『今週の問題』第73回 解答


◆石川県 迷える羊 さんからの解答

【問題1】

まず、2つの砂時計を同じに裏返す。

5分の砂時計の砂が無くなるとき、7分の砂時計には、あと2分の砂が残っている。

≪この時から時間を計ると、2分を計る事ができる。≫

5分の砂時計を裏返して7分の砂時計の砂が無くなるとき、5分の砂時計には、後3分の砂が残っている。

≪この時から時間を計ると、3分を計る事ができる。≫

7分の砂時計を裏返して5分の砂時計の砂が無くなるとき、7分の砂時計には、後4分の砂が残っている。

≪この時から時間を計ると、4分を計る事ができる。≫

5分の砂時計を裏返して7分の砂時計の砂が無くなるとき、5分の砂時計には、後1分の砂が残っている。

≪この時から時間を計ると、1分を計る事ができる。≫

【問題2】

出発時刻の『分』をχとする。
【5≦χ<10】

出発時刻に、短針が『12』の所から右に回っている角度は、

χ× 30
―――
60
χ
―――
【°】

この位置を長針が指しているときの『分』を、yとすると、
【0≦y<5】

y= χ
―――
× 60
―――――
360
χ
―――
12
【分】

『分』がyのとき、短針が『1』の所から右に回っている角度は、

y× 30
――――
60
χ
―――
24
【°】

また、出発時刻に、長針が『12』の所から右に回っている角度は、

χ× 360
―――――
60
=6χ

今、出発時刻と帰宅時刻とでは長針と短針がちょうど反対の位置に来ていたのだから、

6χ=30+ χ
――――
24

χ= 720
――――――
143

出発時刻は、約12:05:02
到着時刻は、約13:00:25

散歩していた時間は、約55分23秒。


◆千葉県の小学生 緑川 敦 さんからの解答

【問題1】

(1)5分と7分の砂時計を同時に砂を落とす。
(No.1及びNo.2の開始)

(2)5分の砂時計の砂が、全て下に落ちたら引っくり返す。
(No.1の終了及びNO.3の開始)

(3)7分の砂時計の砂が、全て下に落ちたら引っくり返す。
(No.2の終了及びNo.4の開始)
………
NO.1の終了からNO.2の終了までの2分を計る事が出来る。

(4)5分の砂時計の砂が、再び全て下に落ちたら引っくり返す。
(No.3の終了及びNo.5の開始)
………
NO.2の終了からNO.3の終了までの3分を計る事が出来る。

(5)7分の砂時計の砂が、再び全て下に落ちた事を確認する。
(No.4の終了)
………
NO.3の終了からNO.4の終了までの4分を計る事が出来る。

(6)5分の砂時計の砂が、三度目に全て下に落ちた事を確認する。
(No.5の終了)
………
NO.4の終了からNO.5の終了までの1分を計る事が出来る。


◆千葉県 緑川 正雄 さんからの解答

【問題2の回答】

1時間50分46 2
―――
13

【問題2の回答の理由】

散歩に出かけた時間をh(時)、散歩から戻った時間をk(時)とする。
 [ここに12時は0時と表現する。即ち0≦h<k<12とする]

(1)出かけた時間の
 時針の時計回りの角度は 30×k(度)
 分針の時計回りの角度は360×k(度)

(1)戻った時間の
 時針の時計回りの角度は 30×h(度)
 分針の時計回りの角度は360×h(度)

出かけた時間と戻った時間で、時針と分針が入れ替わっていたので、

 360×k-30×h=360×p[pは整数]
 360×h-30×k=360×q[qは整数]

即ち

 12×k-h=12×p[pは整数]
 12×h-k=12×q[qは整数]

よって

 11×(h+k)=12×(p+q) …(1)
 13×(k-h)=12×(p-q) …(2)

