◆新潟県 加藤 英晴 さんからの解答。
a>bとしておきます。
bの長さをaの長さに次々に移しとり,余りの長さをr0とします
(b>r0)。
r0の長さをbの長さに次々に移しとり,余りの長さをr1とし
(r0>r1),
r1の長さをr0の長さに次々に移しとり,余りの長さをr2とし
(r1>r2),
r2の長さをr1の長さに次々に移しとり,余りの長さをr3とする
(r2>r3)
という操作を続けていけば,rn=1となるnが存在することが,
ユークリッドの互除法の定理とGCD(a,b)=1より分かるので,
長さ1の線分が得られます。
これで,1,a,bが与えらたので,X2−aX+b=0の解である
X= | a±√(a2−b) 2 |
の長さは,次のように作図でます。 |
長さaの線分の左端に,長さ1を移しとり,その1の右端から垂直に長さaを移します。
1の左端とaの上端とを通る半直線を引き,もとのaの右端から上に引いた垂線との交点を作図します。
その交点ともとの長さaの線分の右端との距離はa2になります。
その距離から長さbだけ引いた長さを直径とする円を先の交点を通るように作図します。
円と距離a2の線分との交点(先の交点でない方)から1だけ上に進んだ点から,真右に垂線を引き,
その垂線が円と交わるまでの長さは√(a2−b)になります。
後は,この長さにaを足したり引いたりした長さの2等分の長さを作図すればよいです。
◆宮城県 甘泉法師 さんからの解答。
二次方程式の解の公式から
2X=a±√(a2 - 4b)=a±√{a(a - | 4b a |
)} |
下記1のように | b a |
の長さは作図で容易に得られる。 |
よって題意は満たされる。
記1:
長さbの線分の端を通る直線を引き、コンパスで端から一定間隔で点を打っていく。
a番目の点、(a-1)番目の点、長さbの線分の他の端点Pを頂点とする平行四辺形をえがき、平行四辺形の辺と長さbの線分の交点Qを得る。
PQの長さは | b a |
。 |
記2:
直交する2辺がp,qの直角三角形をえがき、斜辺から長さ√(p2+ q2 ) を得る。
直径 p+q の円を書き、直径の円周角が直角であることを用いて斜辺がp+q、
直交する2辺が√(p2+ q2 )、√(2pq) の直角三角形をえがく。
長さ√(2pq)の線分を斜辺とする直角二等辺三角形をえがくと、
等辺の長さは√(pq)となる。
◆山梨県 Footmark さんからの解答。
根を線分の長さで表すので、実根を持つときだけを対象とし、 aとbは線分の長さで与えられ値は不明とする。
【解答】
2本の内で長い方の線分を、短い方の線分をとれるだけとった残りの長さに何度も置き替えると、 a,bが互いに素なので最終的に2本は長さ1と長さ0になる。
よって、長さ1の線分は与えられた2本の線分より作図可能である。
すると、与式の2根(重根のときもある)は次のように線分の長さで作図できる。
ただし、表現を簡潔にするため、便宜上xy座標平面(原点O)上に作図するものとして示す。
2点(0,1),(a,b)を結んだ線分を直径とする円を描き、x軸との交点をP,Qとすると、線分OP,線分OQの長さが求める2根となる。
(なぜなら、描いた円の方程式においてy=0とすると与式となるので明らか。)
◆東京都 かえる さんからの解答。
2解をα,βとすれば、2次方程式の解と係数の関係より、
α+β=a
αβ=b
以下、作図の概略。
(1)1の作図
a,bは互いに素なのでax+by=1となる整数x,yをとることができ(証明略)、これにより長さ1の線分を作図できる。
(2)a2の作図
直角を挟む2辺が1,aの直角3角形を描き、長さ1の直線と長さaの線分の直角をなさない方の端点を通り、直角3角形の斜辺に垂直な直線の交点を取れば、その交点と直角をなしている頂点の距離がa2。
(3)α2,β2の作図
直径a2−2b(=α2+β2)の円を描き、
直径との距離がb(=αβ)の直線と円周との交点の1つから直径に垂線を下ろせば、
その垂線は直径をα2とβ2に分ける。
(4)α,βの作図
直径1+α2の円を描き、直径上の端から1の点で垂線を立てれば、円との交点とその点との距離がα。
同様にしてβを得る。
(以 上)