『999 Part2』解答


◆茨城県 小川 康幸 さんからの解答。

【問題2】

n, mを互いに素かつ、n<m を満たす自然数とする。
さらに、kを、mと互いに素な自然数とする。

n/mのk進小数で表現したときの循環節の長さが2aとなるとき、
ka≡-1 (mod m)となるような、mをとる。

循環節を半分にして、それぞれ加えると、
各位の数はすべて、k−1である。

【問題2解答】

数列 ai (i≧0), bi+1 (i≧0) を次のように定義する。

a0=n

k*aiをmで割った商をbi+1
余りを、ai+1と定義する。

つまり、k*ai=m*bi+1+ai+1

【命題1】

任意の非負整数iに対して、

{1} 0≦ai<m
{2} ai≡n*ki (mod m) 特に、ai≠0
{3} 0≦bi+1<k

【命題1証明】

明らかに、任意の非負整数iに対して、0≦ai<m,
ai≡n*ki (mod m)

任意の非負整数iに対して、0≦bi+1<kを示す。

m*bi+1≦m*bi+1+ai+1=k*ai<k*mだから、
m*bi+1<k*mより、bi+1<m

bi+1<0 と仮定すると、

k*ai
=m*bi+1+ai+1
<m*bi+1+m
=m*(bi+1+1)≦0より、

ai<0となって不合理。

よって、示された。

また、ai≠0を示す。

nもkもmと互いに素だから、n*ki もmと互いに素だから、
n*kiはmで割り切れない。

ゆえに、
ai≡n*ki (mod m)だから、
aiもmで割り切れない。

よって、ai≠0が示された。

命題1証明終

明らかに、bi+1は、n/mの小数点第i+1位の数である。

【命題2】

任意の非負整数iに対して、
bi+s+1=bi+1 ⇔ ks≡1 (mod m)

【命題2証明】

ks≡1 (mod m) のとき

命題1より、mod m で、
ai+s≡ki+s=ks*ki≡ki≡ai

ゆえに、命題1より、ai+s=ai

k*ai=m*bi+1+ai+1
k*ai=k*ai+s=m*bi+s+1+ai+s+1 より、明らかに 、
bi+s+1=bi+1となる。

逆に、任意の非負整数iに対して、bi+s+1=bi+1 のとき

as≠a0 と仮定する。

k*as=m*bs+1+as+1
k*a0=m*b1+a1より、

k*(as-a0)=as+1-a1
∵b1=bs+1だから!

k*as+1=m*bs+2+as+2
k*a1=m*b2+a2より、
k*(as+1-a1)=as+2-a2
∵b2=bs+2だから!

よって、k2*(as-a0)=as+2-a2

同様にして、
ai+s-ai=ki*(as-a0)がわかる。

|ai+s-ai|=ki*|as-a0|≧ki

∵|as-a0|≠0だから|as-a0|≧1となる!

iを十分大きく取ると、ki>mとなるが、
これは、|ai+s-ai|<mに反する。

よって、as=a0

ゆえに、n*ks≡as=a0≡n (mod m)

nとmは互いに素だから、ks≡1 (mod m)となる。

命題2証明終

1以上m以下の自然数の中で、mと互いに素な自然数の個数を
オイラー関数でψ(m)と書く事にする。

オイラーの定理より、kψ(m)≡1 (mod m)

命題2より、bi+ψ(m)+1=bi+1となる。

よって、n/mの循環節は、ψ(m)の約数である。

n/mの循環節が2aであるとき、命題2より、
k2a≡1 (mod m)

ここで、問題の条件を使う!

条件より、ka≡−1 (mod m)となる。

命題1より、任意の非負整数iに対して、
ai+s+ai≡n*ki+s+n*ki=n*ki(ks+1)≡0 (mod m)

命題1より、
0<ai,ai+s<mだから、
0<ai+s+ai<2m だから、
ai+s+ai=m

さて、問題2の証明に入ろう。

k*ai=m*bi+1+ai+1
k*ai+s=m*bi+s+1+ai+s+1
k*(ai+s+ai)=m*(bi+1+bi+s+1)+(ai+1+ai+s+1)
k*m=m*(bi+1+bi+s+1)+m
m*(k-1)=m*(bi+1+bi+s+1)

これより、bi+1+bi+s+1=k-1

よって、
(小数点i+1位の整数)+(小数点i+s+1位の整数)=k-1

がいえたから、問題2も証明された。

よって、k=10の特別な場合の問題1も証明された。

問題2解答終

【問題3】

mが素数pのとき、n/mの循環節が2aのとき、ka≡-1 (mod m)となる。

【問題3解答】

mが素数pのとき、問題2の命題2より

k2a≡1 (mod p)
(ka-1)(ka+1)≡0 (mod p)

pが素数だから、
ka≡1 (mod p) または、ka≡-1 (mod p)となる。

ka≡1 (mod p) となると仮定する。

問題2の命題2より、n/mの循環節の長さがa以下になるので、
これは、n/mの仮定に反する。
(n/mの循環節の長さが2aだから)

ka≡-1 (mod p)が成立する事がわかる。

問題3解答終

問題3の拡張として、

【問題4】

cを任意の自然数、qを奇数の素数とする。
m=qcも問題3の条件を満たす。

つまり、n/mの循環節が2aのとき、ka≡-1 (mod m)となる。

【問題4解答】

問題2の命題2より、
k2a≡1 (mod m)
(ka-1)(ka+1)は、qcで割り切れる。

(ka-1)(ka+1)は素数qで割り切れるので、
ka-1とka+1の少なくとも一方はqで割り切れる。

(ka-1),(ka+1)共にqで割り切れるとき
ka-1≡0 ,ka+1≡0 (mod q)だから、

2=(ka+1)-(ka-1)≡0-0=0 (mod q)

qは奇数の素数だから、これは不合理。

ka-1がqで割り切れ、ka+1が、qで割り切れないとき

qは素数だから、ka+1は、qと互いに素、
よってka-1は、qcで割り切れる。

ka≡1 (mod qc)
問題2の命題2より、n/mの循環節が,a以下であることになって、問題の仮定に反する。

ka-1がqで割り切れず、ka+1が、qで割り切れる。

qは素数だから、ka-1は、qと互いに素、
よってka+1は、qcで割り切れる。

よって、ka≡-1 (mod qc)となる事が示された。

問題4解答終

n/mの循環節が2aのとき、ka≡-1 (mod m)となるmなのですが、素数だけではなく、奇素数のべき乗数でも良いみたいです。
問題4で証明しておきました。

あと、他にどんなmがこの条件を満たすのでしょうか?


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