条件より1<k-h<2であるから、
(2)においては、p-q=2の時に条件を満たすkとhの差が求まり、

k-h=12×2÷13= 24
―――
13
=1 11
―――
13

が散歩していた時間である。

11
―――
13
×60= 660
――――
13
=50 10
―――
13

10
―――
13
×60= 600
――――
13
=46 2
―――
13

であるから求める所要時間は
1時間50分46 2
―――
13
秒である。

【青木コメント】

実は最初の出題の段階の私の日本語がいい加減で、自分では約一時間という意味で「一時間あまり」と書いてしまいました。
ということで緑川さんのような1時間50分・・の解答が来ました。
あとから問題文を「およそ1時間」に直したのですが、ご迷惑をおかけして反省しています。

【問題3−1の回答】

132通り

【問題3−1の回答の理由】

実際の時間をh(時)、この針が示す時間をk(時)とする。

【問題2】と条件は同じであるから

360×k-30×h=360×p[pは整数]
360×h-30×k=360×q[qは整数]
 [但しh,kは0≦h,k<12]が成立する。

11×(h+k)=12×(p+q)
13×(k-h)=12×(p-q)

よって、

h= 12×p+144×q
―――――――――
143

k= 144×p+ 12×q
―――――――――
143

0≦h,k<12であるから

0≦ 12×p+144×q
―――――――――
143
<12

0≦ 144×p+ 12×q
―――――――――
143
<12

即ち

0≦ p+12×q<143
0≦12×p+ q<143 を得る。

時刻hをkと間違える組み合わせは上の条件式で
p、qは整数でp≠qを満たすものから求める。

(p,q)=     (0,1)(0,2)(0,3)(0,4)(0,5)(0,6)(0,7)(0,8)(0,9) (0,10) (0,11)
(p,q)=(1,0)   (1,2)(1,3)(1,4)(1,5)(1,6)(1,7)(1,8)(1,9) (1,10) (1,11)
(p,q)=(2,0)(2,1)   (2,3)(2,4)(2,5)(2,6)(2,7)(2,8)(2,9) (2,10) (2,11)
(p,q)=(3,0)(3,1)(3,2)   (3,4)(3,5)(3,6)(3,7)(3,8)(3,9) (3,10) (3,11)
(p,q)=(0,0)(4,1)(4,2)(4,3)   (4,5)(4,6)(4,7)(4,8)(4,9) (4,10) (4,11)
(p,q)=(5,0)(5,1)(5,2)(5,3)(5,4)   (5,6)(5,7)(5,8)(5,9) (5,10) (5,11)
(p,q)=(6,0)(6,1)(6,2)(6,3)(6,4)(6,5)   (6,7)(6,8)(6,9) (6,10) (6,11)
(p,q)=(7,0)(7,1)(7,2)(7,3)(7,4)(7,5)(7,6)   (7,8)(7,9) (7,10) (7,11)
(p,q)=(8,0)(8,1)(8,2)(8,3)(8,4)(8,5)(8,6)(8,7)   (8,9) (8,10) (8,11)
(p,q)=(9,0)(9,1)(9,2)(9,3)(9,4)(9,5)(9,6)(9,7)(9,8)     (9,10) (9,11)
(p,q)=(10,0)(10,1)(10,2)(10,3)(10,4)(10,5)(10,6)(10,7)(10,8)(10,9)(10,11)
(p,q)=(11,0)(11,1)(11,2)(11,3)(11,4)(11,5)(11,6)(11,7)(11,8)(11,9) (11,10) 
の132通りである。

以上の検討で午後12時を除いたが、この場合はhとkが同じ時刻を示し、時刻を間違える組み合わせではない。

【青木コメント】

本当は24時間なので、132×2=264としてください。

【問題3−2の回答】

INT( b
――
5
)時(5×a+ b
―――
12
)分

【問題3−2の回答の理由】

正しい時間a時b分
[aは0〜11までの整数、bは実数で0≦b<60]

を時間換算すると
h=a+ b
―――
60
[時]である。

時針の時計回りの角は
30×a+ b
――
2
[度]

分針の時計回りの角は

 360×a+6×b [度]
≡6×b [度] [mod 360]

