『面積の最大値』解答


◆神奈川県 いわし さんからの解答。

BQ
―――
BC
=u, AP
―――
AQ
= v  (1)

0<u<1, 0<v<1  (2)

とおきます。

u=0またはu=1またはv=0またはv=1のとき、
すなわちPが△ABCの周上にあるとき、△QRSはつぶれてしまい面積は0ですから、除いてかまいません。

Qを通りCSに平行な直線とABの交点をTとします。

AS:ST = AP:PQ = v:(1-v),
ST:TB = CQ:QB = (1-u):u  (3) ですから

AS
――
AB
=x = (1-u)v
――――――――――――――
(1-u)v+(1-u)(1-v)+ u(1-v)
= (1-u)v
―――――――
1-uv
 (4)

を得ます。同様に

AR
――
AC
=y = uv
―――――――――――――
uv+u(1-v)+(1-u)(1-v)
= uv
―――――――
1-(1-u)v
 (5)

です。さて

△ARS
―――――
△ABC
= AS
―――
AB
AR
―――
AC
= xy,

△BSQ
―――――
△ABC
= BS
―――
BA
BQ
―――
BC
= u(1-x),

△CQR
―――――
△ABC
= CQ
―――
CB
CR
―――
CA
=(1-u)(1-y)   (6)

ですから

△QRS
―――――
△ABC
=1-xy-u(1-x)-(1-u)(1-y)   (7)

これに(4), (5)を代入して整理すると

△QRS
―――――
△ABC
= 2u(1-u)v(1-v)
――――――――
1-v+u(1-u)v2
 (8)

が得られ、問題は(2)の範囲での(8)の最大値を求めることに帰着されます。

(8)でu(1-u) = w (9)とおくと

△QRS
―――――
△ABC
= 2v(1-v)・w
―――――――
1-v+(v2)・w
 (10)

(10)の右辺をf(v, w)とおきます。
vを定数と見て、fをwで微分すると

df
―――
dw
= 2v(1-v)2
―――――――――
(1-v+(v2)・w)2
>0  (11)

すなわちfはwの増加関数です。
(9)より、0<u<1の範囲でwは
u=1/2のとき最大値1/4をとりますから、このときfは最大となり、その値は

f(v, 1/4) = v(1-v)/4
―――――――――
1-v+(v2)/4
= 2v(1-v)
―――――――
(2-v)2
  (12)

となります。
つまり、PをBCに平行に動かすと、vによらずQがBCの中点に一致するとき
△QRS
――――
△ABC
は最大となります。

(12)の右辺をg(v)とおきます。gをvで微分すると

dg
―――
dv
= 2(2-3v)
―――――――
(2-v)3
  (13)

ですから、0<v<1の範囲で
gはv=2/3のとき最大値1/4をとります。

以上より(u, v)=(1/2, 2/3)、
すなわちPが△ABCの重心に一致するとき、

△QRS
――――
△ABC
は最大値 1
――
4
をとります。


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