『今週の問題』第37回 解答


◆高知県 CRYING DOLPHIN さんからの解答。

(1)プレイヤーが「丁」と答えるなら、所持金の増減は

(あ)コンピュータが半なら−30円
(い)コンピュータが丁なら+20円

の2通りしかない。

−30と+20を組み合わせて0にするには、−30と+20のパターンの回数の比を
 2:3 にすればよい。

勝負をしたのは5回なので、−30のパターンが2回、+20のパターンが3回
…すなわちコンピュータは半を2回、丁を3回言ったことになる

(2)10の位に注目すると、
所持金が減るときは1か3と奇数、
増えるときは一律2で偶数、
5回勝負した結果は10の位は6。

奇数は偶数個足さないと偶数にならないので、プレイヤーが負けた回数は偶数。

2回負けたとすると、残り3回は勝っているので、一番損な展開(つまり負けたときは−30円のとき)でも
−30×2+20×3=0で不適。
よって負けた回数は4回と決まる。

4回負けたとすると、残り1回は勝ち。
よって、4回負けて60+20=80円負けるにはどうしたらよいか考えると、
−30が2回、−10が2回であればよい
(小学生だと正式にはつるかめ算で解くのでしょうが、4回というわずかな試行回数を考えれば、数を適当に当てはめた方が早いかもしれませんね)

以上から、展開の1例に次のようなものがあてはまる。

player丁丁丁半半
computer丁半半丁丁


◆石川県 Takashi さんからの解答。

≪T≫

コンピューターは2回『半』、3回『丁』と言った。

≪U≫

コンピュータ【以下 C.】と人間【以下 M.】が同じことを言って、M.が20円獲得する回数をn、
M.が『半』、C.が『丁』と言って、10円取られる回数をkとする。
【0≦n≦5,0≦k≦5,n+k≦5】

すると、M.から見たときの金額の変化量を、χとすると、

χ=20n−10k−30(5−n−k)
 =50n+20k−150

今、60円減ったのだから、

50n+20k−150=−60

n,kは整数だから、(n,k)=(1,2)

言った言葉の例は、

M.『丁、丁、丁、半、半』
C.『丁、半、半、丁、丁』
その他、59通り


◆東京都 Asami(x_x) さんからの解答。

【問題1】

 VS Com 
………χ回
………y回
とおくと

Comが得る金額について

 30χ−20y=0
 χ+y=5

これを解いて(χ,y)=(2,3)………答え

【問題2】

 VS Com 
………χ回
………y回



半 or

………z回

Comが得る金額について

30χ+10y−20z=60⇔3χ+y−2z=6

χ+y+z=5

5χ+3y=16

これを満たす非負整数解(χ,y)は(2,2)のみ

ゆえに(χ,y,z)=(2,2,1)………答え

【おまけ】

簡単のため金額を1/10にする。

Comが確率pで半,1-pで丁を出すように設定されているとする。
私がqで半,1-qで丁を出すとするとComの期待値は

−2pq−2(1-p)(1-q)+q(1-p)+3(1-q)p

−{8q−5}p+3q−2………★

q≧5/8のときComはp=0とするのが最良で、

★=3q−2………@

q<5/8のときComはp=1とするのが最良で、

★=−5q+3………A

y=3q−2(q≧5/8)とy=−5q+3(q<5/8)とのグラフを描けば分かるように
私がq=5/8で設定すればComは良くても−1/8しか(期待値を)得ることが出来ない。

つまり、私は半:丁=5:3で出せば良いということになる。

【おまけ2】

上記では金額を1/10にしたので10倍する。
少なくとも1/8×10=1.25円は期待できる。
(Comはp=3/8で設定すれば損害を少なくできる)


◆広島県 清川 育男 さんからの解答。

【問題1】

私が「丁」で勝った回数をX回とする。
コンピュータが勝つのは「半」の場合でその回数をY回とする。
引き分けはない。

したがって、以下の方程式が成り立つ。

20χ=30Y......1)
χ+Y=5........2)