時針と分針を入れ替えてある場合、間違った時刻を示す時針の角は

6×b [度]

間違った時刻を示す分針の角は
30×a+ b
――
2
[度]

間違って読み取れる時刻をc時d分とする。
[cは0〜11までの整数、dは実数で0≦d<60]

0≦b<60であるから
0≦ b
――
5
<12

よって、

c=INT(6× b
――
30
)=INT( b
――
5
)

0≦30×a+ b
――
2
<360であるから

d=(30×a+ b
――
2
)/6
=5×a+ b
―――
12


◆東京都 小林 祐介 さんからの解答

【問題1】

(1)5分の砂時計と7分の砂時計を同時に逆さにする。
(0分経過)

(2)5分の砂時計が落ちきったら逆さにする。
(5分経過)

(3)7分の砂時計が落ちきったら逆さにする。
(7分経過)

(4)5分の砂時計が落ちきったら逆さにする。
(10分経過)

(5)7分の砂時計が落ちきったら逆さにする。
(14分経過)

(6)5分の砂時計が落ちきる。
(15分経過)

1分を計るには(5)と(6)の間の時間を
2分を計るには(2)と(3)の間の時間を
3分を計るには(3)と(4)の間の時間を
4分を計るには(4)と(5)の間の時間をそれぞれ計ればよい。

【問題2】

12時を起点として、出かけた時刻をS分後、帰った時刻をR分後とする。

 0.5S+360=6R
 6S=0.5R

∴S= 720
―――
143
,R= 8640
――――
143

求める答は

R−S= 7920
――――
143
より約55分23秒。

【問題3】

問題2で上の式の左辺の+360を
+0、+360、+720、…、+3960とすると、
Sから0時から1時の間に時計が正しい時間をさす時刻が求められ、
その数は11個。
(解は12個求められるが、そのうちの1個は長針と短針が重なっているので題意にそわない。)

同様に1時、2時、…、11時を起点として正しい時間をさす時刻が11個ずつ求められる。

よって24時間では11×12×2=264個

12/11時間の間に答が12個求められるとして、
12×11×2=264でもよいと思います。

【おまけ】

b
――
5
時 a×5+ b
―――
12
分(端数切り捨て)


◆大阪府 mitsu さんからの解答

【問題1】

砂時計で時間を測るということは,時計そのものに目盛り等はないため,ある瞬間に,砂時計をひっくり返して,砂が落ちきるまでの時間を測るしかありません.

すなわち,この問題の場合,5分か7分という単位でしか時間は測れません.

この問題の場合は,測りたい時間が1分から4分までと,5分以下のため,5分と7分の差を利用することになります.
(1つの砂時計の砂が落ちきったところから測り始めて,もう一方の砂時計の砂が落ちきるまでの時間.)

それぞれの砂時計は,落ちきったところで,(時間のロスなく瞬間に)ひっくり返せるとして,5分もしくは7分を何回か足した時間だけ測ることができます.

すなわち,片方の時計で5分の倍数分だけ時間を測り,もう一方の砂時計で7分の倍数分時間を測り,その差をとればいいことになります.

したがって,1分から4分は次のように測れば求められます.

1分=5分かける3引く7分かける2
(同時に砂時計で測り始めます,7分の砂時計が2回落ちきったところから,5分の砂時計が3回落ちきったところまでが,1分となります.(以下同じ))

2分=7分かける1引く5分かける1

3分=5分かける2引く1分かける1

4分=7分かける2ひく5分かける2

【問題2】

1時間ほどで散歩から戻ってきて,短針と長針が入れかわっているのですが,短針が1時間分ほど進んで,もと長針のいた場所まで移動し,長針は文字盤をぐるっと1周近く回って,短針のいた場所にきたことになります.

ここで短針と長針の動きを独立してみると,短針の動いた角度と,長針の動いた角度の合計が
文字盤1周(360度)になります.

