『最小公倍数と素数』 解答


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。

【問題1】

m≧nのとき左辺は0で、与式は成立している。
よって 以下 m<nとする。

[植木算のレンマ]

上図のように、0(m)から計測してP(m)毎に植木があるとする。

N−M(m)地点とN(m)地点(N≧N−M≧0)の間にある植木の数を
U(P,N,M)であらわすとき、下記性質がある。

U(P,N,M)= [
] if N=M

U(P,N,M)= [
] or [
]+1 else

従って、

U(P,N,M)−1≦U(P,M,M)

[レンガ積みのレンマ]

上図のように素数P(m)の倍数位置に1個、
2の倍数位置には2個、
一般にPKの倍数位置にはK個のレンガが詰まれているとします。

B(N,M)を N−M(m)地点とN(m)地点(N≧N−M≧0)の間にあるレンガの数とします。
この時、[植木算のレンマ]を用いると、

B(M,M)=[log(M)/log(P)]
Σ
k=1
U(PK,M,M)≧ [log(M)/log(P)]
Σ
k=1
{U(PK,N-M,M)-1}

一方、K≧[ log(M)
log(P)
] +1に対して

Kの倍数はN−M(m)地点とN(m)地点の間には高々1個である。

従って、そのレンガの高さ(K)の最大値をKmaxとするとき

B(N,M)
Σ
K=1〜[log(M)/log(P)]〜Kmax
U(PK,N-M,M)
[log(M)/log(P)]
Σ
K=1
{U(PK,N-M,M)-1}+Kmax
Σ
K=1
1

以上をまとめると

B(N,M)−Kmax≦B(M,M)

[レンガ塀のレンマ]

最大nで、連続m+1個の整数
n,n−1,n−2,・・・,n−mの最小公倍数を
L(n,m)で表すとする。

この時、L(n,m)の中の素因数Pの冪乗値はKmaxである。

一方 n*(n−1)*(n−2)*・・・*(n−m) 中のPの冪乗値は
B(N,M)である。

さらに、m!中のPの冪乗値はB(M,M)である。

従って、 n*(n−1)*(n−2)*・・・*(n−m)
m!
中のPの冪乗値は 

B(N,M)−B(M,M)であって、
[レンガ積みのレンマ]より、Kmax 以下である。

各素因数Pに対して、以上の関係が成立する。

従って、 n*(n−1)*(n−2)*・・・*(n−m)
m!
≦L(n,m)である。

[証明]

任意のn≧m≧0 に対して L(n)≧L(n、m)は明らかである。
これに[レンガ塀のレンマ]を適用すれば、求める式が得られる。

【問題2】

[レンガ塀のレンマ]の中で示したように
Kmax=[log(x)
log(P)
] log(x)
log(P)
である。

従ってlog(最小公倍数)は

log(L(x))

素数p≦x
Kmax*log(p)

素数p≦x
log(x)
=π(x)log(x)  ―――(1) である。

一方、問題1の定理において m=[x
2
]  の場合を考えると

x≧7が奇数のとき x=2m+1 とおけば

L(x)
x!
(m!)2
(2m+1)!
(m!)2
m
Π
k=1
(4+ 2
k
)
m
Π
k=4
(4+ 2
k
) 7*6*5*4*3*2*1
3*3*2*2*1*1
≧22m-6×140
>22m+1
=2x

x≧8が偶数のとき x=2m=2k+2 とおけば

L(x)
≧ x!/(k+1)/(k!)2
=2*(2k+1)!/(k!)2
>2*22k+1
=2x

以上より x≧7において log(L(x))>x*log(2)  ―――(2)である。

(1)(2)より x≧7において log(2)*x
log(x)
<π(x)である。

x≦6に関しては実際に調べれば、下表に示すように5以上は成立している。

π(x)
log(2)*x
log(x)
> 成立判定
2 不成立
1.892789261 成立
2 不成立
2.15338279 成立
2.321116843 成立
2.49345031 成立
2.666666667 成立

よって、n≧5 において log(2)*
log(n)
<π(n) である。

【感想】

問題2は 最小公倍数とπの関係(1)になかなか気が付かなくて、悪戦しました。
分かってしまえば問題1より簡単なのですが。


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