『大相撲本場所』解答


◆広島県 清川 育男 さんからの解答。

【問題1】

 ちょっといい気分で問題にのぞんでいます。気分は乗っているのですが。
ズバリ、フィボナッチですね。
階差数列はズバリです。

2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 377 610 987 1597
1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 377 610

 答え 1597通り

【問題2】

1=2,a2=3

n+2=an+1+an

ヨッシーさんが以前、特性方程式から一般式を求めておられたので詳細は省略します。


【コメント】

 いつもながら鮮やかですね。
確認はしていないのですが、急いで計算してみたら一般項は

ですね。たぶん。


◆岐阜県立海津北高等学校情報処理科2年生からの解答。

初日
 ○
 ×・・・2通り

二日目
 ○○
 ○×
 ×○・・・3通り

三日目
 ○○○
 ○○×
 ○×○
 ×○○
 ×○×・・・5通り

四日目
 ○○○○
 ○○○×
 ○○×○
 ○×○○
 ○×○×
 ×○○○
 ×○○×
 ×○×○・・・8通り
     ・
     ・
     ・
三日目を見てみると、初日と二日目の合計(2通り+3通り)で5通り、
四日目を見てみると、二日目と三日目の合計(3通り+5通り)で8通りとなることより、当日の結果は一昨日と昨日の合計ということがわかり

初日   →   2通り
二日目  →   3通り
三日目  →   5通り
四日目  →   8通り
五日目  →  13通り
六日目  →  21通り
七日目  →  34通り
八日目  →  55通り
九日目  →  89通り
十日目  → 144通り
十一日目 → 233通り
十二日目 → 377通り
十三日目 → 610通り
十四日目 → 987通り
千秋楽  →1597通り
従って、連敗をしない勝敗の起こり方は1597通りとなります。

別解:
×(負けの数)で場合分けします。(でも、同じ考えですが)
×をk個(k≧0)のとき、○(15−k)個です。
ただし、k≧9のときは、明らかに不適。

k=0のとき、○のみで1通り
k>0のとき、×の起こりうる日は○両端及び間の

 15−k+1=16−k

よって、×の起こる日は16-kk
(k=1,2,3,・・・,8)

したがって、その総数は

1+151142133124+・・・+9788
=1597

大相撲の星取表の中やパスカルの三角形の表の中の斜めの和がフィヴォナッチ数列として隠されていることに驚きを感じました。


【コメント】

このコンビネーションの総和から、前述の一般項がでてくるのは何とも不思議です。
何かうまい計算方法があるのでしょうか。


◆岐阜県 水の流れ さんからの解答。

問題
 参考図のようなパスカルの三角形(二項係数)を斜めに足すと、フィボナッチ数列になることを証明せよ。

<参考図> パスカルの三角形(二項係数)

C(n,r)
       
      
     
    
   
1010  
152015 
21353521
2856705628

<証明>
 フィボナッチ数列をF(n)とすると,
F(1)=1,F(2)=1 ,F(3)=1+1=2,
F(4)=1+2=3, F(5)=1+3+1=5,・・・,

『1型』

F(n+1)=n0n-11n-22+・・mm
F(n+2)=n+10n1n-12+・・m+1m

ただし、n=2mで、m≧1、n≧2の自然数とする。2つ組で考える。

『2型』

F(n+1)=n0n-11n-22+・・mm-1
F(n+2)=n+10n1n-12+・・mm

ただし、n=2m−1で、m≧1、n≧1の自然数とする。2つ組で考える

次に、『1型』のタイプを数学的帰納法で証明します。

F(1)=1,F(2)=1の条件のもとで,
[1]m=1のとき、
  F(3)=1+1=2,F(4)=1+2=3 となり、成立。

[2]m=kのとき(n=2k、kは自然数))、成り立つと仮定とすると、すなわち、下の関係が成り立つ。
<ただし、n0nn=1である>

F(2k+1)=2k02k-112k-22+・・・+kk
F(2k+2)=2k+102k12k-12+・・・k+1k

ここで、m=k+1(n=2k+2)を考える。
組み合わせの性質:

n+1rnr-1nrより 上の囲みの2式をたすと、

2k+102k02k12k-112k-12+・・+k+1k-1k+1kkk

=1+2k+112k2+・・+k+2k+1

=2k+202k+112k2+・・+k+2kk+1k+1

=F(2k+3)
これは、F(2k+1)+F(2k+2)=F(2k+3) が成り立つことを示している。
よって、すべての自然数kについて、フィボナッチ数列F(2m+1)の漸化式が成り立つ。

