『おまけ』

『おまけ』の解答


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

 対角にあるものを交換しても成り立つ条件、中央の数を交換しても成り立つ条件等、まだ性質がつかめません。
魔方陣になるための必要条件をはずせば出来やすいことは確かです。


◆8つの連続した数のアンチ魔法陣が存在するか。

最小の数をNとすると8つ数の総和Zは、Z=8N+28。

Zの取りうる数は、
1)N=10〜17 Z=108
2)N=11〜18 Z=116
3)N=12〜19 Z=124
4)N=13〜20 Z=132

上記の4通りしかない。詳細は省略。

N1,N2,N3,N4,N5,N6,N7,N8がそれぞれ異なり
1)N1〜N8<10 または N1〜N8>17
2)N1〜N8<11 または N1〜N8>18
3)N1〜N8<12 または N1〜N8>19
4)N1〜N8<13 または N1〜N8>20

上記の場合は不適とすれば、残ったものは8つの連続した数になるというアルゴリズムでプログラムを組みました。
範囲内の数でそれぞれが異なれば、連続した8つの数になると思います。
その結果、適合するものはありませんでした。

答え 存在しない。

数学的な証明は解りません。 


◆東京都 じっさん さんからの解答。

【おまけ】

8つある3つの数の和が、「連続した整数」になるようなアンチ魔方陣は存在するでしょうか。

【解答】

まず、下図のように3×3の魔方陣の各要素をa1〜a9, 各合計をN1〜N8 とおきます。

8
1231
4562
7893
4567
1,N2,・・・N8は連続した整数です(順不同)。 a1〜a9の平均値をaavg とおきます。 aavg は 1/9 の倍数です。 N1+N2+N3=N4+N5+N6=9aavg のため、 N1,N2,N3 の平均、N4,N5,N6 の平均はどちらも3aavg となります。 また、N1+N2+N3+N4+N5+N6=18aavg となります。 ここで、N1〜N8のうち3aavg より小さい数,大きい数がそれぞれ最低3個あることを示します。 3aavg より小さい数が2個しかない場合、 N1+N2+N3+N4+N5+N6 は最低でも (3aavg-2)+(3aavg-1)+(3aavg+0)+(3aavg+1)+(3aavg+2)=18aavg+2 となり 18aavg よりも大きくなってしまいます。 したがって、3aavg よりも小さい数が最低3個必要です。 同様に、3aavg よりも大きい数も最低3個必要です。 ここで、aavg を絞っていきます。 a1〜a9が題意(「N1〜N8が連続した整数になる」)を満たした場合、 a1〜a9それぞれ1ずつ足した魔方陣はN1〜N8が3ずつ足され、やはり連続した整数になります。 従って、aavgの範囲は 0 以上 1 未満のみ考えれば、他の魔方陣は全て生成できます。 a1〜a9 が連続した整数の場合、aavgは整数になります。 aavgが整数となる解が存在する場合、 aavg=0 でも解が存在します。 逆にaavg=0 で解が見つからない場合は a1〜a9 が連続した整数となる解が存在しないことになります。 ここからは、aavg=0 に絞って考えます。 N1〜N8 の中には 3aavg=0 より小さい数、大きい数とも最低3個あるため、 N1〜N8は -4〜3、または-3〜4 の8個の整数になります。 -4〜3 の解は -3〜4 の解の各要素に -1 をかけると生成できますので、ここでは -3〜4 のみ考えます。 ここで、N2+N5+N7+N8 を考えます。 N2+N5+N7+N8=a1+a2+a3+a4+4a5+a6+a7+a8+a9=9aavg+3a5=3a5 で3の倍数になります。 一方、N1+N2+N3=N4+N5+N6=9aavg=0、 N1+N2+N3+N4+N5+N6+N7+N8=-3-2-1+0+1+2+3+4=4 なので、N7+N8=4 になります。 従って、N2+N5は3の倍数+2でなければなりません。 また、a5=(N2+N5+4)÷3 になります。 (N7,N8)=(0,4),(1,3),(3,1),(4,0) それぞれについて、N1+N2+N3=0, N4+N5+N6=0 になる組み合わせを探します。 N1,N2,N3の組に 3 または 4 が入る方だけ考えます。 a2とa4,a3とa7,a6とa8を入れ替えればもう一方が生成できます。 また、上下対称、左右対称を考えると、 N1>N3, N4>N6 だけ考えれば他は生成できることがわかります。 これらから、下記12種類の魔方陣が得られます。
(1)0
1-a1-a3-13-1
-a1+a3+431-a3-43
-a3-31+a3-a1+1-2
12-34
(2)4
1-a1-a3-13-1
-a1+a331-a33
-a3+11+a3-a1-3-2
12-30
(3)0
1-a1-a3+333
-a1+a3+201-a3-3-1
-a31+a3-6-a1+4-2
2-314
(4)4
1-a1-a3+333
-a1+a3-201-a3+1-1
-a3+41+a3-6-a1-2
2-310
(5)0
1-a1-a3+333
-a1+a3+311-a3-6-2
-a3-11+a3-3-a1+3-1
21-34
(6)4
1-a1-a3+333
-a1+a3-111-a3-2-2
-a3+31+a3-3-a1-1-1
21-30
(7)1
1-a1-a3-13-1
-a1+a3+321-a3-14
-a3-11+a3-3-a1+1-3
2-203
(8)3
1-a1-a3-13-1
-a1+a3+121-a3+14
-a3+11+a3-3-a1-1-3
2-201
(9)1
1-a1-a3+434
-a1+a3+211-a3-4-1
-a31+a3-5-a1+2-3
20-23
(10)3
1-a1-a3+434
-a1+a311-a3-2-1
-a3+21+a3-5-a1-3
20-21
(11)1
1-a1-a3+434
-a1+a311-a3-4-3
-a31+a3-3-a1+2-1
02-23
(12)3
1-a1-a3+434
-a1+a3-211-a3-2-3
-a3+21+a3-3-a1-1
02-21


この12個の中に、a1〜a9 が -4〜4 の異なる数となるものが1つでもあれば題意を満たす解になります。
また、1つも見つからなければ題意を満たす解はありません。

ここからは試行錯誤で全数調べました。
5が決まっているのでa1が8通り、
3が7通り。
全12×8×7=672通りについて調べた結果、
a1〜a9が-4〜4で全て異なる数となる解はありませんでした。

結論:

連続した9つの整数を要素とする魔方陣で、8つある3つの数の和が「連続した整数」になるようなアンチ魔方陣は存在しない。

ちなみに、要素が連続した9つの整数でない場合は、8つある3つの数の和が「連続した整数」になるようなアンチ魔方陣は見つかりました。

avgが整数の場合の例(1,3,4,5,6,7,8,9,11)
19
47617
118322
51915
20161821


avgが整数でない場合の例(1,2,3,4,5,6,7,9,10)
13
510419
73212
61916
18141517


以上


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