◆静岡県 ヨッシー さんからの解答。
【問P】
ちょうどn錠飲む方法をA(n)通りとすると、
A(n)は1, 2, 4, 7, 13・・・というトリボナッチ数列になります。
つまり、ちょうどn錠を飲むには、
n−3錠から3錠飲む
n−2錠から2錠飲む
n−1錠から1錠飲む
場合があるので、
A(n)=A(n−3)+A(n−2)+A(n−1)
という関係があります(ただし、n≧4)
ただし、15錠以上になる場合は、
12錠から3錠飲む
13錠から2錠か3錠飲む
14錠から1〜3錠飲む
場合があるので、この問の答えは、
A(12)+2×A(13)+3×A(14) であり、
A(12)=927, A(13)=1705, A(14)=3136
より、
答え:13745
【問Q】
15日間ではたかだか5錠しか飲まない
1錠も飲まない飲み方:1通り
1錠飲む飲み方:15通り
2錠飲む飲み方:13C2=78 通り
3錠飲む飲み方:11C3=165 通り
4錠飲む飲み方:9C4=126 通り
5錠飲む飲み方:7C5=21 通り
合計:406通り・・・答え
考え方:
飲んだ日と飲んだ日の間には最低2日空けないといけない。
例えば、3錠飲む場合では、15日からあらかじめ
2×2=4日を取り除き、11日から3日選ぶ組み合わせをつくり、選んだ飲む日と飲む日の間に2日ずつ挿入していけばよい。
一般にn錠飲む場合(1≦n≦5)
15-2(n-1)Cn で求められる。
【問R1】
○|○|○|○|○|○|○|○|○|○|○|○|○|○|○
上のように、15錠の錠剤と14本の仕切りがある。
仕切りを取れば、その両端の錠剤は同時に飲むとする。
例えば、
○|○ ○|○ ○ ○|○ ○ ○ ○|○ ○ ○ ○ ○
のように、仕切りを取れば、
1,2,3,4,5の順に飲むと考える。
それぞれの仕切りは、取るか取らないかのどちらかなので、
214=16384(通り)
【問R2】
15個の錠剤を7個の部屋に入れる(ただし、一部屋最低1個は入れる)やり方を考えればよい。
15錠のうち7錠をあらかじめ1錠ずつ7個の部屋に入れておき、残りの8錠の錠剤を7つの部屋に分ける重複組み合わせになる。
つまり、 7H8 である。
公式により、7+8-1C8 としてもいいが、好かないのでもう少し解説を加える(^^;
○○○○○○○○||||||
この部屋の分け方は、上のような、8錠の錠剤と6本の仕切りを、並べる並べ方と一致する。
つまり、仕切りにより区切られた7つの区間(両端も含む)の個数に、最初あらかじめ入れておいた1個を加えた数が、飲む錠数となる。
例えば、
○○||○○|○||○○○|
のように並べると、仕切りで区切られた7つの部分の個数は、
2,0,2,1,0,3,0
であり、それぞれ1を加えて、
3,1,3,2,1,4,1
の順に飲むことを表している。
並べ方は
| 14! 8!6! |
=14C8=3003(通り) |
◆出題者のコメント。
コメントが遅くなってしまい、申し訳ありません。
全問とも正解です。
しかも、とても分かり易い解法だと思います。
1年以上経っても、別な解法も寄せられなかったので私なりの解法を示します。
問Pはヨッシーさんの解法と殆ど一緒なので省略します。
【問Q】
ある当日までの飲み方は、
[当日に飲む場合の当日までの飲み方]と[当日に飲まない場合の当日までの飲み方]を合わせたものです。
そこで、4日目以降の任意な日で考えます。
錠剤Qは多くとも3日間で1錠しか飲めませんから、その日に飲む場合は1日前も2日前も飲んでいないことになります。
ですから、その日に飲む場合のその日までのすべての飲み方は、3日前までのすべての飲み方の後に[飲まない日],[飲まない日],[飲んだ日]の3日分が続くことになります。
