線分BDと線分CEとの交点を点Iとする。
点Iは内心である。
点Iから線分BCへ垂線を引きその足をFとする。
点Aと点Iを結ぶ直線を線分AIとする。
線分AIは角Aの二等分線となる。
∠Bの半角をXとする。また∠Cの半角をYとする。
∠BIF=90−X.........................1)
∠CIF=90−Y.........................2)
∠EAI=∠DAI=90−(X+Y)...............3)
∠AIE=180−∠EAI−∠AEI
=180−(90−(X+Y))−(2X+Y)
=90−X........................4)
∠AID=180−∠DAI−∠ADI
=180−(90−(X+Y))−(2Y+X)
=90−Y.........................5)
∠BIC=∠BIF+∠CIF, ∠DIE=∠AIE+∠AIDだから、
1)4)2)5)式から∠BIC=∠DIE・・・(*) |
1)4)2)5)式と(*)より、線分AIと線分IFは同一直線上の線分と言うことになる。
即ち、線分AF。
△BAFと△CAFにおいて、線分AFは共通。
またその両端の角が等しいので2つの三角形は合同な三角形となる。
したがって、対応する線分は等しい。
即ち、線分AB=線分AC.....................6)
したがって、△ABCは二等辺三角形ということになる。
【コメント】
出題者の水の流れさんから、1)=4)、2)=5)の条件だけでは、3点A,I,Fが一直線上にあることにならないというご指摘がありました。
三角関数を用いる証明にも興味があります。
◆広島県 清川 育男さんからの解答。
視覚による飛躍を指摘されたのではないかと思います。
点Iを軸に回転しても関係は成り立つではないかと言うことだと思います。
図は理解を容易にするものであるが、あくまで論理的に特定しなさいと言うことでしょうね。
証明中の□で囲った部分を追加します。
これで回転はなくなると思います。
もれがないことを論理的に明らかにすることは厳しいですね。
◆静岡県 ヨッシーさんからのコメント。
清川さんの解答ですが、
∠BIF=90−X.........................1)
∠CIF=90−Y.........................2)
∠AIE=90−X.........................4)
∠AID=90−Y.........................5)
からは、
∠BIF=∠AIE
∠CIF=∠AID
が言えるだけです。
そして、これらは(たとえ、AIFが直線であったとしても)対頂角の位置にないので、これだけではAIFが一直線上にあることは言えないでしょう。
それに、最重要条件BD=CEが使われていません。
#私もただ今、考え中です。
#まだ答え言っちゃだめです>>水の流れさん
◆宮城県 斉藤 誠さんからの解答。
△ABCが2等辺三角形でないと仮定すると
∠β≠∠α(各々角B、角Cの2等分角)。
また題意より、EC=BDとする。
△DBC及び△EBCに外接する円をそれぞれRα、Rβとし
線分ABと円Rαとの交点をE’とする。
弦ECがRβに張る円周角は2β
弦DBがRαに張る円周角は2αとなる。
円の大小を Rα>Rβと記述すると、各弦EC、BDは等しいので
2×∠α < 2×∠βとなる。
ところが、
弧E’Dの円周角E’BD=∠β=円周角E’CDであるので
∠α(=∠ECD) > ∠β=(∠E’CD)
となって矛盾が生じる。
また、Rα<Rβの場合も同様になり矛盾する。
よって、仮定は誤りである。
Rα=Rβの場合、点Eと点E’は同一の点になるので
2×∠α = 2×∠β
(各々弦DB、ECの円周角)
かつ
∠α(=∠ECD)=∠β=(∠E’CD)
(弧EDの円周角)
となる。
すなわち△ABCは2等辺(2等角)三角形でなければならない。
同一長の弦の円周角と円の大小の関係は、円周角が2方向にあるので、別途証明が必要かもしれませんがそのまま使っています。
