『3つの線分』解答


◆滋賀県 ippei さんからの解答。

【問題1】

とりあえず、存在は示せます。

点pが正三角形の重心ならば、3つの線分からできる3角形は正三角形。

【問題2】

とりあえず、存在は示せます。

点pが正三角形の重心を通り平面に垂直な直線上にあれば、3つの線分からできる3角形は正三角形。

この問題は一般化するとおもしろい問題ですね。


◆富山県 N.C さんからの解答。

【問題1】について

●CASE1
点Pが正三角形の内部にある場合。

# 次の作業をすると見やすくなります。
# 三角形PABとPACを切り抜いておく。

2つの三角形PABとPACを移動して、辺ABとACを重ねます。

点Pの移動後の位置は、三角形PAB側をγ、PAC側をβとし、2点BとCが移動後に重なった点をαとします。

三角形Aβγは、Aβ=Aγ(ともにPAに等しい)で、
∠A=60度ですから正三角形です。

したがって、
PA=βγ、PB=γα、PC=αβとなり、
三角形αβγは求めるものになっています。

●CASE2
点Pが三角形の外部にあって、線分PAが辺BCと交わる場合

# 次の作業をすると見やすくなります。
# 三角形PABとPACを切り抜いておく。

2つの三角形PABとPACを移動して、辺ABとACを重ねます。

点Pの移動後の位置は、三角形PAB側をγ、PAC側をβとし、2点BとCが移動後に重なった点をαとします。

三角形Aβγは、Aβ=Aγ(ともにPAに等しい)で、
∠A=60度ですから正三角形です。

したがって、
PA=βγ、PB=γα、PC=αβとなり、
三角形αβγは求めるものになっています。

●CASE3
点Pが三角形の外部にあって、三角形PBCの内部に点Aがある場合

# 次の作業をすると見やすくなります。
# 三角形PABとPACを切り抜いておく。

2つの三角形PABとPACを移動して、辺ABとACを重ねます。

点Pの移動後の位置は、三角形PAB側をγ、PAC側をβとし、2点BとCが移動後に重なった点をαとします。

三角形Aβγは、Aβ=Aγ(ともにPAに等しい)で、
∠A=60度ですから正三角形です。

したがって、
PA=βγ、PB=γα、PC=αβとなり、
三角形αβγは求めるものになっています。

●CASE4
点Pが、辺BC上にある場合

これは(CASE1)や(CASE2)の特殊例となります。

●CASE5
点Pが、3つの頂点Aに重なる場合

辺の長さが0の三角形の存在を認めると、
これは(CASE1)や(CASE3)の特殊例となります。

長々と書きましたが、なんか一つにまとまらないものだろうか?


◆富山県 N.C さんからの解答。

【問題1】について

毎回、解答を送信したその翌日に、よりよい方法に気付くのはどうしてでしょうか。
(証明の背景にある原理は同じですが,記号が簡単になる。)

原理は同じなので,証明の基本方針だけ言えば、

まず、三角形PACを点Aを中心に60度回転して、
辺ACを辺ABに重ねることができることを示す。

次に,点Pの移動後の位置をP'とし、
三角形APP'が正三角形となることを示す。

最後に、三角形BPP'が求める三角形であることを示す。
(注:三角形PACがつぶれてしまう場合も、上の証明の流れは同じです。)

なお、前回の証明の場合分けに、
「点Pが三角形の外部にあって、辺ABの延長線上にある場合」
が、抜けておりました。


◆京都府 sambaGREEN さんからの解答。

【コメント】

 できる場合できない場合の予想は殆どできていて,問題2の証明も問題1を前提にすでに出来ていました。
N.Cさんの解答を見せてもらったおかげで,問題2の解答を送ることが出来ました。
その前に少し問題1の補足をしておきます。

【問題1】

[図1]のような斜線領域に点Pがあるときを考えます。
(細線は含まない。太線は含む。点Aを除く)

(実際は,細線と一部を除くと,この領域以外でもN.Cさんの方法が使えますが,証明の都合上です)

N.Cさんの証明どおり,△PABを点Aのまわりに60°回転させることによって,
PA,PB,PCを三辺とする三角形の存在が示せます。

1例を[図2]に示しておきます。
PA・・赤,PB・・青,PC・・黒

[図1]の斜線部分を三角形ABCの重心の周りに
120°,240°回転させることにより,頂点A,B,C以外を埋め尽くせます。

ただし,[図2]でP,C,P'が一直線上になって三角形にならない場合があります。

∠ACP+∠ACP'=180° すなわち
∠ABP+∠ACP'=180°のときです。

このとき,A,B,C,Pが共円点になります。
[図3]に示しておきます。

従って,
点Pが正三角形ABCの外接円の上にないとき,
PA,PB,PCを三辺とする三角形を作ることができる。

点Pが正三角形ABCの外接円上のとき,
PA,PB,PCを三辺とする三角形は作れない。

また,このとき
 PA+PB=PC または
 PB+PC=PA または
 PC+PA=PB 

【問題2】

平面π上にない点Pの平面πへの正射影を点Qとするとき,問題1の結果より,

 QC≧QA+QB
 (QC≧QA,QC≧QA)としても一般性を失わない。

直角三角形PQCと直角三角形PQAを[図4]のように重ねる。

図から PC≧PA …(1)

PA+(QC−QA)≧PC …(2)

PC>QC…(3) 

QA=0のときも,不等号は成り立つ。
QC=QAのとき等号成立

また,同様にして

PC≧PB …(4)

PB+(QC−QB)≧PC …(5)

QB=0のときも,不等号は成り立つ。
QC=QBのとき等号成立

(2)+(5)より,

PA+(QC−QA)+PB+(QC−QB)≧2PC

PA+PB≧PC+(PC−QC)+(QA+QB−QC)>PC
なぜならば,
 PC−QC>0
 QA+QB−QC≧0

従って,(1),(4)と,PA+PB>PCから,
PA,PB,PCを三辺とする三角形を作ることができる。

【蛇足】

[問題1][問題2]の結果をあわせると,正三角形ABCの外接円を除いて,すべての空間において,
PA,PB,PCを三辺とする三角形を作ることが出来る。


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