『高校生からの挑戦状Part44』解答


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。

【定理1≒アイゼンシュタインの定理】

xの整数係数m次モニック多項式A(x)があって、A(0)=p:素数であり、かつm次を除く係数が全てpの倍数であるとき、 A(x)は整数係数の範囲では因数分解できない。

∵ A(x)が因数分解できるとすると、m=b+c (b>0 c>0 整数)として、次のように因数分解される。

A(x)=(±xb b-1
Σ
i=1
Bii +1)(±xc c-1
Σ
i=1
Cii +p)
xの1次の係数を考えると 右辺は pB1+C1であり C1はpの倍数である。

xの2次の係数を考えると 右辺は pB+ B1C1+Cであり Cはpの倍数である。

以下同様にx (d<m) の項の係数を考えるとCはpの倍数であり、dは右の因数の最高次数ではない。
つまりc=mであり、b=0であるので矛盾する。

【定理2】

xの整数係数モニック多項式A(x)、B(x)、C(x)があって、A(x)=B(x)C(x)である。

また、A(x)とB(x)の最高次数を除く項の係数が素数pの倍数であるとき、
C(x)の係数もまた、最高次数を除く項の係数が素数pの倍数である。


A(x)=xb+c+pA’(x)、
B(x)=x+pB’(x)、
C(x)=x+C’(x) とする。

A(x)=B(x)C(x)に代入して計算すると 

C’(x)=p(A’(x)−B’(x)C’(x)−B’(x)x

である。
よってC’(x)の係数はpの倍数である。



【命題1】 x=y+1 と置き換えて yの整式で考える。

(y+1)p−1=y× p-1
Σ
i=1
pi+1i

であるので少なくとも2個に因数分解できる。
Σのある方の因数の係数は i+1であり、pが素数なので、
最高次数yp-1の係数が1(モニック)であることを除き、pの倍数である。

また、0次の係数は1=pである。
よって定理1によりこれ以上因数分解できない。

【命題2】

の約数の数はk+1である。
命題1同様に x=y+1 と置き換え yの整式にして、数学的帰納法で証明する。

k=1の場合は命題1により成立している。

k=m−1のときに成立しているとする。
即ちm個に因数分解されるとする。

である。前方の因数は仮定によりm個に因数分解される。
よって後方Σのある項がこれ以上因数分解できないことを証明できれば良い。

ところで一般に Q=p に対して 
Qi はi=0、Qを除いてpの倍数である。

従って、(y+1)Q−1 も (y+1)Q/p−1 も 最高次数以外の係数がpの倍数である、モニックである。

よって定理2により、後方Σのある項も最高次数以外の係数がpの倍数である、モニックである。
またその0次の係数は y=0を代入することによりpであることがわかる。

即ち定理1によりこれ以上因数分解はできない。


【命題3】

(1)p=2 のとき 2pの約数の数はk+2である。
一方命題2より因数分解の数はk+2である。

(2)p≠2 のとき、即ち奇数のとき、2pの約数の数は2(k+1)である。
式を変形するとpが奇数なので下記である。

従って、命題2より因数の数は2(k+1)である。
以上より因数の数は2pの約数の数であるといえる。


【命題4】

xn-1 を複素数の範囲で因数分解すると下記である。

xn-1= n-1
Π
k=0
(x−exp( 2πi
n
))

nの約数をq(>1)とするとき、qの倍数であるkだけ集めると下記であり、(x−1)以外の整数係数の因数が1つ得られる。

n/q-1
Π
k=0
(x−exp( 2πiq
n
))=xq−1=(x−1)(xq-1+・・・+1)

従って、(x−1)をq=1に対応させれば、少なくともnの約数の数だけ因数の種類が存在していることがわかる。

(注記:ただしこれは因数の種類の数であり、因数分解した因数の数ではない。
たとえば3個に因数分解される場合、因数の種類数は最大7個である。)

nの約数qとqの最小公倍数Lがn未満のとき、Lはnの約数である。
即ち、q、qに対応する因数は、Lに対応する因数を共通因数として持っている。

従って、因数の種類を q、q、L対応の3個からより因数に近い 

対応因数/L対応因数 、q対応因数/L対応因数 、L対応因数

の3個に置き換えることができ、その数は同じである。

以上から、xn-1 を因数分解したときの因数の数は、少なくともの約数の数になることがわかる。


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