『3辺が1の四角形』

『3辺が1の四角形』解答


◆滋賀県の高校生 -25-@ucchie さんからの解答。

与えられた四角形ABCDと,四角形ABCDを180°回転させて作った四角形EFGHについて,辺CDと辺GHを重ねる。

この時、辺Dから辺FAに降ろした垂線の足をMとし,
∠FDM=∠ADM=α(0<α≦ π
2
)とすると,
DM=cosα,FA=2sinαで
(△DAFの面積)=(△CEBの面積)= 2sinα×cosα
2
= sin2α
2
が成り立つ。

ここで左右の三角形の面積(△FDA=△BCE)を変形させずに,平行四辺形ABEFの面積が最大になるように右のように変形する。
(四角形ABEFが長方形の時に面積が最大となるのは明らか)

以上から,四角形ABCDの面積が最大になるときは,

(四角形ABCDの面積)
= 六角形ABCEFDの面積
2
= △ADF×2+□ABEF
2
= sin2α+2sinα×1
2
= sin2α
2
+sinα …(*)

より,(*)の値が最大になる時である。

(*)=f(α)とすると、

f (α)
=cos2α+cosα
=(2cosα-1)(cosα+1)

f (α)=0として
∴α= π
3

ここで,0<α≦ π
2
と定めていたが、 π
2
<α≦
3
の時は、
点D(C)は四角形ABEF内にあるとして解釈すればよい。

よって、
0<α≦ π
3
のとき : f (α)≧0

π
3
<α≦
3
のとき : f (α)<0

故に、α= π
3
のとき求める面積は最大で、

f( π
3
)=
2
/2+
2
= 3
4

∴最大値 : 3
4


◆出題者の東京都 昔取った杵柄 さんからのコメント。

-25-@ucchieさん、ありがとうございます。

対称にした物を合わせて、平行六角形(?)にすると、直感的で綺麗になりますね。
4辺が1の五角形などでも、この方法なら、うまく拡張できそうです。
(実は、直接計算しようとして、うまく行かなかったのですが…。)

(1)も、何か、補助線などで解く方法があれば、宜しくお願いします。


◆滋賀県の高校生 -25-@ucchie さんからの解答。

(1)
(以下,∠A> π
2
,∠B> π
2
の場合を考えます)

直線ABに点D,Cから降ろした垂線の足を,それぞれM,Nとします。

ここで図より

・AM=ADcos(π-A)=-cosA
・DM=ADsin(π-A)=sinA

・BN=BCcos(π-B)=-cosB
・CN=BCsin(π-B)=sinB

よって,四角形ABCDの面積をSとすると,

S=(台形DMNCの面積)-(△AMDの面積)-(△BNCの面積)
= (sinA+sinB){1+(-cosA)+(-cosB)}
2
- (-cosA)sinA
2
- (-cosB)sinB
2
= {sinA+sinB-(sinAcosB+cosAsinB)}
2
= sinA+sinB-sin(A+B)
2

これは,A< π
2
,∠B< π
2
の場合でも成り立つ。
(但し辺ADと辺BCは交錯しないものとする)

よって,求める面積は,
sinA+sinB-sin(A+B)
2
…(答)


◆東京都 サボテン さんからの解答。

(1)DからABにおろした垂線がABと交わる点をD',CからABにおろした垂線がABと交わる点をC'とする。

このとき四角形ABCD=三角形AD'D+台形D'DCC'+三角形AC'C
(三角形の面積は負の面積も含むものとする)

三角形AD'D= sinAcosA
2
台形D'DCC'= (1-cosA-cosB)(sinA+sinB)
2
三角形AC'C= sinBcosB
2

これらを足して加法定理を用いて整理すると、
四角形ABCD= sinA+sinB
2
- sin(A+B)
2

(2)考える領域を-π≦A≦π、-π≦B≦πとする。
極値を求める。
(1)で得た式をAについて偏微分し、0とおくと
cosA=cos(A+B)を得る。

これよりA=(A+B)+2πm(m:整数)かA=-(A+B)+2πm

A=(A+B)+2πmだと、B=-2πmとなり、四角形が作れない。

よってA=-(A+B)+2πmを考える。

この時2A+B=2πm

同様にして、Bについても行うと、nを整数として、
A+2B=2πn

A,Bについて解くと、A=
3
*(2m-n), B=
3
*(2n-m)