1)、2)よりχ=3,Y=2

私が「丁」でコンピュータに勝つときは、コンピュータが「丁」のときである。

私 20×3=60 コンピュータ 30×2=60
60−60=0

答え 「丁」3回、「半」2回。

【問題2】

私が「丁」で勝った回数をW回、「半」で勝った回数をχ回とする。
コンピュータが「丁」で勝った回数をY回、「半」で勝った回数をZ回とする。

条件 0≦W,χ,Y,Z≦5 引き分けはない。

20W+20χ=10Y+30Z−60

両辺を10で割る。

2W+2χ=Y+3Z−6
2W+2χ−Y−3Z=−6.........1)

W+χ+Y+Z=5..........2)

2)×2−1)

3Y+5Z=16...........3)

Y=(16−5Z)/3

条件を満たすY,Zの整数解は、
(Y=2,Z=2) 以外にない。

そうなると、W+χ=1

条件を満たすW,χの整数解は、
(W=0,χ=1)または (W=1,χ=0)

イ)
 私コンピュータ
「半」「半」私の勝ち20円
「半」「丁」コンピュータの勝ち10円
「半」「丁」コンピュータの勝ち10円
「丁」「半」コンピュータの勝ち30円
「丁」「半」コンピュータの勝ち30円

20−(10+10+30+30)=−60

ロ)
 私コンピュータ
「丁」「丁」私の勝ち20円
「半」「丁」コンピュータの勝ち10円
「半」「丁」コンピュータの勝ち10円
「丁」「半」コンピュータの勝ち30円
「丁」「半」コンピュータの勝ち30円

20−(10+10+30+30)=−60

順番まではわからないが、勝敗のパターンはイ)、ロ)の2つの場合が予想される。

【おまけ】

私の所持金の期待値をKとする。

コンピュータが「丁」を出す確率をAとする。
私が「丁」を出す確率をBとする。

0≦A,B≦1

K=20*B*A+20*(1-B)*(1-A)-30*B*(1-A)-10*(1-B)*(1-A)
 =80*A*B-30*A-50*B+20
 =(80*A-50)*B-30*A+20

  1. A>5/8、B=1
    K=50*A-30
    1.25<K≦20

  2. A=5/8、K=1.25

  3. A<5/8、B=0
    K=20-30*A
    1,25<K≦20
1),2),3)から 1.25≦K≦20

したがって、コンピュータは
「丁」:「半」=5:3 で手を決めるのが最善です。

コンピュータの作戦はわからないので
(最善は「丁」:「半」=5:3ではあるが)、

K=80*A*B-30*A-50*B+20
 =(80*B-30)*A-50*B+20

80*B-30=0

B=3/8、K=1.25

私は「丁」:「半」=3:5で手を決めればいい。
こうすれば、コンピュータがどの割合で「丁」、「半」を出しても、少なくとも
K=1.25となる。

「丁」:「半」の関係がちょうど逆になる。

この関係を押さえておけば、コンピュータが確変(パチンコで言う)のアルゴリズムを採用しても、回数を多くすれば私は、コンピュータに勝てる。  


◆三重県の中学校2年生 セイコ さんからの解答

【問題1】

 私 コンピュータ
1回目丁 半(−30円)
2回目丁 半(−30円)
3回目丁 丁(+20円)
3回目丁 丁(+20円)
3回目丁 丁(+20円)
_______________
計   0円

【問題2】

 私 コンピュータ
1回目丁 丁(+20円)
2回目半 丁(−10円)
3回目丁 半(−30円)
3回目半 丁(−10円)
3回目丁 半(−30円)
_______________
計  −60円


◆石川県 平田 和弘 さんからの解答

(問題1解答)

人間が丁しか言わないので、1回の勝負では(-30)または(+20)しかないので

(-30)・2+(+20)・3=0 なので

コンピュータは半2回、丁3回言ったことになる。

(問題2解答)

人間が丁でコンピュータが半と言った回数をχ、
人間が半でコンピュータが丁と言った回数をy、
人間が丁(または半)でコンピュータが丁(または半)と言った回数をz とすると

(-30)・χ+(-10)・y+(+20)・z=-60・・・・・(1)

かつ

χ+y+z=5・・・・・(2)

