◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。
【問題1】
答え 1.5
形状は たとえば下図。頂点は格子点上にある。
∵この問題は三角形Tの方を格子状に並べたときに下図のような隙間ができないことと同値である。
格子点を元にした直交座標を考える。
この時、任意の三角形を包み座標軸方向に辺を持つ最小の長方形の頂点の少なくとも1つはその三角形の頂点である。
(証明略)
その点をAとし、のこりをBCとし、さらに一般性を失わない反転写像などしてAが左下に来るようにする。
下図参照。
Aを原点に移動し、ABを y=ax、ACを y=bx (b>a≧0) とする。
このとき上図のように (1,0) (0,1) (1,1)をA点とするTによりカバーされない図中のハッチング部分をカバーするためには、BC は図中の交点E,Dを通過するところまではAから放さなければならない。
以下a,bをパラメータとする線形解析幾何で計算すると B、C点の座標は
B:((ab+1-a)/a/(b-a),(ab+1-a)/(b-a))
C:((ab+1-a)/(b-a) ,(ab+1-a)*a/(b-a))
である。従って三角形Tの面積Sは
S(a,b)=(ab+1-a)2/2a/(b-a)である。
Sは少なくとも1以上だからab+1-a≠0であり、
dS(a,b) da |
= (ab+1-a)* | ab2-ab-b+2a 2a2(b-a)2 |
dS(a,b) db |
= (ab+1-a)* | 2a2-ab-a+1 2a2(b-a)2 |
より極小点は
ab2-ab-b+2a=0、2a2-ab-a+1=0の点である。
この方程式はaの3次式方程式になり、
このうち実数解は a= | 1 2 | → b=2 のみである。 |
このときS( | 1 2 | ,2)= | 3 2 | である。 |
実際、作図すると、答えの図のようであり、Tの格子状配置は領域全面をカバーしている。
なお、a=0やb=無限大に対する取り扱いが雑であるが、極限と考えておけばよく厳密論は省略する。
【問題2】
答え 1+ | 7 12 | ≒2.01036 |
形は下図のような一辺 1+ | 2 | ≒1.86603 の正三角形 |
∵ 三角形Tの辺で最長のものをBCとし、もう1頂点をAとする。
BCをy軸上に、AC上に格子点(1,0)を合わせると、
限界においてAB上に格子点(1,1)が無ければならない。
下図参照。
そのようなTの中で最小面積のものを考えると、それは正三角形である。
(線形解析幾何によった。詳細略)
よって、その一辺は1+ | 2 | で |
高さは1+ | 2 | 、 面積 1+ | 7 12 | である。 |
因みに、この正三角形は内部に1×1の正方形領域を含んでいるので、平行移動に関して必ず格子点を含んでいることは明らかである。
回転移動も含めての証明に関しては格子点と正三角形の対称性から回転角0〜15度のみを検討すればよい。
確認の方法は問題1とほぼ同じで
傾きaとbの間に60度の関係がある条件で、
atan(a)が0〜15度の範囲において点Dが辺BCよりA側にあればよい。
点Eはそのaの範囲では明らかにDよりAに近いので考えなくて良い。
∠(1,0)D(1,1)は常に60度であるから、点Dは円周角の頂点として上図の赤紫の円上である。
atan(a)=αと置くとき
点D=(1+ | 1 2 | + | 1 | cos( | π 3 | +2α), | 1 2 | + | 1 | sin( | π 3 | +2α)) |
この点DのAからAの2等分線の方向=(cos( | π 6 | +α), | sin( | π 6 | +α)) |
L(α)= (1+ | 2 | )*cos(α)- | 1 2 | *sin(α) |
である。α=0 において丁度正三角形Tの高さ、
つまり点Aから辺BCまでの距離:1+ | 2 | であることは当然だが、 |
このあとαが増加(→ | π 12 | )すると |
2* | dL(α) dα | =-{(2+)sin(α)+cos(α)}<0 |
なので L(α)は単調に減少し、常にTの高さ以下である。
詳細は省略するが、Dの方向がAB〜ACの範囲にあることも図から明らかである。
よって、Tの格子状配置はどの角度でも領域全面をカバーする。