ミカエルの問題 ヒント

ミカエルの問題 ヒント


問題が解けない方はこれを読んで更に苦しんで混乱して下さい。
問題が解けたと思った方はコレを読んで自分の解答が罠にハマっていないか確かめてみて下さい。


最初は矢は壊れていないのだから、ルリヲが最初矢を選ぶときはどれを選んでも射つことが出来るわけです。
ところが、ルリヲが打った矢は壊れたかも知れない。
したがって、ミカエルが矢を選ぶときはもしかすると壊れた矢を手に取るかもしれません。

ところが、ミカエルは実際に矢を2本射っているのですから、ルリヲが矢を壊したか壊さないかに関係無く、とりあえず壊れていない矢を選んだことが分かります。
そして残った2本のうち、ルリヲがそのあと選んだ1本の矢も、実際射ったわけですから、壊れていないものを選んだ、ということになります。

壊れていないものを選んだ、と書きましたが、その時点で選ぶことの出来る矢がどれも壊れていなかった、というケースも充分あり得ます。

さて、以上のことを踏まえて問題をといてみましょう。


解法案 1

これは、もう場合分けをして地道に解くしかないでしょう。

と、すると、まずは

  1. ルリヲが最初に射った2本の矢のうち1本が壊れた場合
  2. ミカエルが射った2本の矢のうち1本が壊れた場合
  3. ルリヲが後に射った1本の矢が壊れた場合
が考えられるので、それぞれの場合にミカエルが犯人である確率を求めて、後でまとめれば良い・・・・
と、考えた人、残念でした。

良く考えてみて下さい。
1と3は簡単に言えば「ルリヲが犯人の場合」、
2は「ミカエルが犯人の場合」となります。

即ち、1と3の場合、ルリヲが犯人と仮定してあるのでルリヲが100%犯人であり、2の場合、仮定よりミカエルが100%犯人です。

さあ、混乱ですね?

こんなものを3つ足してミカエルが犯人の確率は
1

3
だなんて言わないで下さいね。

果たしてこの解き方では無理なのでしょうか?
上手く場合分けすればなんとかなりそうな気がするようなしないような・・・


解法案 2

確率は該当する事象の件数を全ての事象の件数で割れば良い。
確率の基本です。

即ち、「ミカエルが矢を壊す件数/全ての件数」とすれば良いのです。

さて、考えましょう。全ての事象の件数は・・・

問題の通りに事が運ぶやり方の回数を求めれば良いのですが、問題の通りに事が運ぶ、というところが危険です。
カウントされる事象が全て「同様に確からしい」ものでなければ駄目です。

最初にルリヲが矢を壊してしまい、その後ミカエルもルリヲもその壊れた矢を手に取ることが無い、という事象と、ギリギリまで何事も無く事が運び、最後の最後にルリヲが1本射った時に矢が壊れた、という事象は同じように発生するものでしょうか?

どうも信用できません。

さあ、どうしましょう?

問題の通りに事が運ぶ、という条件を外せば
(矢が2本壊れたり、途中で壊れた矢を手に取った場合なども含めて考える)
原理的には解くことが出来るはずですが・・・


解法案 3

確率の問題に慣れている人は問題を単純な問題を1行の計算で解く方法を身に付けているものです。

たとえば、サイコロを3回投げて3回目にだけ6が出る確率を求めるときは

5

6
×5

6
×1

6

のように解きます。

(1回目,1〜5の目が出る確率)×(2回目,1〜5の目が出る確率)×(3回目,6の目が出る確率)
と考えています。

ここはひとつそうやって解いてみましょう。
さあ、どうなりますか?上と同様に考えると

(1回目ルリヲが壊さない確率)×(ミカエルが壊す確率)×(2回目ルリヲが壊さない確率)
でしょうか?

こんなものどうやって数字を当てはめればいいんでしょうね?
2項目の(ミカエルが壊す確率)、これは正に、今から求めようとしている解答そのものです。
もう、ワケが分からなくなってきますね〜。


解法案 4

ミカエルが矢を1本射ったときに矢を壊す確率をPとする。
ルリヲが矢を1本射ったときに矢を壊す確率をQとする。

これっていいんでしょうかねェ?

常識的に考えて矢が壊れるってことはほとんど無いわけであって
(たまたま飛んで行った先で石にぶつかるとか、そういう事情が無い限り壊れたりしないわけです)
それを1本射つ毎に一律「P」とか「Q」の確率で壊れるか壊れないか決まっている、と考えるのはとても無理がある気がしませんか?

仮定しているだけだから構わないんでしょうか?
そんな致命的な疑問を抱えながらも、この解法は自分でお試し下さい。


と、ここまで読んでとても混乱すると思います。
高校で習った如何なる方法も通用しないかのように見えます。

もしかしてそこには確率が存在しない?

そんなことはありません、プログラムを組んで問題をシミュレートすることにより確かに確率が求まります。

この問題では計算によって確率を求めることは出来ないということでしょうか?
数学とはこんなに身近な(単純な)事柄の解析も出来ない学問なのか!?

・・・

一見、この問題が解く事が不可能であるかのような記述がなされていますが、この問題にはキチンとした解答がありますし、確率も正確に求まります。
残念ながら(?)数学に対して不審を抱く必要はありません。

しかし、この問題に歯が立たなかった人の中には
「数学の問題」が「パターン化された解法を当てはめるだけのもの」
ではないと改めて気が付いた方もいると思います。

考えることが数学の本質であり、数字のすりかわっただけの問題を解くのが数学では無い、ということです。


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