◆広島県 清川 育男さんからの解答。
△DBCと合同な三角形CEFとなるように、点Fをとる。
線分ACと線分EFとの交点をD'とする。
DC=CF であるから∠CDF=∠CFD
また∠DCB=∠CFE
したがって∠DCB=∠CDF
錯角が等しいので、線分BCと線分FEは平行となる。
また点Dと点D'は同一の点であることがわかる。
また BC=FEであるから四角形EBCFは平行四辺形となる。
したがってEB=CF=DC
△EBCと△DCBにおいて
CE=BD,EB=DC,BC=CB(共通)
3辺が等しいから△EBCと△DCBは合同な三角形となる。
したがって対応する、∠ECB=∠DBC
よって∠B=∠C
ゆえに、AB=ACとなり、△ABCは二等辺三角形ということになる。
◆東京都 eikiさんからの解答。
【準備】
Dから辺BCと平行な直線をひき、辺ABとの交点をE'
Eから辺BCと平行な直線をひき、辺ACとの交点をD'とする。
また∠ABC=2X、∠ACB=2Yとし、∠X≦∠Yとする。
∠X≦∠Yと仮定しても一般性は失われない)
0<X<90°、0<Y<90°では
sinX≦sinY、cosY≦cosX …… (※)
【補助線の説明】
BD=CEだからBDsinX≦CEsinYより
(Dと辺BCとの距離)≦(Eと辺BCとの距離)
すなわち CD≦CD'、BE'≦BE、D'E≦DE' …… @
ΔCD'Eは二等辺三角形だから、CD'=D'E …… A
ΔCDE'は二等辺三角形だから、BE'=DE' …… B
したがって @ABより CD'≦BE' …… C
【証明の肝】
ところで、正弦定理より、ΔCD'E、ΔCDE'において
CD' sinY | = | CE sin(180°−2Y) | = | CE sin2Y |
…… D
BE' sinX | = | BD sin(180°−2X) | = | BD sin2X |
…… E
DEより CD'、BE'を求めてCに代入すると
sinY sin2Y | ×CE ≦ | sinX sin2X | ×BD |
3角関数の倍角の公式を使って
BD=CE、0<cosX、0<cosYだから
cosX≦ cosY…… F
【結論】
(※)とFを同時に満たすので cosX= cosY、すなわち
(0<X<90°、0<Y<90°では X=Yだから)
ΔABCは二等辺三角形
【感想】
何かインチキくさくて自信ありません。
特に不等式はすぐ向きがひっくり返っちゃうし。。。
◆岐阜県 水の流れ さんからの解答。
ΔABCにおいて、∠B、∠Cの2等分線が対辺と交わる点をD、Eとするとき、
BD=CEならばAB=ACであることを証明せよ。
コメント:
以前に出題しておきましたが、この度解析学で解けたので、報告します。
因数分解の手前までは、7月25日の夜浜松のホテルで到達していました。
BC=a,CA=b,AB=c とおく。
内角の2等分線の長さのとき、BDやCEを出したことを思い出してください。
ちなみに、
BD2=BC・BA−CD・DA
CE2=CB・CA−BE・EA
<*これらは証明済み>
また、内角の2等分線の性質より、
CD:DA=a:c
BE:EA=a:b
よって、
CD=ab/(a+c) ,DA=cb/(a+c)
BE=ac/(a+b) ,EA=bc/(a+b)
これらを BD2 や CE2 に代入して
BD2
=a・c−ab/(a+c) ・cb/(a+c)
= ac(a+b+c)(a+c−b)/ (a+c)2
CE2
=a・b−ac/(a+b) ・bc/(a+b)
= ab(a+b+c)(a+b−c)/ (a+b)2
ここで、
BD2 − CE2
=a(a+b+c)/(a+c)2 (a+b)2 <**>
<**> は別に計算して、
<**>
=c(a+b)2(a+c−b)−b(a+c)2 (a+b−c)
=c(a2+2ab+b2){a+(c−b)}−b(a2+2ac+c2){a+(b−c)}
=c{a3+a2(b+c)+ab(−b+2c)+b2(c−b)}−b{a3+a2(b+c)+ac(2b−c)+c2(b−c)}