が成り立ちます。

(1),(2)よりzを消去して、

5・χ+3・y=16

となり、この不定方程式を0≦χ,y≦5で解くと、

χ=2、y=2 が得られ、(2)よりz=1 が得られる。

よって、5回の勝負のうち

人間が丁でコンピュータが半と言った回数は2回、
人間が半でコンピュータが丁と言った回数は2回、
人間が丁(または半)でコンピュータが丁(または半)と言った回数は1回となります。

(感想)

今回の問題と全然関係ありませんが、昔、会社の研修で、「人間はどのくらいの確率があったら一番目標にむかって進もうとするか。要するにやる気になるか。」ということで、実は20%でも70%でもなく、50%なのだということを聞きました。
いちかばちかのぎりぎりの状態がやはり人間を一番熱くさせるようです。
そこで私は、今でも賭博の王様はやはり昔からの丁半賭博だと思っています。(笑)

(おまけ1および2)

コンピューター

+20−30
−10+20

なので、人間が丁を言う確率をp、コンピュータが丁を言う確率をqとして、期待値(E)を計算すると、

E=(+20)・pq+(-30)・p(1−q)+(-10)・q(1−p)+(+20)・(1−p)(1−q)
 =80pq−50p−30q+20
 =80(p−3/8)(q−5/8)+5/4

となる。

ここでqが0≦q≦1のいかなる値であっても、
p=3/8とすればE=5/4 となる。

長期的に最も有利に戦うためには、手堅い戦法で行くのが良い。要するに
「少なくとも、○以上の得である。」

または、
「多くとも、△以下の損である。」

を考えて、p=3/8とすれば、1回につき5/4ずつ得が見こめるので人間が有利となる。

従って人間が丁・半を言う割合は、

丁:半=3/8:(1−3/8)=3:5

要するに、丁3、半5の割合で言えば良い。
このとき1回あたりの期待値は5/4となる。


◆北海道 Miki Sugimoto さんからの解答

コンピューター
+20−30
−10+20

さて、ここから本題へと入ります。

【問題1】

連立方程式

 (丁)+(半)=5
 −20×(丁)+30×(半)=0

をとくと、(丁)=3, (半)=2.

【問題2】

−60=−a+b
 (a>0 は10の倍数, b>0 は20の倍数)とおく。

・b≧40 のとき、

既に両者の丁半が2回以上一致している。
またこのとき、a≧100 にもなるので、両者の丁半が4回以上一致しない。
これは、5回勝負という仮定に矛盾。

・b=0 のとき、

a=60 であるが、

χ+y=5
10χ+30y=60

を満たす自然数χ, yは存在しないので、不適。

・b=20 とする。

このとき、両者の丁半が一致する回数は1回。
また、a=80 より、この両者の4対戦は、

と、順序を除いて一意になる。 (適)

よって、結論は以下の通り。

または、

のいずれか。

以下、「おまけ」については、コンピューターの出す丁半の確率が判明しているものとする。

それを、(丁):(半)=c:(1−c) とおく。 (0≦c≦1)

【おまけ1&2】

cをひとつ固定して考え、私の丁半の確率を、

(丁):(半)=m:(1−m) とおく。 (0≦m≦1)

コンピューター
cmm(1−c)
c(1−m)(1−c)(1−m)

このとき、もらえるお金の期待値をE(m)とおくと、

 E(m)
=20{cm+(1−c)(1−m)}−10c(1−m)−30m(1−c)
=(80c−50)m+(−30c+20).

Case i)

80c−50>0 (i.e., c>5/8) のとき、
m=1 のとき、E(m)は最大値をとる。

E(1)=50c−30.

Case ii)

80c−50<0 (i.e., c<5/8) のとき、
m=0 のとき、E(m)は最大値をとる。

E(0)=−30c+20.

Case iii)

80c−50=0 (i.e., c=5/8) のとき、
E(m) (0≦m≦1) は一定値となり、
その値は、E(m)=5/4=1.25.

したがって、c=5/8 (i.e., 丁:半=5:3) のとき、一番コンピューターに有利なような気がします。
(それでもなお、私にとって1円余りだけ得ですが。)

さて、問題はコンピューターがどんなもんだか、さっぱりわからないときですが、これは素直に 「常に半!」の方がよさそうな気もします。

それで試した結果、あんまりにもコンピューターが半ばかり出してくるような場合は、作戦を変えて、「常に丁!」とするべきなのかもしれません。


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