◆茨城県 小川 康幸 さんからの解答。
【問題2】
n, mを互いに素かつ、n<m を満たす自然数とする。
さらに、kを、mと互いに素な自然数とする。
n/mのk進小数で表現したときの循環節の長さが2aとなるとき、
ka≡-1 (mod m)となるような、mをとる。
循環節を半分にして、それぞれ加えると、
各位の数はすべて、k−1である。
【問題2解答】
数列 ai (i≧0), bi+1 (i≧0) を次のように定義する。
a0=n
k*aiをmで割った商をbi+1、
余りを、ai+1と定義する。
つまり、k*ai=m*bi+1+ai+1
【命題1】
任意の非負整数iに対して、
{1} 0≦ai<m
{2} ai≡n*ki (mod m) 特に、ai≠0
{3} 0≦bi+1<k
【命題1証明】
明らかに、任意の非負整数iに対して、0≦ai<m,
ai≡n*ki (mod m)
任意の非負整数iに対して、0≦bi+1<kを示す。
m*bi+1≦m*bi+1+ai+1=k*ai<k*mだから、
m*bi+1<k*mより、bi+1<m
bi+1<0 と仮定すると、
k*ai
=m*bi+1+ai+1
<m*bi+1+m
=m*(bi+1+1)≦0より、
ai<0となって不合理。
よって、示された。
また、ai≠0を示す。
nもkもmと互いに素だから、n*ki もmと互いに素だから、
n*kiはmで割り切れない。
ゆえに、
ai≡n*ki (mod m)だから、
aiもmで割り切れない。
よって、ai≠0が示された。
命題1証明終
明らかに、bi+1は、n/mの小数点第i+1位の数である。
【命題2】
任意の非負整数iに対して、
bi+s+1=bi+1 ⇔ ks≡1 (mod m)
【命題2証明】
ks≡1 (mod m) のとき
命題1より、mod m で、
ai+s≡ki+s=ks*ki≡ki≡ai
ゆえに、命題1より、ai+s=ai
k*ai=m*bi+1+ai+1
k*ai=k*ai+s=m*bi+s+1+ai+s+1 より、明らかに
、
bi+s+1=bi+1となる。
逆に、任意の非負整数iに対して、bi+s+1=bi+1 のとき
as≠a0 と仮定する。
k*as=m*bs+1+as+1
k*a0=m*b1+a1より、
k*(as-a0)=as+1-a1
∵b1=bs+1だから!
k*as+1=m*bs+2+as+2
k*a1=m*b2+a2より、
k*(as+1-a1)=as+2-a2
∵b2=bs+2だから!
よって、k2*(as-a0)=as+2-a2
同様にして、
ai+s-ai=ki*(as-a0)がわかる。
|ai+s-ai|=ki*|as-a0|≧ki
∵|as-a0|≠0だから|as-a0|≧1となる!
iを十分大きく取ると、ki>mとなるが、
これは、|ai+s-ai|<mに反する。
よって、as=a0
ゆえに、n*ks≡as=a0≡n (mod m)
nとmは互いに素だから、ks≡1 (mod m)となる。
命題2証明終
1以上m以下の自然数の中で、mと互いに素な自然数の個数を
オイラー関数でψ(m)と書く事にする。
オイラーの定理より、kψ(m)≡1 (mod m)
命題2より、bi+ψ(m)+1=bi+1となる。
よって、n/mの循環節は、ψ(m)の約数である。
n/mの循環節が2aであるとき、命題2より、
k2a≡1 (mod m)
ここで、問題の条件を使う!
条件より、ka≡−1 (mod m)となる。
命題1より、任意の非負整数iに対して、
ai+s+ai≡n*ki+s+n*ki=n*ki(ks+1)≡0 (mod m)
命題1より、
0<ai,ai+s<mだから、
0<ai+s+ai<2m だから、
ai+s+ai=m
さて、問題2の証明に入ろう。
k*ai=m*bi+1+ai+1
k*ai+s=m*bi+s+1+ai+s+1
k*(ai+s+ai)=m*(bi+1+bi+s+1)+(ai+1+ai+s+1)
k*m=m*(bi+1+bi+s+1)+m
m*(k-1)=m*(bi+1+bi+s+1)
これより、bi+1+bi+s+1=k-1
よって、
(小数点i+1位の整数)+(小数点i+s+1位の整数)=k-1
がいえたから、問題2も証明された。
よって、k=10の特別な場合の問題1も証明された。
問題2解答終
【問題3】
mが素数pのとき、n/mの循環節が2aのとき、ka≡-1 (mod m)となる。
【問題3解答】
mが素数pのとき、問題2の命題2より
k2a≡1 (mod p)
(ka-1)(ka+1)≡0 (mod p)
pが素数だから、
ka≡1 (mod p) または、ka≡-1 (mod p)となる。
ka≡1 (mod p) となると仮定する。
問題2の命題2より、n/mの循環節の長さがa以下になるので、
これは、n/mの仮定に反する。
(n/mの循環節の長さが2aだから)
ka≡-1 (mod p)が成立する事がわかる。
問題3解答終
問題3の拡張として、
【問題4】
cを任意の自然数、qを奇数の素数とする。
m=qcも問題3の条件を満たす。
つまり、n/mの循環節が2aのとき、ka≡-1 (mod m)となる。
【問題4解答】
問題2の命題2より、
k2a≡1 (mod m)
(ka-1)(ka+1)は、qcで割り切れる。
(ka-1)(ka+1)は素数qで割り切れるので、
ka-1とka+1の少なくとも一方はqで割り切れる。
(ka-1),(ka+1)共にqで割り切れるとき
ka-1≡0 ,ka+1≡0 (mod q)だから、
2=(ka+1)-(ka-1)≡0-0=0 (mod q)
qは奇数の素数だから、これは不合理。
ka-1がqで割り切れ、ka+1が、qで割り切れないとき
qは素数だから、ka+1は、qと互いに素、
よってka-1は、qcで割り切れる。
ka≡1 (mod qc)
問題2の命題2より、n/mの循環節が,a以下であることになって、問題の仮定に反する。
ka-1がqで割り切れず、ka+1が、qで割り切れる。
qは素数だから、ka-1は、qと互いに素、
よってka+1は、qcで割り切れる。
よって、ka≡-1 (mod qc)となる事が示された。
問題4解答終
n/mの循環節が2aのとき、ka≡-1 (mod m)となるmなのですが、素数だけではなく、奇素数のべき乗数でも良いみたいです。
問題4で証明しておきました。
あと、他にどんなmがこの条件を満たすのでしょうか?