=(c−b){a3+(b+c)a2+abc+bc(b+c)}
=(c−b){a3+(b+c)a2+3abc+bc(b+c)}
仮定のBD=CEから、文字はすべて正だから、
c−b=0
ゆえに、AB=AC <証明終>
コメント:あの夜もっと根気よく、因数分解を遂行すればよかったのにと反省。
◆東京都の大学生、星の子シメオン さんからの解答。
【正弦定理を用いた証明】
簡単のため∠B=2β、∠C=2γとおく。
正弦定理より
BD=CEより
sin2βsin(β+2γ)=sin2γsin(2β+γ)
展開すると
2sinβcosβ[2cosβsinγcosγ+sinβ(1−2sin2γ)]
=2[2sinβcosβcosγ+(1−2sin2β)sinγ]sinγcosγ
辺々整理して4sinβcos2βsinγcosγ+2sin2βcosβ(1−2sin2γ)
=4sinβcosβsinγcos2γ+2sin2γcosγ(1−2sin2β)
移項して4sinβcosβsinγcosγ(cosβ−cosγ)−4sin2βsin2γ(cosβ−cosγ)+2(1−cos2β)cosβ+2(1−cos2γ)cosγ
=0
0<β、γ<π/2 だから β≠γならcosβ・cosγ≠0
左辺を2(cosβ・cosγ)で割ると2sinβcosβsinγcosγ−2sin2βsin2γ+1−(cos2β+cosβcosγ+cos2γ)
= 2sinβcosβsinγcosγ−2sin2βsin2γ+sin2β+sin2γ−cosβcosγ−1
=2sinβcosβsinγcosγ+sin2βcos2γ+sin2γcos2β−cosβcosγ−1
=(sinβcosγ+sinγcosβ)2−cosβcosγ−1
=sin2(β+γ)−2cosβcosγ−1
=−cos2(β+γ)−2cosβcosγ
=0
上式は明らかに成り立たない(∵β+γ<π/2)から、
β=γにならねばならない。
【幾何的?な証明】
辺BCの中点に対して点対称な点A'をとれば、
△ABC≡△A'CB
BD=CE=BE'より△BDE'は二等辺三角形
ここでβ>γ(上の証明での定義を利用)と仮定すると
DC>E'C
∴ ∠CE'D>∠CDE'・・*
ところが
∠CE'D=180゜・2β・γ・∠BDE'
∠CDE'=180゜・β・2γ・∠BE'D
β>γなので∠CE'D<∠CDE'・・**
*と**は矛盾
β<γの場合も同様
矛盾をさけるためにはβ=γでなければならない。
ところで、この解法のポイントは△BDE'が二等辺三角形であることと、BD、BE'が角二等分線であることの矛盾点を如何に導くかにあります。
*を導くまでの証明は直感的に明らかなので省略しましたが、正弦定理を使わずに厳密に証明できるかどうかは確かめていません。
中学時代には代数で強引に解いたような記憶があります。
◆広島県 清川 育男さんからの解答。
BDとCEの交点をOとする。
△EBCを裏返して、ECとBDが重なるように、△FBDをとる。
∠FDC
=∠FDB+∠BDC
=∠ECB+∠BDC
=∠DCE+∠BDC
=∠BOC
∠CBF
=∠DBF+∠CBD
=∠CEB+∠CBD
=∠CEB+∠DBE
=∠BOC
したがって、∠FDC=∠CBF
また、∠BOC=180度−(∠OBC+∠OCB)
∠OBC<45度、∠OCB<45度
したがって∠BOC>90度
∠FDC=∠CBF>90度
鈍角三角形BCFと鈍角三角形△DFCにおいて
FCは共通。BC=DF,∠FDC=∠CBF
よって、二つの三角形は合同。 |
したがって、BF=DC=BE。
△EBCと△DCBにおいて
BCは共通。EB=DC,EC=DB
よって二つの三角形は合同。
したがって、∠B=∠C
以上です。
ALEPHさんの解答を模範にしました。
鈍角三角形の合同は、既知としました。
◆茨城県 新竹の子 さんからの解答。
(三角関数を用いた解答)
∠B=2b, ∠C=2c とおき, △BCD, △BCE において正弦定理を用いると
BD sin(2c) | = |
BC sin(b+2c) |
, |
CE sin(2b) | = |