四角形を構成可能なm,n=0,1,2について調べると、
A=
3
, B=
3
しかない。

またヘッシアンを計算すると、極大値であることが分かる。

このとき sinA+sinB
2
- sin(A+B)
2
= 3
4

領域の境界では sinA+sinB
2
- sin(A+B)
2
=0なので、
A=
3
, B=
3
で最大値をとることが分かる。


よってA=
3
, B=
3
の台形。
面積は 3
4


◆宮城県 甘泉法師 さんからの解答。

xy座標のうえに
点A(0,0)
B(1,0)
C(1-cosA, sinA)
D(cosB,sinB) と点をとる。

△ABCの面積X2はベクトルABとベクトルBCの外積であらわされ
 sinA*1 - (1-cosA)*0=sinA

同様に△ACDの面積X2はベクトルACとベクトルADの外積であらわされ
sinB(1-cosA)- sinAcosB=sinB-sin(A+B)

和をとって四角形ABCDの面積は
1
2
*{sinA+sinB-sin(A+B)}

面積をAで偏微分して0とおくと cosA-cos(A+B)=0
同様に面積をBで偏微分して0とおくと cosB-cos(A+B)=0

これらをとくと 
A=B,(2cosA+1)(cosA-1)=0 から A=B=120°


◆出題者の東京都 昔取った杵柄 さんからのコメント。

-25-@ucchieさん、サボテンさん、甘泉法師さん、
ありがとうございました。

自分で計算した時は、対角線に、半角公式や倍角公式を使って、ごちゃごちゃになったのですが、きれいな解き方を見せてもらえて、すごく勉強になりました。

それにしても、sin(A+B)を引くだけなのは、何となく不思議な気もします。


◆高知県 blue さんからの解答。

(1)
四角形ABCDに対角線ACを引き、
△ABCの面積をS1、△ACDの面積をS2とする。
1 sinB
2

対角線ACの長さは余弦定理より、
AC2=2(1-cosB)=4(sin( B
2
))2
AC=2|sin( B
2
)|=2sin(B
2
)
(∵ 0<B<πより0< B
2
π
2
,0<sin(B
2
)<1)

故に
2 ACsin(∠DAC)
2


ここで、

∠DAC
=A−∠BAC
=A− 1
2
(π-B)
(∵ B+2∠BAC=π)
=A+ B
2
π
2
  となり


sin(∠DAC)
=sin((A+ B
2
)−π
2
)
=−sin( π
2
−(A+B
2
))
=−cos(A+ B
2
)


したがって、
2=−sin( B
2
)cos(A+ B
2
)=− 1
2
(sin(A+B)-sinA)

よって、
四角形ABCDの面積
=S1+S2
1
2
(sinA+sinB−sin(A+B))

(2)
f(x,y)= 1
2
(sinx+siny-sin(x+y)) {0<x,y<π} とおく。
∂f(x,y)
∂x
1
2
(cosx−cos(x+y))=0 より 
cosx−cos(x+y)=0

∂f(x,y)
∂y
1
2
(cosy−cos(x+y))=0 より 
cosy−cos(x+y)=0

これより cosx=cosy
0<x,y<π より x=y

cosx−cos(x+y)=0に代入して
cosx−cos2x=cosx−(2(cosx)2−1)=−(2cosx+1)(cosx−1)=0
cosx=− 1
2
,1、x=y=
3

また、
f(0,y)=f(x,0)=0、f(π,y)=siny、f(x,π)=sinx
fは0<x,y<πで連続、全微分可能

x=y=
3
のとき 
ヘッシアン>0、
2f(x,y)
∂x2
<0より 
fはx=y=
3
で極大かつ最大となり 
f(
3
,
3
)=3
4
∴max(f{0<x,y<π})=3
4


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