結局、[その日に飲む場合のその日までの飲み方]と[3日前までの飲み方]は1対1に存在し、どちらの飲み方の数も等しくなります。
同様に、その日に飲まない場合のその日までのすべての飲み方は、1日前までのすべての飲み方の後に[飲まない日]の1日分が続くことになります。
結局、[その日に飲まない場合のその日までの飲み方]と[1日前までの飲み方]は1対1に存在し、どちらの飲み方の数も等しくなります。
よって、n日間(n日まで)の飲み方の数F(n)は、
F(n) = F(nー1) + F(nー3)
で、与えられる漸化式(変形フィボナッチ数列)になります。
また、飲まない日を×,飲んだ日を○で表すと、F(1),F(2),F(3)は以下になります。
F(1)=2 : (×),(○)
F(2)=3 : (××),(×○),(○×)
F(3)=4 : (×××),(××○),(×○×),(○××)
これらを元にして、この漸化式(変形フィボナッチ数列)の各値を順次求めると、
F( 1) : 2 F( 2) : 3 F( 3) : 4 F( 4) : 6 F( 5) : 9 F( 6) : 13 F( 7) : 19 F( 8) : 28 F( 9) : 41 F(10) : 60 F(11) : 88 F(12) : 129 F(13) : 189 F(14) : 277 F(15) : 406∴ 錠剤Qの15日間の飲み方の数=406
【答え】 406通り
[ 補足 ]
一般化して、多くともk日で1錠とすると、
F(n) = F(n−1) + F(n−k)
K≧3なら、問題に似たような漸化式(変形フィボナッチ数列)となります。
K=2 なら、F(n) = F(n−1)+F(n−2) となり、F(1)=2,F(2)=3 ですから
2,3,5,8,13,21,34,… のフィボナッチ数列となります。
特に K=1 なら、F(n) = 2*F(n−1) となり、F(1)=2 ですから
一般項は 2n となります。
【問R】
便宜上、錠剤R15錠は下図のように上が固定されている糸で一列に吊り下げられているものとします。
(下図では上下を左右に書き換えてますが、 ○ が錠剤R1錠を ─ が糸をそれぞれ表します)
上 ┠─○─○─○─○─○─○─○─○─○─○─○─○─○─○─○ 下飲む時は、飲む錠数だけ下からまとめて取るように糸の1ヶ所を切るものとします。
【問R1】
切ることが可能なのは糸のある15ヶ所で、どこも切るか切らないかの2通りが選択できます。
ところが、15錠すべてを飲むためには15ヶ所の糸の内で1番上の糸は必ず切らねばなりません。
結局、切るか切らないか選択できるのは14(=15−1)ヶ所になります。
よって、
錠剤R15錠の飲み方の数
=215-1
=214
=16384
(一般に、錠剤Rのn錠の飲み方の数=2n-1)
【答え】 16384通り
【問R2】
1回飲むのに1ヶ所切りますから、7回で飲むには7ヶ所切ることになります。
ところが、15錠すべてを飲むためには15ヶ所の糸の内で1番上の糸は必ず切らねばなりません。
結局、14(=15−1)ヶ所の内の何処の6(=7−1)ヶ所を切るか選択することになります。
よって、
錠剤R15錠を7回で飲む飲み方の数
=15-1C7-1
=14C6
=3003
(一般に、錠剤Rのn錠をk回で飲む飲み方の数=n-1Ck-1)
【答え】 3003通り
[ 補足 ]
錠剤Rのn錠の 飲み方の数=2n-1 錠剤Rのn錠を 1回で飲む飲み方の数=n-1C0 錠剤Rのn錠を 2回で飲む飲み方の数=n-1C1 ↓ 錠剤Rのn錠を k回で飲む飲み方の数=n-1Ck-1 ↓ 錠剤Rのn錠を n回で飲む飲み方の数=n-1Cn-1∴ 2n-1=n-1C0+n-1C1+…+n-1Ck-1+…+n-1Cn-1