動いていた時間はもちろん等しく,
短針が1分間に0.5度(360÷12÷60),
長針が6度(360÷60)ですから,
合せて1分間に6.5度動きます.

ですから,合せて360度動くための時間は

360÷6.5で,

55
――――
13
分になります.

結局この時間が散歩していた時間そのものになりますから,
55
――――
13
分(約55分23秒)が答えです.

【問題3】

長針と短針の動きをグラフで考えます.

縦軸,横軸とも0から60まで目盛りのある直交座標を準備します.
横軸が分単位で表した長針の位置,縦軸が同じく短針の位置とします.

まず,普通の時計の針の動きを考えてみます.
(針の動きは一定ですから,グラフは直線になります.)

午前0時が原点(0,0)です.
午前1時では長針が60(文字盤で12),短針が5(文字盤で1)のところに移動しています.
(その間を直線で結んでください.)

午前1時は長針が0(分)に戻っていますから,午前1時から午前2時までのグラフは,
(0,5)から(60,10)を結んだもの,

以下同様に,(0,10)から(60,15)というふうに,
最後は(0,55)から(60,60)まで,右上がりの緩やかな直線が12本ひかれます.

次に,短針と長針を入れ替えた時計の動きをグラフにあらわすと,
午前0時が原点(0,0)です.
午前1時では長針が5(文字盤で1),短針が60(文字盤で12)のところに移動しています.
(その間を直線で結んでください.)

午前1時は短針が0(分)に戻っていますから,午前1時から午前2時までのグラフは,
(5,0)から(60,10)を結んだもの,

以下同様に,(0,10)から(60,15)というふうに,
最後は(0,55)から(60,60)まで,右上がりの急な直線が12本ひかれます.

さて,針の入れ替わった時計が,(時計として)正しい時刻を表しているということは,このグラフの交点にある時刻の場合です.

また,本当に正しい時刻を表しているということは,針が重なっている場合になります.

針が重なる場合というのは,
先のグラフで(0,0)と(60,60)を結んだ,右上がり45度の直線状の点の場合です.

それ以外の交点は,この問題の題意に適します.

交点の数は12かける12の144個,
そのうち針が重なる点(傾き45度上の点)は12個ですから.

144−12で132個.すなわち132回です.

また,このグラフは12時間分ですから,1日(0時から翌0時)の間では,
これを2倍して,264回となります.
(ちなみに,針が重なる回数は,23回です.)

【おまけの問題】

出題が文字ですから,これは普通に文字式で考えます.

正しい時計でa時b分ですので,そのときの文字盤の12のところから時計回りにはかった針の角度は,

長針はb×6度
 (長針は1分に6度進むので.)

短針はa×30+b×0.5度
 (短針は1分に0.5度進み,1時間分で30度ですので.)です.

針が入れ替わった時計では,要は,
短針がb×6度,
長針はa×30+b×0.5度をさしていることになります.

ですから,時(JI)は,
[(b×6)÷30]=[b÷5]
([ ]はガウスの記号:切り捨てを表します.)
(1時間で30度)

分(FUN)は,
((a×30+b×0.5)÷6)=(a×5+b÷12)となり.

針を入れ替えた時計は

[b÷5]時(a×5+b÷12)分をさしています.


◆三重県 オンディー さんからの解答

【問題1】

7−5=2分、5−2=3分、7−3=4分、5−4=1分、できあがり!!

【問題2】

X:出発した時の長針がさす分数
Y:散歩した時間(分)

関係を角度をつかって式で表すと、
(例:10分のときは60度)

6X+6Y−360度=
―――
X


―――
X
―――
Y =X

上の二つの式を連立すると、
Y= 720
――――
13

よって、散歩していた時間は55分23秒

【問題3】

文字盤の上では正しい時間を表しているのは
一時間に12回。

実際の時間とあっているのは一時間に1回。
(長針と短針が重なるとき)

よって一時間に12−1=11回、問題の瞬間がある。

11×24=264回。


 ◆ 問題へもどる

 ◆ 今週の問題

数学の部屋へもどる