『小学生からの挑戦状 Part2』解答


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

問題のようにnを整数とすると、
(−10km−1){(−10km−1)+1} も 10kの倍数です。
(ただし、kは1≦k≦3の整数、mは正の整数)

ですから、n=−10km−1

ところが、mはいくらでも大きくできますから、
nの最小値は3問とも −∞

また、「nは正の整数」に置き換えた解答は以下のとおりです。

【問題1】

n = 51 x 1 − 1 = 4

【問題2】

n = 52 x 1 − 1 = 24

【問題3】

n = 53 x 3 = 375

【考え方】

nと(n+1)の差は1です。
ですから,nと(n+1)は1以外に公約数を持ちません。
何故なら1以外にも公約数があると、2数の差はその公約数の倍数になり1にはなりません。

題意より、
n(n+1)=5kk
(ただし、kは1≦k≦3の整数、mは正の整数)

ですから、2数の一方が 5kkの因数をすべてを持つ場合と、
2数がそれぞれ 5kと 2kの因数を持つ場合が考えられます。

後者の場合は 5kp と 2kq が2数になります。
(ただし,p,qは1以上の整数で、5kpと2kqは1以外に公約数を持ちません。)

ところが,2数の差は1ですから
kp=2kq±1 ・・・ (1)

つまり、5kp を 2kで割ると
余りが +1 か −1(結局 2k−1) になるような最小なpを求めることになります。

このように余りが2通りあり、しかも最小値pを求めるには次のようにします。

k
k
の余りは 0〜(2k−1) です。

ですから、下図のように 0〜(2k−1) を時計回りに輪にします。

 

【問題3】を例にします。

p=1 とすると、 3
3
の余りは 5 です。

そこで、[0]のマスから時計回りに5だけ先に進みます。
pが1増えると、余りはそこからさらに5だけ先に進む筈です。
このことを[1]か[7]のマスになるまで繰り返すことで p が求められます。

すると、目指すマスが1つなら多くとも 2k回で目指すマスになります。
ところが、目指すマスは2つですから多くとも (2k−1)回で目指すマスになります。

この回数が p ですから、p≦2k−1

∴ 5kp≦5k(2k−1)≦5kk

ですから、一方が 5kkの因数をすべてを持つ場合よりnは小さい筈です。

到着したマスの数(余り)と回数(p)が分かればnも求められます。

(1)式より、マスの数(余り)が 1の時は
n=2kq=5kp−1、

1でなくて(2k−1)の時は n=5k


◆東京都 葛衣 奥人 さんからの解答。

「整数」ってことはマイナスも入るはずだけど、小学生の出題だからプラス限定かな?
ちなみにマイナスだと「最小」はマイナス無限大になりそう(笑)

【問題1】

10(=1×2×5)の倍数だから、nとn+1の組み合わせは
1×?と10×?---(1)か
2×?と5×?---(2)という形の数でないといけない。

(1)だと1×11と10×1でn=10

(2)だと2×2と5×1でn=4

ということで、答えはn=4

【問題2】

問題1と同様に考えると、
100=1×2×2×5×5である。

これを「奇数と偶数に分解する」ことになるが
奇数になるのは1か5か25のみである。

というわけで、2つの数は次のいずれかの形で書ける。

(1)1×?と100×?
(2)5×?と20×?
(3)25×?と4×?

(1)だと1×101と100×1でn=100

(2)のくみあわせはありえない
(2つの数の差が1にならない)

(3)だと25×1と4×6でn=24

ということでn=24

【問題3】

問題2と同様に考える。
n=375


◆滋賀県の小学生 西尾 恭史 さんからの解答。

【問題1】

10の約数=1.2.5.10
20の約数=1.2.4.5.10.20
30の約数=1.2.3.5.6.10.15.30

  .         .
  .         .
  .         .

n×(n+1)=10の倍数だから
n=4でO.K.

【問題2】

n×(n+1)=100以上だから
n=10以上

nかn+1が5の倍数にならないといけない。
ここからはあてはめる。

10×11=110・・・・・・×
14×15=210・・・・・・×

  ・    ・
  ・    ・

24×25=600・・・・・・O.K

n=24

【問題3】

問題3も問題2と同様にやっていき
n×(n+1)=1000の倍数だから
n=31.622・・・・以上

あてはめていく

34×35=1190
35×36=1260

  ・    ・
  ・    ・

375×376=141000

n=375

【コメント】

初歩的な解法でやったら「問題3」にかなり時間を費やしてしまった。
たかがかけ算されどかけ算(?????)


