『(2+√3)n』解答


◆東京都の高校生 MATIX さんからの解答。

a=2+, b=2- とおく。

a,bは、解と係数の関係より、次の方程式の解となる。

x2-4x+1=0 ・・・(1)

ここで、C(n)=an+bn とおく。

(1)より、x2=4x-1

a2=4a-1,b2=4b-1 ・・・(2)

したがって、(2)の両辺にそれぞれ、an,bnをかけると、

an+2=4*an+1-an
bn+2=4*bn+1-bn

この2式を辺々加えることによって
C(n+2)=4*C(n+1)-C(n)

ここで、C(1)=4,C(2)=(a+b)2-2ab=14

したがって、漸化式による帰納的定義により、C(n)は整数となる。

また、定義より、C(n)が正の数になるのは明らか。
さらに、0<b<1であるから0<bn<1
つまり、f(n)=[an]=C(n)-1

ところが、漸化式および第1項と第2項をみると、
C(n),C(n+1)が偶数ならば、C(n+2)も偶数であることがわかる。

C(n)が奇数であれば、条件を満たす。
ところが、そのようなnは存在しない。


◆広島県 清川 育男 さんからの解答。

f(n)=[(2+)n]
[ ] ガウスの記号。

ペルの方程式 X2-3*Y2=1

(2+)n=Xn+Yn
X1=2,Y1=1

f(n)=2*Xn-1

したがって、f(n)が偶数になることはない。


◆京都府 大空風成 さんからの解答。

(2+)nを超えない最大の整数が偶数であるとして、これを2kとおくと、
2k≦(2+)n<2k+1

ここで、0<2-<1だから、0<(2-)n<1であることを利用して、
2k<(2+)n+(2-)n<2k+2 ・・・(1)

(2+)n+(2-)nを展開すると、
の付いた項はすべて消える(下の(参考)を参照)ので、
この数は整数となり、(1)より、
(2+)n+(2-)n=2k+1 ・・・(2)

(2)の式の左辺を展開したときの各項は整数で,
等しい項が必ず2項ずつある(下の(参考)を参照)ので、
(2)の式の左辺は偶数である。
ところが、右辺は奇数だから、矛盾する。

よって、(2+)nを超えない最大の整数が偶数であるようなnはない。


(参考)
2項定理による展開式(乗法記号*が必要なところも、できるだけ省略しています)
(2+)n+(2-)n
=nC02n+nC12n-1() +nC22n-2()2+・・・+nCn-12() n-1+nCn() n+nC02n+nC12n-1(-) +nC22n-2(-)2+・・・+nCn-12(-√ 3)n-1+nCn(-)n

nが偶数(2m)のとき、
nC02n+nC12n-1() +nC22n-2*3+・・・+nCn-12*3m-1√ 3+nCn3m+nC02n- nC12n-1()+nC22n-2*3+・・・- nCn-12*3m-1+nCn3m
=2(nC02n+nC22n-2*3+・・・ +nCn3m)

nが奇数(2m+1)のとき、
nC02n+nC12n-1() +nC22n-2*3+・・・+nCn- 12*3m+nCn3m√ 3+nC02n-nC12n-1() +nC22n-2*3+・・・+nCn-12*3m- nCn3m
=2(nC02n+nC22n-2*3+・・・ +nCn-12*3m)


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