BC sin(2b+c) |
仮定 BD = CE より
sin(b+2c)sin(2b) = sin(2b+c)sin(2c)
これから b = c を導き,△ABC が二等辺三角形であることを示す。
いま b = M + N, c = M - N とおき,積を差になおす公式を用いると
0 = sin(b+2c)sin(2b) - sin(2b+c)sin(2c)
=sin(3M-N)sin(2M+2N) - sin(3M+N)sin(2M-2N) |
= | cos(M-3N) - cos(5M+N) 2 |
- |
cos(M+3N) - cos(5M-N) 2 |
= | cos(M-3N) - cos(M+3N) 2 |
+ |
cos(5M-N) - cos(5M+N) 2 |
ここで M = | b+c 2 |
, N = |
b-c 2 | であるから |
0°< 2b+2c < 180°, 0°< 2a < 180°, -180°< -2b < 0°より
0°< M < 45°, -45°< N < 45°
ゆえに 0 < sinM < | 1
 |
, |
-1
 | < sinN < | 1
 |
さらに X = (sinM)2, Y = (sinN)2 とおくと
上の式は, 3倍角および5倍角の公式を用いて
0 = sinM sin3N + sin5M sinN
= sinM sinN {3 - 4(sinN)2}+ sinM sinN {16(sinM)4 - 20(sinM)2+ 5} |
= 4sinM sinN {4(sinM)4 - 5(sinM)2 - (sinN)2 +2} |
= 4sinM sinN {(1 - 2X) |
2 |
+( | 1 2 |
- X) + ( | 1 2 |
- Y) } |
ここで sinM > 0, (1 - 2X) | 2 | +( | 1 2 |
- X) + ( | 1 2 |
- Y) > 0 |
だから
sinN = 0
すなわち b = c
◆宮城県 甘泉法師 さんからの解答。
∠B < ∠Cと仮定する。
△AEBCDと合同な三角形△PTQRSをつくり裏返して
△AEBCDと線分ECと線分SQが一致するように重ねる。
点Pが△AEBCDの内部または周上にあるとすると
∠A < ∠Pとなり△AEBCD≡△PTQRSに反する。
よって点Pは△AEBCDの外部にある。
線分PCと線分ABは交点Gで交わり点Rは△AEBCDの内部にある。
△PGE∽△AGC
∵∠A=∠P, ∠PGE=∠AGC 対頂角
線分PEの長さ<線分PRの長さ=線分ACの長さなので
△PGEの面積<△AGCの面積
また、△ERCの面積<△EBCの面積
よって、△PRCの面積<△ABCの面積 となり
△AEBCD≡△PTQRSと矛盾する。
よって背理法から∠C≦∠B
∠B<∠Cと仮定して同様に考察して、∠B≦∠C
したがって ∠B=∠C となり△ABCは二等辺三角形である。
◆岩手県 utu さんからの解答。
三角形ABCが二等辺三角形でないと仮定し、
∠ABC=2α 、∠ACB=2β (α<β)
とおく。
2辺AB、AC上に、それぞれ点F、Gを、
線分FD、EGが、辺BCと平行になるようにとる。

すると、BD=CE かつ α<β より、線分FDより線分EGのほうが上方(Aより)に
ある。
2つの三角形AFD、AEGは相似で、三角形AEGのほうが小さいことになるから、
FD>EG ・・・・・・ ※1
である。
また、平行線の錯角の関係から、
∠BDF=∠DBF=α 、 ∠CEG=∠ECG=β
となるので、三角形BDF、CEGはともに二等辺三角形である。
この2つの二等辺三角形は底辺の長さが一致しているので、
底角の大きいほうが、他の2辺が長い。

すなわち、
BF(=DF)<EG(=CG) ・・・・・・ ※2
※1と※2は、あきらかに矛盾する。
したがって、三角形ABCは二等辺三角形である。 (終)
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