『高校生からの挑戦状Part16』解答


◆茨城県 こんにちは さんからの解答。

【定理】

pを素数とする。
以下の条件を満たすqが存在する。
どんな整数nについても、np−pはqで割り切れない。 

【証明】

【補題1】

pを素数、nをpで割り切れない自然数とする。
np-1≡1 (mod p)である。

証明は「割り切れる?part2」にあります。

【補題2】

a,mを自然数とする。
集合S(a,m)をS(a,m)={kは自然数 | ak≡1 (mod m)}とおく。
Sの最小の要素をeとすると、Sの任意の要素はeで割り切れる。

【補題証明】

eで割り切れないSの要素のhが存在すると仮定する。

h=e*q+r(0<r<n)
ar≡ar*ae*q≡ae*q+r≡ah≡1 (mod m)

rはeより小さなSの要素となって、eの仮定に反する。
よって補題2が示された。

補題証明終

さて本題に入る。

自然数Mを
M= pp-1
p-1
=pp-1+pp-2+・・・+p+1・・・※
とおく
M≡1+p (mod p2)

よって、Mの素因子q中には、q-1がp2で割り切れないものが存在する。

もし、そうでなければ、Mの任意の素因数qi
qi≡1 (mod p2)となると仮定すると、※より
1+p≡M=Π(qi)≡1 (mod p2)

よってp≡0 (mod p2)となって不合理

よって、Mにはq-1がp2で割り切れない素因数q・・・★
が存在することがわかる。

このqが求めるものである事を示す。

十分大きな自然数Kに対して
(n+q*K)p-p≡np-p (mod q)だから、 自然数nに対して、定理を証明すればよいことがわかる。・・・・(A)

ある自然数nに対して、np≡p (mod q)・・・☆
となると仮定する。

qはMの素因数かつpp-1=M(p-1)より、pp≡1 (mod q)

よって、np2≡npp≡pp≡1 (mod q)・・・●

n≡0 (mod q)となると仮定する。

1≡np2≡0 (mod q)となって不合理。
よって、nとqは互いに素
よって、補題1よりnq-1≡1 (mod q)・・・○

●と○よりq-1とp2はS(n,q)の要素である。

補題2より、S(n,q)の最小の要素eはp2の約数である事がわかる。
e=p2となると仮定する。
e=p2は補題2よりq-1の約数となり★に反する。

よってe=1あるいはe=p

e=1のときnp≡1p≡1 (mod q)
e=pのときnp≡1 (mod q)

いずれにしてもnp≡1 (mod q)
よって、☆よりp≡np≡1 (mod q)

※より0≡M=pp-1+pp-2+・・・+1≡1+1+・・・+1≡p (mod q)

よって、p≡0 (mod q)となって不合理である。
ある自然数nに対して、np≡p (mod q)という仮定は誤りであることがわかる。

よって、任意の自然数に対して、定理が正しい事が分かる。
(A)より、任意の整数に対して、定理が正しいことが示された。


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