『約数の総和との差』解答


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。

【解答】

2006=2×17×59 のみ

【証明】

S=(1+p)(1+q)(1+r)であるから
条件は p+q+r(1+p+q)+pq=1233 である。

2を除いて素数は奇数であるが、p、q、rが総て奇数であると、左辺は偶数であり矛盾する。

よって、一般性を失わずr=2としてよい。

これを代入し、変形すると

(p+3)(q+3)=1240=2×2×2×5×31

が得られる。

 p+3、q+3は6以上の偶数であるが、そのような右辺の分解は次の2通りである。

(1)10×124、(2)20×62 

(1):p=124−3=121=11×11 が素数ではない

(2):p=20−3=17 q=62−3=59 いずれも素数である。

よって N=2×17×59

【感想】

一見煩雑そうでありながら解く方法があって、年号までとは、とてもうまくできていますね。


◆東京都の高校生 もやし さんからの解答。

特に指示がないので、相異なる3つの素数p , q , rはp<q<rであるものとする。

N=pqrから、約数の総和Sは、
S=(p+1)(q+1)(r+1)と表せる。

p,q,rはすべて2でないとすると、p,q,rはすべて奇数になるので、
(p+1),(q+1),(r+1)はすべて偶数になる。

S−N=(p+1)(q+1)(r+1)−pqr=1234より、
(p+1)(q+1)(r+1)=1234+pqr

(p+1),(q+1),(r+1)はすべて偶数なので、
(p+1)(q+1)(r+1)は偶数であり、1234も偶数なので、
pqrも偶数でなければいけない。

しかし、p,q,rはすべて2でないとしているので、これは矛盾。

従って3つの素数の内1つは2であり、
2は最小の素数なので、p=2であることがわかる。

よって、
(p+1)(q+1)(r+1)=1234+pqr
3(q+1)(r+1)=1234+2qr

整理して、qr+3q+3r=1231

両辺に9を足して、
qr+3q+3r+9=1240
(q+3)(r+3)=1240

2<qから、5<q+3

これとq+3<r+3を満たすような(q+3,r+3)の場合は、

(q+3,r+3)=(8,155),(10,124),(20,62),(31,40) だけ。

よって、(q,r)=(5,152),(7,121),(17,59),(28,37)

この内、q,rがともに素数となるのは、(q,r)=(17,59)のみ。

よって、(p,q,r)=(2,17,59)

∴N=pqr=2・17・59=2006

1つでいいのかなぁ…
それにしても今年の始めの方の今週の問題を見てもわかるように、2006は結構奥深い数なんですね。


◆大阪府 電電虫 さんからの解答。

(1+p)(1+q)(1+r)-pqr=1234
(1+p)(1+q)(1+r)=pqr+1234

p,q,rともに奇数とすると
左辺=偶数 右辺=奇数 になるので等式を満たさない。

よって1つは2である。

p=2とすると
3(1+q)(1+r)=2qr+1234
3+3q+3r+qr=1234
(q+3)(r+3)=1240
1240=2*2*2*5*31

q,rは2でない素数なので奇数である。

(q+3,r+3)=(2*2,2*5*31),(2*5,2*2*31),(2*2*5,2*31)
の組み合わせのみである。

上記の時それぞれ
(q,r)=(1,307),(7,121),(17,59)

素数と言う条件を満たすものは以上より
(p,q,r)=(2,17,59)

つまりN=2006のみである。

【感想】

2006って出てきた瞬間に正解を確信しました。(^^)v


◆埼玉県の高校生 野猿 さんからの解答。

約数は
1,P,Q,R,PQ,QR,PR,PQR

で、総和は
1+P+Q+R+PQ+QR+PR+PQR

となります。

これからN=PQRを引くと
1+P+Q+R+PQ+QR+PR=1234
P+Q+R+PQ+QR+PR=1233

となります。

P,Q,Rは素数なのですべて奇数か、2があるかのいずれかです。

すべて奇数ならば
奇+奇+奇+奇+奇+奇=偶
なので矛盾、

しかしP=2と仮定すると
偶+奇+奇+偶+奇+偶=奇

さらにQも2としても
偶+偶+奇+偶+偶+偶=奇

となり成り立ちます。

つまりはひとつは2として固定し、残る2つについて考えればよいことになります。

3Q+3R+QR=1231
の素数解、それがこの問題の解となります。

もしQがわかれば
R= 1231−3Q
3+Q
を調べればよいことになります。

を調べればよいことになります。

Qに素数を代入していくと、
2×17×59=2006

ただ一つが解として現れます

【感想】

西暦の今年になっていることに驚きました。
P,Q,Rに奇数を含めば拡張できそうです。


◆高知県 blue さんからの解答。

N = pqr より

S=(1+p)(1+q)(1+r)
S-N=(1+p)(1+q)(1+r)-pqr=1234

右辺は i)(偶数)-(偶数) または ii)(奇数)-(奇数)でなければならないが、ii)はありえない。

よってi)のとき
p=2として一般性を失わない。

3(1+q)(1+r)-2qr=1234
3(1+q+r+qr)-2qr=1234
3q+3r+qr=1231
q(r+3)+3r=1231
q= 1231-3r
r+3
= -3(r+3)+1240
r+3
= 1240
r+3
-3

1240=2*2*2*5*31より
1240の因数xは、

2、5、31、
5*31=155、2*31=62、2*5=10、2*2=4、
2*2*2=8、2*2*5=20、2*2*31=124、2*5*31=310
2*2*2*5=40、2*2*2*31=248、2*2*5*31=620
2*2*2*5*31=1240

だけあり、x=r+3つまりr=x-3が素数になり、
また1231-3r≧0 より
r≦1231/3≒410.3なるものは

2*31=62、2*5=10、2*2*2=8、2*2*5=20、2*5*31=310、2*2*2*5=40

このとき
r=59,7,5,17,307,47
q=17,121,152,1,28

適するものは、q=17,r=59

∴ p=2,q=17,r=59

【感想】

なるほど、2006ですか(^^。
とてもきれいでうまくできた数式でした。


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