『割り切れる? Part2』

『割り切れる? Part2』解答


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

オイラーの定理の特殊形フェルマー定理によると

(n,r)=1のとき

 nr−1≡1(mod r)

したがって、(nr−1−1)はrで割り切れる。

以上です。

 これでは、あまり面白くないですね。
だからといって、オイラーの定理かフェルマーの定理を知らないと、解くのは無理でしょうね。


【コメント】

 ご指摘の通りですが、たぶんこの問題はそれを証明して欲しいという意図だと思います。

【コメントの追加】

 出題者から、「オイラーの定理やフェルマーの定理を使わないで、高校数学の範囲で解いて下さい。」 というコメントがありました。


◆石川県 数学好き さんからの解答。

◆補題

an≡bn (mod r)、nとrは互いに素とすると、
a≡b (mod r)

∵an≡bn (mod r)だから、
 an−bn=n(a−b)はrで割り切れる。

 nとrは互いに素だから、a−bはrで割り切れる。

 つまりa≡b (mod r)

◆証明

r−1個の数、n、2n、3n・・(r−1)nを考える。
このr−1個の数をrで割ると、その余りの中に1からr−1の数が1個ずつ表れる。

∵an≡bn (mod r)とすると、nとrは互いに素だから補題より
 a≡b (mod r)となり、aとbが等しくなく、どちらもrより小さい場合はありえない。

これらを掛け合わせると、

n×2n×3n・・・×(r−1)n≡1×2×3・・・×(r−1) (mod r)

つまり(r−1)!nr-1≡(r−1)! (mod r)

rは素数なので、(r−1)!とrは互いに素である。

したがって補題より、nr-1≡1 (mod r)


◆千葉県 Lily of the valley さんからの解答。

問題は gcd(n,r)=1 のとき
nr-1 ≡ 1 (mod.r) を証明すればよい。

ここで、nr ≡ n (mod.r) …(*)

を証明できれば、gcd(n,r)=1 より、両辺を n でわって

nr-1 ≡ 1 (mod.r) がしめされる。
ゆえに、これを n に関する帰納法でとく。

まず、n=1 のとき (*)は真である。
ここで、n=k のときの成立を仮定すると、

kr ≡ k である。このとき、二項定理より

(k+1)r=r
Σ
i=0
r!
――――
i!(r-i)!
ki

ここで、r が素数ということより、1<i<r のとき

r!
――――
i!(r-i)!
≡0 (mod.r)
は簡単に示される。

[ gcd(r,i!)=1, gcd(r,(r-i)!)=1 をもちいる。]

よって、(k+1)r ≡ kr+1 (mod.r)

ここで仮定より、kr+1 ≡ k+1 (mod.r)

よって、k+1 のときも(*)は真。
ゆえに、命題は示された。

(感想)ひょんな所で出てくる二項定理。これを使うと、
d
――
dx
(ax+b)n = an(ax+b)n-1

が、 数2までの範囲で(微分の定義にしたがう程度)でしめされるんですよね。
高校生のときそのことを証明して、うれしくなった思い出があります。


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