『ダイエットに挑戦!』

『ダイエットに挑戦!』解答


◆静岡県 ヨッシーさんからの解答。

 一応、解いたけど、中学生には無理かな。

<解答>

出発してから時刻tでの速度をv(t)、距離をχ(t)とおきます。
vはχの1次関数になっているので、v=aχ+bの形になります。
ここで、χ=0のときv=6、χ=10のときv=4なので、
v=−
χ+6となります。
ここで「微分」という考え方を使うと、

v=dχ
dt
と表せ、上式は、

dχ
dt
=−
χ+6

という、「微分方程式」になります。

これを解くと、

−5log(−χ
+6)=t+C

(log は自然対数、Cは積分定数)

となります。t=0のときχ=0ですから、代入して

C=−5log6 となり、上式は
t=5log6−5log(−χ
+6)

と表せます。

χ=10となるtを求めると、

t=5log6−5log4=2.02732554・・・

となり、2時間とちょっとになります。


【コメント】

 微分方程式ですか。なつかしいです。
しかし私は2時間ちょっとジョギングする自信はとてもありません。
やっぱりダイエットは無理ですか。


◆長崎県 Dr. Berserker さんからの解答。

この問題は、グラフの面積が答えになることを知っていれば、実は中学生でも解けるはずです、近似的に。

時間(t)=道のり(l)/速さ(v)

なので、1/vをlで積分すればいいなということが分かります。
ここで、vとlの関係を式で表さなければなりません。

v=al+b (a、b、は定数)

とすると、条件より、

a=−1/5、b=6

ということがわかります。というわけで、

1/v=5/(30−l)

dl/v=5/(30−l)・dl

これを、0<l<10で積分すると、

l/v
=t
=-5(log20-log30)
=-5(2.995732274-3.401197382)
=2.02732554

これは、2時間1分36秒、ですね。

中学生には、t=l/vだから、l-1/vグラフの面積が時間になることを教えるといいかと思います。
ちなみに、l=vtだから、v-tグラフの面積が移動距離になることは、あまりに有名ですよね。


◆東京都 算数の好きなおじさん さんからの解答。

ジョギングした距離をx〔km〕とすれば、x 地点の時速v はx の一次関数となるから、
v=6-0.2x 〔km/h〕

いま、ジョギングするに要する全時間t は、
t=10
6-0.2x
〔h〕


ここで時速v は距離x によって異なるから、全時間t は、全距離を分割し夫々の時速でジョギングした合計時間となる。
例えばx を出発点(x=0)、中間点(x=5)、到着点(x=6)の3つに分割すれば、
t=10
3
( 1
6
+ 1
6-0.2×5
+ 1
6-0.2×10
)=2.056〔h〕

より精度の高い計算をするには、x の分割数を多くすればよい。

x=0,1,2・・10の11分割とすれば、
t=10
11
( 1
6
+ 1
5.8
+ 1
5.6
+・・+ 1
4
)=2.033〔h〕

時間のある方は、もっと多い分割数で計算してみてください。
この方法は簡易計算による近似値を求めるもので、積分や対数をご存知であれば積分によって正確に求められる。
積分によって計算すれば(方法は省略)
正しい時間t は、 t=2.027〔h〕であるから、10分割の簡易計算では、
2.033-2.027=0.006〔h〕の誤差があることが判る。

この問題は、積分公式を応用すれば簡単であるが学生には難しいかな?。
しかし、積分の概念とである面積(この例では、距離×時速)を求めることに着目すれば近似計算でも求められる。


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