次ぎに,『2型』のタイプを数学的帰納法で証明します。

F(1)=1,F(2)=1の条件のもとで,
[1]m=1のとき、F(4)=F(2)+F(3)=1+2=3 となり、成立。

[2]m=kのとき(n=2k−1、kは自然数))、成り立つと仮定とすると、
 すなわち、下の関係が成り立つ。
<ただし、n0nn=1である>

F(2k)=2k-102k-212k-32+・・・+kk-1
F(2k+1)=2k02k-112k-22+・・・kk

ここで、m=k+1(n=2k+2)を考える。
組み合わせの性質:
n+1rnr-1nrより 上の囲みの2式をたすと、

2k02k-102k-112k-212k-22++…+kk-1kk

=1+2k12k-12+・・・+k+1k2k+102k12k-12+・・+k+1k

=F(2k+2)
これは、F(2k)+F(2k+1)=F(2k+2) が成り立つことを示している。
よって、すべての自然数kについて、フィボナッチ数列F(2m+2)の漸化式が成り立つ。


◆東京都 鳳 奥人 さんからの解答。

【問題1】

負け数は最大8回ですね。

このとき、勝ち星を○、負け星を●とすると、
●○●○●・・・●○●という成績になっています。

(15-k)勝k敗(0≦k≦8)だったとすると、

|○|○|○|・・・|○|○|○|

この16-k(=(15-k)+1)個の「|」の中から、●を入れる場所をk個選べばよい。

つまり 16-kk 通り。

7勝8敗→ 88= 1
8勝7敗→ 97= 36
9勝6敗→106=210
10勝5敗→115=462
11勝4敗→124=495
12勝3敗→133=286
13勝2敗→142= 91
14勝1敗→151= 15
15勝0敗→160= 1

合計 1597通り

【問題2】

1)nが奇数の場合

問題1と同様に考える。
まず、負け数は最大 n+1
2
である。

(そのときの星は●○●○●・・・●○●○●となる)

(n-k)勝k敗(0≦k≦ n+1
2
)だったとし、
勝ち星を○、負け星を●とすると

|○|○|○|・・・|○|○|○|

この(n-k+1)個の「|」の中から、●を入れる場所をk個選べばよい。

つまりn-k+1k 通り。

だから答えは

(n+1)/2
Σ
k=0
n-k+1k 通り。

2)nが偶数の場合

負け数は最大 n
2
となる。

(星は●○●○・・・●○●○または○●○●・・・○●○●)

(n-k)勝k敗(0≦k≦ n
2
)だったとし、
勝ち星を○、負け星を●とすると

|○|○|○|・・・|○|○|○|

この(n-k+1)個の「|」の中から、●を入れる場所をk個選べばよい。

つまり k+1k 通り。

だから答えは

n/2
Σ
k=0
n-k+1k 通り。


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

【問題1】

勝ちを○、負けを×で15日間表すと、15日目がxの場合もある。
そこで、16日目を付け加えて○とする。

すると、○を踏んだ段、×を踏まなかった段と解釈すれば、「1度に2段まで上がることを許した、16段の階段の上がり方」と一緒。

これなら、フィボナッチ数列になることが容易に理解できる。

1段目まで1通り、2段目まで2通り故、フィボナッチ数列(1,2,3,5,8,‥)の16番目である。

【答え】 1597通り

【問題2】

【問題1】と同様に、フィボナッチ数列(1,2,3,5,8,‥)の(n+1)番目。

本来のフィボナッチ数列(1,1,2,3,5,‥)のn番目と比べると、前が1つ後ろが1つの計2つずれている。
それ故、本来のフィボナッチ数列の一般式(証明は省略)のnを(n+2)に差し替えればよい。


◆東京都 かえる さんからの解答。

【問題1】

k日目までに連敗していない場合の数をa(k)

このうち
k日目に勝っている場合の数をb(k)
k日目に負けている場合の数をc(k)

とおく。
(つまり、a(k)=b(k)+c(k)・・・(1))

ここで、

b(k+1)=b(k)+c(k)・・・(2)
c(k+1)=b(k)・・・(3)

に注意すれば、

 a(k+2)
=b(k+2)+c(k+2) (∵(1))
=b(k+1)+c(k+1)+b(k+1) (∵(2)(3))
=b(k+1)+c(k+1)+b(k)+c(k) (∵(2))
=a(k+1)+a(k) (∵(1))
よってフィボナッチ数列になる。

a(1)=2,a(2)=3なので、・・・以下略


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