『円の面積』解答


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。

【拡張作図】で求める方法は以下である。

説明のために単位円の中心を原点Oとする座標を考える。

(1)座標の原点Oを中心とし、半径1の円を描く。

(2)x=-1,y=0の点をAとする。

(3)x=1,y=0の点をBとする。

(4)Bあたりから左周りに単位円に糸を巻きつけ、端がA点になるようにする。

(5)A点から糸をときながら先端が描く曲線A,T,C...を引く。
 (インボリュート曲線)

 

(6)引き出した糸がx軸と平行になった点をTとする。
この時離れた糸の長さはπ/2であるが、この長さ分x軸から離れた直線mを引く。

(7)mと曲線CT...の交点をCとする。
このときの糸が単位円から離れる点をPとする。

(8)Bを中心とし、Pを通る円が単位円面積を2分する境界である。

【理論】

作図では∠AOP=Φ=CPとおくとき、
π/2=sin(Φ)−Φcos(Φ) が成立している。

一方、扇形POBの面積は (π―Φ)/2

扇形DBPの面積は (1+cos(Φ))*Φ/2

扇形の重複部分の3角形OBPの面積は
 sin(Φ)/2

よって、2円で囲まれた部分の面積は

2×(扇形POBの面積+扇形POBの面積―重複部分の3角形OBPの面積)
=π−Φ+Φ+Φcos(Φ)−sin(Φ)
=π−(sin(Φ)−Φcos(Φ))
=π/2

◆鹿児島県 ともひろ さんからの解答。

簡易なグラフによる解法までの過程を記述します。
θを求められれば、rを求められますが、ここでは「(仮称)十進BASIC(Full JIS BASIC)」を使用して、近似値を求めています。

r=1.158728472...に至るまでの過程です。


 

 

上図において、
円A(半径1の円)と、円B(半径rの円)の交点(上部)を点Pとする。
また、点Pから直線AB上に垂線を引き、この交点を点Hとする。
また、直線AB上において、円Bとの交点(左部)を点Rとする。

AB=AP=1
BP=BR=r

△ABPにおいて、∠PAB=θとすると、
AB=APであるから、△ABPは二等辺三角形。

∠APB=∠ABP=(π−θ)/2

PH=APsinθ=BPsin((π−θ)/2)


点P,点R,点Bで囲まれた部分の面積について考える。
この図形の面積は、題意の図形の面積の半分であるから、
π/4となる。

ここで、

(扇形PRBの面積)+((扇形PABの面積)−(三角形PABの面積))=π/4

となる。

(扇形PRBの面積)=π×r×r×((π−θ)/2)/2π
(扇形PABの面積)=π×1×1×θ/2π
(三角形PABの面積)=(1×sinθ)/2

であるから、

(π−θ)r2+2θ−π−2sinθ=0
(π−θ)r2+2θ−π=2sinθ
これをy,θの関数
y=(π−θ)r2+2θ−π
y=2sinθ
に分ける。

ここで、
「y=(π−θ)r2+2θ−π」について、

 y−π
=(π−θ)r2+2θ−2π
=2(θ−π)−(θ−π)r2
=(2−r2)(θ−π)

点(π,π)を通る直線とおける。

 

上図において、赤太線の直線は、

y=(π−θ)r2+2θ−π

で表される。

(注意)

y=(π−θ)r2+2θ‥‥(赤細線)
y=2sinθ
の接点が
y=θ上に存在しているように見えますが、これは不明。


ここで△ABPにおいて、線分BP(長さは r )は

 BP2
=AP2+AB2−2・AP・AB・cosθ

AP=AB=1、であるから、
2=2−2cosθ

r≧0であるから、

 

とおける。

また、y−π=2cosθ(θ−π)

rは1<r<の範囲内にあり、
0<θ<(π/2)の範囲内において、

y=(π−θ)r2+2θ−π
y=2sinθ

が接する部分のθを求めて、
「r = 2・sin(θ/2)」に代入して、rが求められる。


(仮称)十進BASIC(JIS Full BASIC)による解

y=2sinθの接線を
 「y=(π−θ)r2+2θ−π」とすることは、
求めるθでの「y=2sinθ」の接線の傾きは
 「(π−2sinθ)/(π−θ)」となる。

「y = 2sinθ」をθについて微分して、
 「dy/dθ=2cosθ」

方程式「(π−2sinθ)/(π−θ)=2cosθ」となる。

REM
REM   『円の面積』
REM    方程式「(π−2sinθ)/(π−θ)=2cosθ」
REM      θをxとしています。
REM

LET xmin = 0
LET xmax = PI/2
LET dx=0.01

FOR i=1 TO 10
   FOR x=xmin TO xmax STEP dx
      LET x1=x
      LET x2=x+dx

      LET a1=(PI-2*SIN(x1))/(PI-x1)
      LET a2=(PI-2*SIN(x2))/(PI-x2)
      LET b1=2*COS(x1)
      LET b2=2*COS(x2)

      LET s1=SGN(a1-b1)
      LET s2=SGN(a2-b2)
      IF (s1<>s2)THEN
         LET r1=2*SIN(x1/2)
         LET c=PI-x1
         LET d=2*SIN(x1)

         PRINT USING "x1=##.####################  r1=##.####################":x1,r1

         REM PRINT USING "x1=##.####################  r1=##.####################   c =##.####################  d =##.####################":x1,r1,c,d

         LET  xmin = x1
         LET  xmax = x2
         LET  dx = dx*0.1

         REM (NEXT x)
         EXIT FOR
      END IF
   NEXT x
NEXT i

END

上記プログラムでの出力
x= 1.23000000000000000000  r= 1.15799368282270000000
x= 1.23500000000000000000  r= 1.15840489342041000000
x= 1.23580000000000000000  r= 1.15869022582253000000
x= 1.23589000000000000000  r= 1.15872690459353000000
x= 1.23589600000000000000  r= 1.15872812720076000000
x= 1.23589690000000000000  r= 1.15872849398177000000
x= 1.23589692000000000000  r= 1.15872847360505000000
x= 1.23589692400000000000  r= 1.15872847319751000000
x= 1.23589692420000000000  r= 1.15872847299375000000
x= 1.23589692427000000000  r= 1.15872847301412000000

●感想

「y=(π−θ)r2+2θ−π」のグラフが
(π,π)を通ることは、rに0,1,を代入したグラフ(直線)から気がつきました。

解を完全に導き出したわけではないのですが、もしかするとeやπあたりを使った簡易な式が解なのかもしれません。


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