◆茨城県の中学校1年生 田村 昭彦 さんからの解答。

小学生が考えたのだから、n=負の数でないとしておきます。

【問題1】

10の倍数=1×2×5×?=2×5×?ということになる。

つまりn(n+1)の内、どちらかが2の倍数でありどちらかが5の倍数であるということである 。

これをふまえると、nが一番小さくなるためにはn=4となる。

4×5=20

【問題2】

先程と同様にして

100の倍数=1×2×2×5×5×?=2×2×5×5×?

つまりn(n+1)の内 どちらかが5、どちらかが20の倍数かーーー(1)
どちらかが4、どちらかが25の倍数となるー(2)

しかし、(1)の時5の倍数の中に20の倍数も含まれているので、結局(2)とおなじになってしまう。
したがって(2)のとおりだとするとn=24となる。

24×25=600

【問題3】

先程と同様にして

1000の倍数=1×2×2×2×5×5×5×?=2×2×2×5×5×5×?

面倒なので省きますがつまりn(n+1)の内どちらかが125、どちらかが8の倍数となる。
したがってn=375となる。

375×376=141000

「問題3」を前の問題と同じようにn=124としてしまいそうになりました。
とてもおもしろい問題でした。


◆兵庫県 HIPPO さんからの解答。

【問題3】

1000の倍数になる場合、皆さん途中を省略してらっしゃるので、小学生向きの答えを作ってみました。

まず、1000を素因数分解します。
1000=2×2×2×5×5×5

したがって、n(n+1)=2×2×2×5×5×5×M 
(Mは正の整数)

右辺を二数の積に書き換えると

n(n+1)=2×500×M
n(n+1)=4×250×M
n(n+1)=8×125×M
n(n+1)=40×25×M
n(n+1)=200×5×M

の5通りが考えられます。

Mも二つに分けることができます。
例えば 6=1×6、2×3・・・のように。

M=P×Q (P、Qはともに正の整数)とすると上の5つの式は

n(n+1)=2×P×500×Q
n(n+1)=4×P×250×Q
n(n+1)=8×P×125×Q
n(n+1)=40×P×25×Q
n(n+1)=200×P×5×Q

と書き換えることができます。

これを文章で表すと、

(A)n(n+1)の二数は、一方が2の倍数 且つ 他方が500の倍数
(B)n(n+1)の二数は、一方が4の倍数 且つ 他方が250の倍数
(C)n(n+1)の二数は、一方が8の倍数 且つ 他方が125の倍数
(D)n(n+1)の二数は、一方が40の倍数 且つ 他方が25の倍数
(E)n(n+1)の二数は、一方が200の倍数 且つ 他方が5の倍数

となります。

ところが、n(n+1)は偶数×奇数なので(A)(B)はこの条件に反します。
(偶数同士の積になっています)

したがって(C)(D)(E)を検証していきます。

(C) 125の整数倍は一の位が0または5が条件。
n=8Pとすると n+1=8P+1
Pの一の位が3または8の時、8P+1の一の位が5となるので125の倍数になる可能性が存在する。

n+1=8Pとすると n=8P−1
Pの一の位が2または7の時、8P−1の一の位が5となるので125の倍数になる可能性が存在する。

次に8の整数倍は偶数。
n=125Qとすると n+1=125Q+1
Qが奇数のとき125Q+1は偶数となり8の倍数になる可能性が存在する。

n+1=125Qとすると n=125Q−1
Qが奇数のとき125Q−1は偶数となり8の倍数になる可能性が存在する。

(D) 25の整数倍は一の位が0または5が条件。
n=40Pとすると n+1=40P+1
一の位は必ず1なので条件に反する。

n+1=40Pとすると n=40P−1
一の位は必ず9なので条件に反する。

次に40の整数倍は一の位が必ず0が条件。

n=25Qとすると n+1=25Q+1
一の位は必ず1か6なので条件に反する。

n+1=25Qとすると n=25Q−1
一の位は必ず4か9なので条件に反する。

(E) これは(D)の場合が適用できるのでダメ。

結局(C)の場合のみ考慮すればよい。 上述したように125の奇数倍のみを考えればよいので、以下となる。

n=125    n+1=126
126は8の倍数ではない。

n=375    n+1=376
376は8の倍数。
n(n+1)=141000 (1000の倍数)

次に n+1=125  n=124
124は8の倍数ではない。

n+1=375  n=374
374は8の倍数ではない。

n+1=625  n=624
624は8の倍数。
n(n+1)=390000 (1000の倍数)

取り得るnの最小の数値は 375.


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