1 + 2*3n
置かない … 0

を全てのおもりに対して操作する。

これは3進数で考えると、
(3n-1)/2 = 111…11 (3進数)
またはこれ以下の数に対し、i+1桁目が「1」のときはWiを右に置き、「2」のときはWiを左に置くことで実現できる。

感想:
 これは良く知られている問題ですね。
証明するに当たっては(2)→(1)で進む方が良かったので問題とは逆順に進めました。


【コメント】

 大変分かりやすい説明ありがとうございました。
3進法を使うのがミソですね。
これもちょっと中学生には厳しい問題のようです。
理屈で分かってもちょっと不思議な感じは残りますね。


 『不思議な天秤』へ

 数学の部屋へもどる